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人気順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 usersアベノミクスを止めるな! - himaginaryの日記
「Abenomics Is Working, Don't Stop Now」というピーターソン国際研究所の論説記事をジョセフ・ギャニオンと田代毅氏が書いている。 以下はその概要。 景気拡大が戦後最長になろうとしていて、女性の労働参加率と企業利益が過去最高、失業率は25年来の低さとなった日本には最早2%インフレは不要であり、現行の0と1%の間... 続きを読む
ガマの油の経済学 - himaginaryの日記
マンキューがスティーブン・ムーア(Stephen Moore)とアーサー・ラッファー(Arthur Laffer)の下記の著書「トランポノミクス(Trumponomics)」の書評をフォーリンアフェアーズに書いている(H/T マンキューブログ)。 同書評記事は「Snake-Oil Economics/The Bad Math Behind Trump’s Policies(インチキ経済学/ト... 続きを読む
総生産関数のミクロ経済的基礎 - himaginaryの日記
というNBER論文(原題は「The Microeconomic Foundations of Aggregate Production Functions」)をDavid Rezza Baqaee(UCLA)とEmmanuel Farhi(ハーバード大)のコンビ(cf. ここ)が上げている。以前、ケンブリッジ資本論争で米国側が勝ったような認識が広まっているがそれは誤り、という話を紹介したことがあったが... 続きを読む
仮想通貨の7つの致命的なパラドックス - himaginaryの日記
と題したBOEブログエントリ(原題は「The seven deadly paradoxes of cryptocurrency」)で同行のJohn Lewisが仮想通貨の以下の7つの矛盾を突いている。 混雑のパラドックス 通常の交換の媒介は、使う人が多くなるほど良い(ネットワーク外部性、規模の経済)。しかし仮想通貨のプラットフォームは、キャパシティが概ね... 続きを読む
中産階級を支援する4つの政策とその財源 - himaginaryの日記
という記事(原題は「Four policies to help the middle class, and how to pay for them」)をブルッキングス研究所のRichard V. ReevesとKatherine Guyotが書いている。 以下はその概要。 労働者への税控除 Isabel Sawhill*1が提案する、子供のいない労働者への支援を増やし、かつ、第二所得者の労働インセンティブを... 続きを読む
経済学者のモデル:分析エンジンかファイリングシステムか? また、準備通貨を持つ国は債務不履行危機を恐れる必要があるか? - himaginaryの日記
一昨年初めに紹介したサマーズ、クルーグマン、デロングの議論を、表題のブログエントリ(原題は「Economists' Models: Analysis Pumps or Filing Systems? And Do Countries with Reserve Currencies Need to Fear Solvency Crises?」)でデロングが振り返り、3人の考え方を4つのポイントでまとめている。以下はそのま... 続きを読む
日本における非伝統的金融政策の効果 - himaginaryの日記
IMFの3人の研究者(Giovanni Dell’Ariccia、Pau Rabanal、Damiano Sandri)が「Unconventional Monetary Policies in the Euro Area, Japan, and the United Kingdom」という論文をJournal of Economic Perspectivesに投稿している(H/T Tim Taylor)。 論文の表3では様々な研究者が調べた日本の非伝統的金融政策の効果... 続きを読む
マイナス金利政策は収縮的か、拡張的か?・補足 - himaginaryの日記
昨日エントリでリンクした論文2本の要旨を紹介しておく。 一つは、Christoph Basten(チューリッヒ大)とMike Mariathasan(ルーヴェン・カトリック大)の「How Banks Respond to Negative Interest Rates: Evidence from the Swiss Exemption Threshold」。 We analyze the effect of negative monetary policy rates o... 続きを読む
マイナス金利政策は収縮的か、拡張的か? - himaginaryの日記
Douglas L. Campbellが、マイナス金利は時に経済を収縮させる、という主旨のここで紹介したエガートソンらの論文を批判している。 I like the paper and see a clear contribution. However, I wish the authors would have framed the paper slightly differently. My reading is that they show that negative reserve... 続きを読む
不運なコホート:大規模なクロスセクションデータセットを用いた不況時に労働市場に参入することの長期的影響の推計 - himaginaryの日記
というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Unlucky Cohorts: Estimating the Long-term Effects of Entering the Labor Market in a Recession in Large Cross-sectional Data Sets」で、著者はHannes Schwandt(ノースウエスタン大)、Till M. von Wachter(UCLA)。 以下はその要旨。 This paper studies t... 続きを読む
経済学における話題の新しいアイディアが実際には悪いアイディアである理由 - himaginaryの日記
ジョージ・メイソン大のMercatus Centerの表題のコメンタリー記事(原題は「Why a Hot New Idea in Economics is Actually a Bad Idea」)で、スコット・サムナーがMMTを批判している(共著者はPatrick Horan、H/T Mostly Economics)*1。 以下はその冒頭。 In recent years, a radical and unorthodox school of though... 続きを読む
ノーベル経済学賞を受賞したハイエクが賞の問題点を説いた時 - himaginaryの日記
Tim Taylorが、自分の2年前のエントリを再掲しているが、その中でハイエクがノーベル経済学賞を受賞した時の言葉を引用している(H/T Mostly Economics)。 Your Majesty, Your Royal Highnesses, Ladies and Gentlemen, Now that the Nobel Memorial Prize for economic science has been created, one can only be pro... 続きを読む
