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人気順 5 users 10 users 100 users 500 users 1000 users【江戸時代の身分制度論】士農工商から身分的周縁へ | Kousyoublog
2016年五月の初頭ごろだったか、Twitterで士農工商という表記が教科書から無くなっているという話が話題になっていた。そう。もう江戸時代の身分制を「士農工商」として表記することは退けられて久しいのだ。少なくとも一九七〇年代初頭に疑問が呈され、九〇年代にほぼ否定され、その結果として二〇〇〇年代半ば以降、教科書から消えはじめた。 かねてから近世身分制社会について個人的にまとめたいと思っていたので、... 続きを読む
「コレモ日本語アルカ?――異人のことばが生まれるとき」金水 敏 著 | Kousyoublog
<アルヨことば>の主な特徴 <アルヨことば>の主な特徴として以下の四点が整理されている。(P3) A 文末に「ある」がついて断定を表す(「ある」語法と呼ぶ)。 B 文末に「よろし(い)」がついて命令ないし勧誘を表す(「よろしい」語法と呼ぶ)。 C 「が」「を」等の助詞が抜け落ちている。 D 文と文をつなぐ接続詞や接続助詞も抜け落ちて、文と文の関係がつかみにくい。 宮沢賢治作「山男の四月」と中国人蔑... 続きを読む
2015年面白かった本「資源と文明」「暴力と戦争」ジャンル20冊+ノンジャンル10冊まとめ | Kousyoublog
2015年にこのブログで紹介した本の書評記事まとめ。丁度60冊紹介していました。その中から「資源と文明」「暴力と戦争」というくくりで20冊まず紹介し、それ以外で面白かった本を10冊、計30冊紹介します。というか、読んだ本... 続きを読む
「食糧の帝国――食物が決定づけた文明の勃興と崩壊」フレイザー&リマス 著 | Kousyoublog
「食糧帝国」成立の3つの条件 1) 農民が自分たちで食べる以上の食糧を生産できること 2) 買い手に売るための取引手段が存在すること 3) 経済的利益をもたらすまで食糧を保存できる手段があること 本書によれば、古代メソポタミア、エジプト、ギリシア、ローマ、中国から大英帝国まで「食糧帝国」は上記の3つの条件が成立することによって誕生してきた。すなわち、余剰食糧の生産、取引の仕組み、保存と輸送である。... 続きを読む
アルスラーン王とギスカール公爵 | Kousyoublog
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「薩摩島津氏の琉球侵攻」(1609年)まとめ | Kousyoublog
1609年三月、島津軍が琉球王国に侵攻し奄美大島、徳之島、沖永良部島、そして沖縄本島と次々攻略。琉球王国軍の抵抗むなしく、四月四日、首里城が陥落、尚寧王は降伏し、独立国家琉球王国は、引き続き中国からの冊封体制下にありつつ、徳川幕藩体制の中に組み込まれる両属体制時代に入ることとなった。「薩摩島津氏の琉球侵攻」として知られるこの事件について、簡単にまとめ。 主に上里隆史著「琉日戦争一六〇九 島津氏の琉... 続きを読む
このブログを丸パクリしているウェブサイトの管理者におすすめの一冊 | Kousyoublog
今は忙しいので手がつけられないのだが、色々落着いたら、ここ半年以上このKousyoublogの記事を更新とほぼ同時に丸ごと転載し続けている「ライトノベルとノベライズや小説のご紹介」(novelnavi.info)というブログについて、googleにDMXA侵害の報告をしたり、ホスティングしているさくらインターネットに規約違反(さくらインターネット基本約款「第16条1.i.当社もしくは第三者の著作権... 続きを読む
「ビスマルク ドイツ帝国を築いた政治外交術」飯田 洋介 著 | Kousyoublog
ビスマルクというと最近はすっかり第二次大戦中のドイツ海軍の戦艦、しかも美女ということになっているが(ビスマルク – Google 画像検索結果)、元々は鉄血宰相として知られた十九世紀プロイセンの政治家、ドイツ帝国建国の立役者で、芸術的な外交手腕で欧州にビスマルク体制として知られる勢力均衡を生み出したオットー・フォン・ビスマルク(1815~98)のことだ。彼の存在感は絶大で、日本の明治維新の元勲たち... 続きを読む
「メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く『犯罪者』たちの叛乱」ヨアン・グリロ 著 | Kousyoublog
メキシコの麻薬組織のニュースは日本でも盛んに報じられるようになった。大半は政治家や地元警察の幹部が殺されたとか、死体をバラバラに切り刻まれたとか生首が晒されたといった残酷極まるもので、相次ぐ目を覆いたくなるニュースに、メキシコで今何が起きているのかと驚かされる。 本書は、近年激化の一途をたどるメキシコの麻薬組織抗争と政府の衝突について、著者が現地で当事者たちから丁寧な取材を行い、その全体像を明らか... 続きを読む
「ポル・ポト<革命>史 虐殺と破壊の四年間」山田寛 著 | Kousyoublog
破壊と殺戮の二〇世紀の百年の中でも殊更異彩を放つのが1975~79年のカンボジアを支配したポル・ポト体制であった。人口八〇〇万人の国家で、約一五〇万人から二〇〇万人が殺され、全ての国民が農地へと送られ、貨幣と市場が否定され、宗教、文学、音楽、ありとあらゆる文化が弾圧され、行政機構が解体され、多くの建造物や社会インフラが破壊された。未だ謎の多いポル・ポトによる革命を整理した一冊。 ポル・ポト<革命>... 続きを読む
「大聖堂・製鉄・水車―中世ヨーロッパのテクノロジー」ジョゼフ&フランシス・ギース 著 | Kousyoublog
ヨーロッパの中世を「暗黒時代」、すなわち「暴力と狂信と無知と停滞の時代」とする見方はすでに否定されている。確かに絶え間なく続く戦争と、キリスト教的世界観の浸透と、ローマ教会の支配が築かれ、ギリシア・ローマ時代の知識が少なからず一時的ながら失われた時代ではあったけれども、後に近代を切り開く土台となる様々な技術のささやかながら着実な革新が繰り返された、ゆっくりと着実な進歩の時代であった。その中世ヨーロ... 続きを読む
江戸幕府末期の財政状況がわかる図 | Kousyoublog
う~ん… 内容豊富も目次粗放、索引なし あくまでも受験用の参考書だな 目次不備、索引なし、内容豊富だが問題点も 上は享保15年、下はその約100年後、江戸幕府末期の天保14年の幕府財政状況です。 享保15年は徳川吉宗による享保の改革の真っ只中。吉宗が将軍就任の前の時点は、幕府は五代綱吉のころの米価下落と綱吉から七代将軍家継までの間に膨らんだ財政赤字、さらにとどまるところを知らない物価上昇などによっ... 続きを読む
「排泄物と文明: フンコロガシから有機農業、香水の発明、パンデミックまで」デイビッド・ウォルトナー=テーブズ著 | Kousyoublog
ウンコの話を恥ずかしげもなく喜んでするのは子供たちで、大人たるものおおっぴらにウンコの話をするものではない・・・というのは様々な社会で概ね常識とされている見方だろう。しかし、ウンコはヒトが生物である限りにおいて、毎日のように直面させられるものだ。 そして、人類というおおきな括りで俯瞰すると、排泄物とどう向き合ってきたかが、人類の文明史を推し量るパースペクティブを提供する。さらに視野を広げて生物と排... 続きを読む
「オカルトの帝国―1970年代の日本を読む」一柳 廣孝 編著 | Kousyoublog
映画、TV、小説、アニメ、マンガ、ゲームなどのサブカルチャーから宗教・思想さらには日常生活の隅々までオカルトは薄く広く拡散している。日本におけるオカルトの広がりのルーツを辿ると1970年代に行き着く。では、現代日本という「オカルトの帝国」の原風景といえる1970年代のオカルトの大流行はどのようなものであったのだろうか。「閉ざされた知であるオカルトが白日の下にさらされた1970年代」を描く論文集であ... 続きを読む
2015年夏アニメ、面白いと思う作品9本感想まとめ | Kousyoublog
2015年夏アニメ、大体半分ぐらいまで終わったので、面白いと思う作品のまとめ。 ただ、続編ものまで言及するとかなりの数になりそうなので割愛。「戦姫絶唱シンフォギアGX」「アイドルマスターシンデレラガールズ 2dnシーズン」「のんのんびよりりぴーと」の三本は今季トップ3だと思うし、「ガッチャマンクラウズinsight」も難しくてふわふわしそうなテーマを巧みに映像化していて楽しんでいます。 一応面白い... 続きを読む
「『大日本帝国』崩壊 東アジアの1945年」加藤聖文 著 | Kousyoublog
昭和二十年(1945年)八月十五日正午、玉音放送が流れ大日本帝国臣民は敗戦を知らされた。大日本帝国の崩壊はただ日本の敗北を意味するだけではない。大日本帝国の崩壊によって大日本帝国による植民地支配体制が崩れ、新しい国家、新しい国際秩序が東アジア地域に誕生することになった。その八月十五日前後の経過を通して大日本帝国下の日本、朝鮮、台湾、満州、樺太・千島、南洋諸島、東南アジア諸地域が迎えた敗戦と変化を概... 続きを読む
「タコの教科書 その驚くべき生態と人間との関わり」リチャード・シュヴァイド 著 | Kousyoublog
知能は非常に高いが、単独行動が基本、一日のほとんどをお気に入りの巣穴で過ごす引きこもりで、攻撃力は高いがストレスに弱く、食欲旺盛、危険が迫ると周囲の環境に同化してやり過ごし、性交渉は生涯一度だけ・・・ぼっちの若者ではなく、タコの話。タコの生態がとても面白い。 タコの教科書 posted with ヨメレバ リチャード・シュヴァイド エクスナレッジ 2014-06-28 Amazon 楽天ブックス ... 続きを読む