債務と財政赤字について真剣に考える:財政タカ派は我々の子供たちに多大な損害を与えた - himaginaryの日記
と題したエントリ(原題は「Getting Serious About Debt and Deficits: The Deficit Hawks Did Enormous Harm to Our Kids」)でディーン・ベーカーが、インフレ圧力が限界に達する財政赤字幅が40年前より上昇した、と考えるべき理由を2つ挙げている。 所得の再分配の上方シフト 可処分所得のおよそ10%ポイントが所得分... 続きを読む
金融危機か、住宅バブル崩壊か:大不況の深刻化を巡るバーナンキとクルーグマンの論争・続き - himaginaryの日記
昨日紹介したバーナンキのエントリに、クルーグマンが「Steeper Versus Deeper (Wonkish)」と題したエントリで反論したほか、ディーン・ベーカーも異を唱えた。 以下はベーカーの論点の概要。 金融危機が、住宅価格の低下と、住宅バブルがもたらした消費ブームの終わりを(いずれも既に進行していたが)早めたことに異論... 続きを読む
金利の世界的トレンド - himaginaryの日記
というNBER論文が上がっている(ungated版[NY連銀のスタッフレポート])。原題は「Global Trends in Interest Rates」で、著者はMarco Del Negro、Domenico Giannone、Marc P. Giannoni、Andrea Tambalotti(Marc Giannoniのみダラス連銀、他はNY連銀)。 以下はungated版の結論部。 Ten years after the most acute p... 続きを読む
スティーブン・ローチの見たQEの5つの教訓 - himaginaryの日記
AEIセミナーでの昨日紹介したケビン・ウォーシュ(Kevin Warsh)の講演の後には、元モルスタアジア会長で現イェール大・シニアフェローのスティーブン・ローチが登壇している。ローチもウォーシュと同様、QEにやや懐疑的な立場を示しており*1、以下の5つの論点を挙げている。 QEの効果 QE1は、雇用の最大化と物価の安定... 続きを読む
ゲーテのセカンドプライス・オークション - himaginaryの日記
ウィリアム・ヴィックリーがノーベル経済学賞を受賞する2世紀も前に、ヴィックリー・オークションとも呼ばれるセカンドプライス・オークションをゲーテが実施していた、というエピソードをAvinash M TripathiがPragati誌記事で紹介している(H/T Mostly Economics)。 While selling the publishing rights of his epic ... 続きを読む
分からない数学者が馬鹿なのか、分からせない数学者が悪いのか - himaginaryの日記
5日エントリで2人のフィールズ賞受賞者のコメントを紹介したブログエントリには、もう一人、今年のフィールズ賞受賞者であるAkshay Venkateshもコメントしていた(H/T math_jinさんツイート)。ただ、その内容は「完全同意。(I couldn’t agree more.)」という簡潔なものである。しかし、これで3人のフィールズ賞学者が... 続きを読む
2018年のフィールズ賞とその経済学との驚くべきつながり! - himaginaryの日記
引き続き今年のフィールズ賞ネタ。A Fine Theoremブログが、今回フィールズ賞を受賞したアレッシオ・フィガリとネヴァンリンナ賞を受賞したコンスタンティノス・ダスカラキスの業績と経済学との関連について、表題のエントリ(原題は「The 2018 Fields Medal and its Surprising Connection to Economics! 」)で説明し... 続きを読む
物理を応用した2変数の経済成長予測モデル - himaginaryの日記
GDPの予測を、一人当たりGDPと「経済的適応度(economic fitness)」の2次元モデルで行った論文がNature Physicsに上がっている(H/T タイラー・コーエン)。論文のタイトルは「A dynamical systems approach to gross domestic product forecasting」で、著者はA. Tacchella、D. Mazzilli、L Pietroneroというイタリア... 続きを読む
中央銀行は生産性成長率を目標とすべきか? - himaginaryの日記
英労働党が、イングランド銀行は3%の労働生産性成長率を目標とすべき、という案を出したことを受けて、シカゴ大のIGMフォーラムがパネルの経済学者にアンケートを取っている(Mostly Economics経由のCroaking Cassandraブログ経由)。具体的には、以下の文章への賛否を問うている。 Central banks cannot significantly... 続きを読む
ドイツ代表に東独出身者がほとんどいない理由 - himaginaryの日記
ドイツW杯敗退の報を聞いて、少し前にMostly Economicsが取り上げていたこちらの記事を思い出した。著者はミドルベリー大学で言語学を教えるPer Urlaubで、今大会のドイツ代表に東独地域の出身者がトニ・クロース(Toni Kroos)しかいない背景を分析している。 In order to compete with international clubs from capit... 続きを読む
貿易戦争とネイピア数 - himaginaryの日記
6/17エントリでクルーグマンが、貿易戦争の帰結について考察し、以下の予測を行っている。 関税は30-60%の範囲となる 世界の貿易は7割減少する 世界のGDPは2-3%減少する 関税についてクルーグマンは、最適関税を理論的に導いたOssaやNicita et alの試算(Ossa=60%近く、Nicita et al=現状から32%ポイントの上昇)や、... 続きを読む
金融政策で潜在成長力は上げられる - himaginaryの日記
「Rethinking the Fed’s 2 percent inflation target(FRBの2%インフレ目標再考)」と題されたブルッキングス研究所の 小論 *1 の中の「The natural rate hypothesis straitjacket(自然失業率仮説という拘束衣)」という節で、サマーズが、自然失業率仮説の登場によってマクロ経済学における考え方がどのように変化したか、に... 続きを読む
インフレ加速仮説の死 - himaginaryの日記
5/11付けエントリ でクルーグマンが以下の2枚のグラフを示している。 クルーグマンによれば、これらの図は自然失業率仮説がもはや成立しなくなったことを意味するという。曰く: Underlying the natural rate hypothesis is “accelerationism”: the idea that low unemployment will lead not just to... 続きを読む