「臨時軍事費特別会計 帝国日本を破滅させた魔性の制度」鈴木 晟 著 | Kousyoublog
太平洋戦争へ至る過程で軍部の台頭を許した大日本帝国の制度的欠陥の一つが「臨時軍事費特別会計」である。 臨時軍事費特別会計 帝国日本を破滅させた魔性の制度 posted with ヨメレバ 鈴木 晟 講談社 2013-10-11 Amazon 楽天ブックス 7net honto e-hon 紀伊國屋書店 丸善&ジュンク堂 臨時軍事費特別会計は大日本帝国下で戦時に戦費支出目的で定められる特別会計制度で... 続きを読む
「猫的感覚 動物行動学が教えるネコの心理」ジョン・ブラッドショー 著 | Kousyoublog
ネコって何だよ(哲学)・・・に動物行動学の研究者が最新の研究をふまえてわかりやすくかつ幅広く網羅して解説したネコを知るための決定版的な一冊。キウイフルーツの根がマタタビと同じ効果があることとか、数えきれないほどの発見があって読みながらへぇ~!を連発していた。 書籍版 猫的感覚: 動物行動学が教えるネコの心理 posted with amazlet at 15.07.27 ジョン ブラッドショー J... 続きを読む
「日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか」小谷 賢 著 | Kousyoublog
太平洋戦争における日本は通信を傍受され、暗号を解読され、偽情報に撹乱され、連合軍の兵力を見誤り、情報分析を疎かにして慢心と理想論とで作戦を立てて失敗を繰り返し・・・と情報戦で完敗したが、本書は戦前日本の情報活動はどのようなものだったのか、どこに問題があったのかを概観した一冊である。 書籍版 日本軍のインテリジェンス なぜ情報が活かされないのか (講談社選書メチエ) posted with amaz... 続きを読む
2015夏アニメ「がっこうぐらし!」1話感想。どんでん返しの効用。 | Kousyoublog
「がっこうぐらし!」観ました。なんかほんわか日常系のように見せて一話で凄いどんでん返しがあるという評判を聞いて。始まる前は全くノーチェックでしたが、まぁ、事前情報無かったらふつーにスルーしちゃうなこれは。 とりあえず観てもらえばわかると思うのですが、一話ラスト四分の急転ぶりはやはり驚嘆させられます。面白いなー。 ふと、以前阿刀田高がこんなことを書いていたのを思い出しました。 「私見を述べれば……そ... 続きを読む
「明暦の大火」と復興、江戸の大改造 | Kousyoublog
明暦三年一月十八日(西暦1657年3月2日)から十九日にかけ三次に渡り連続して発生して江戸の町を焼きつくした大規模火災は明暦の大火と呼ばれて「江戸の三大大火」の一つに数えられている。また、この大火災害からの復興の過程で江戸の町が整備され、後の百万都市「大江戸」の土台が整うことになった。 明暦の大火の発生 当時の江戸は、約八十日間雨が降っておらず非常に乾燥して火災が起こりやすい状態にあり、また年初よ... 続きを読む
「響け!ユーフォニアム」面白かったMAD動画8本まとめ | Kousyoublog
ニコニコ動画で公開されている響け!ユーフォニアムのMAD動画で面白かったもの8本のまとめ。 【ニコニコ動画】【MAD】ユーフォニアム12話&ポカリCM【30秒版】 織田哲郎の曲に乗せての例の疾走シーンからの心からの叫びを経てのぐびっぐびっという流れがまさにポカリCMで上手い。 【MAD】大塚製薬 ポカリスエットCM「響け!ユーフォニアム」(110秒) – ニコニコ動画:GINZA こちらはポルノグ... 続きを読む
江戸の大食い・大酒飲み大会の記録 | Kousyoublog
以前、「『居酒屋の誕生: 江戸の呑みだおれ文化』飯野 亮一 著」という記事で紹介したが、居酒屋文化とともに料理屋文化が芽生えたのも江戸時代のことだった。特に文化化政期(1804~30年)は江戸の料理屋文化の爛熟期といえる。そんな江戸の食文化で興味深いのが大酒大食大会の開催である。色々記録が残っていて、これが面白い。 酒合戦という酒の飲み比べは古くは慶安二年(1649)、江戸大塚の酒豪・茨木春朔樽次... 続きを読む
「幕末外交と開国」加藤 祐三 著 | Kousyoublog
黒船来航から日米和親条約に至るプロセスを「(1)無能な幕府が(2)強大なアメリカの軍事的圧力に屈し、(3)極端な不平等条約を結んだ」(P257)と理解する見方が強まったのは明治十年以降だという。明治政府は一連の条約改正を政治課題に掲げて前政権である幕府の無能無策を強く主張するキャンペーンを張り、これが通説として長く信じられるようになった。しかし、史料を丹念に追うと、このような幕府無能説、軍事的圧力... 続きを読む