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人気順 5 users 10 users 100 users 500 users 1000 usersアベノミクスを止めるな! - himaginaryの日記
「Abenomics Is Working, Don't Stop Now」というピーターソン国際研究所の論説記事をジョセフ・ギャニオンと田代毅氏が書いている。 以下はその概要。 景気拡大が戦後最長になろうとしていて、女性の労働参加率と企業利益が過去最高、失業率は25年来の低さとなった日本には最早2%インフレは不要であり、現行の0と1%の間... 続きを読む
経済学における話題の新しいアイディアが実際には悪いアイディアである理由 - himaginaryの日記
ジョージ・メイソン大のMercatus Centerの表題のコメンタリー記事(原題は「Why a Hot New Idea in Economics is Actually a Bad Idea」)で、スコット・サムナーがMMTを批判している(共著者はPatrick Horan、H/T Mostly Economics)*1。 以下はその冒頭。 In recent years, a radical and unorthodox school of though... 続きを読む
ノーベル経済学賞を受賞したハイエクが賞の問題点を説いた時 - himaginaryの日記
Tim Taylorが、自分の2年前のエントリを再掲しているが、その中でハイエクがノーベル経済学賞を受賞した時の言葉を引用している(H/T Mostly Economics)。 Your Majesty, Your Royal Highnesses, Ladies and Gentlemen, Now that the Nobel Memorial Prize for economic science has been created, one can only be pro... 続きを読む
マルクスの影響力を甦らせたもの - himaginaryの日記
昨日(5月5日)の生誕200周年を受けて、マルクスに関する論考が数多く現れている。ピーター・シンガーは、Project Syndicate論説で、マルクス思想の本質的な欠陥を以下のように 指摘している 。 Marx’s reputation was severely damaged by the atrocities committed by regimes that called themsel... 続きを読む
経済学者がビッグデータに熱心でない理由 - himaginaryの日記
BOEチーフエコノミストのアンドリュー・ホールデンが、ビッグデータをテーマに 講演している (H/T Mostly Economics )。 その中で、ビッグデータに対する経済学者とデータサイエンティストの態度の違いについて以下のように述べている。 The first thing to say is that Big Data and data analytic techniques are no... 続きを読む
ZOZOTOWN経営陣の要望に応える欧米の左派政党 - himaginaryの日記
「Brahmin Left」とピケティが名付けた層が所得格差縮小の障害になっている、という話が話題になっている。ProMarketで「なぜ民主主義が格差縮小できないか:インテリ左翼のせいだ(Why Democracy Fails to Reduce Inequality: Blame the Brahmin Left)」というそのままずばりのタイトルの記事でピケティの研究が 紹介されている ほか、... 続きを読む
有効求人倍率の内訳 - himaginaryの日記
最近の人手不足は人口減少によるものであり、しかも人口の高齢化を反映して求人は介護関係に偏っている、という話を時々耳にする。 この話の前段に対しては、労働力人口は増加している、という反論がなされることが多い。それに対しては、いや、増えているのは女性や高齢者で、働き盛りの男性は減っている、という指摘も良くなされる。 試しに総務省統計局の HP から年齢階級別の労働力人口を落として描画すると以下のように... 続きを読む
財政緊縮策がナチスを台頭させた - himaginaryの日記
という主旨のNBER論文が 上がっている 。論文のタイトルは「Austerity and the rise of the Nazi party」で、著者はGregori Galofré-Vilà(ボッコーニ大)、Christopher M. Meissner(UCデービス)、Martin McKee(ロンドン大学衛生熱帯医学大学院)、David Stuckler(ボッコーニ大)。 以下はその要旨。... 続きを読む
ノーベル賞経済学者は格差拡大をどう見ているか - himaginaryの日記
引き続きリンダウ・ノーベル賞受賞者会議ネタ。同会議では、格差に関する懸念が大物経済学者から相次いで表明された、とシティ大学ロンドンのSteve Schifferes金融ジャーナリズム教授が The Conversation で 報告している (H/T Mostly Economics )。 以下は同記事に記された各学者の指摘の概要(括弧内は受賞年)。 ジャン・ティロール(2014) 経済格差はそれ... 続きを読む
オブズフェルド「消費税はやはり引き上げよ」 - himaginaryの日記
オブズフェルドらがIMFブログで、日本における財政政策と金融政策の協調のあり方について 論じている 。おそらく後で日本語版も追加されると思うので、要点のみピックアップしてみる。 財政と金融政策(および構造改革策)の協調は、包括性(相乗効果が存分に発揮されること)と整合性(共通の目標へのコミットメントによる長期予想の安定)の2つがポイント。 日本の金融政策の低インフレ対策は、財政政策の非整合性――短... 続きを読む
緊縮策はミクロ的にも反生産的? - himaginaryの日記
と、今回のサイバー攻撃を例にクリス・ディローが 論じている 。というのは、国民保健サービス(NHS)ではIT投資をケチったために被害が大きくなった、という 報道 を目にしたためである。記事によると、システムの多くでウインドウズXPが依然として使われており、2015年にはジェレミー・ハント保健相が高額のサポートパッケージを経費節減の一環で解約したという。ディローは、修復やITシステム更新の費用は当初... 続きを読む
米国は多くの人にとって発展途上国に後退しつつある - himaginaryの日記
というINETブログ記事でピーター・テミンの下記の新刊本が 取り上げられている 。原題は「America is Regressing into a Developing Nation for Most People」で、著者は同研究所のSenior Research AnalystであるLynn Parramore。 In a new book, The Vanishing Middle Clas... 続きを読む
仕事が無くなる時:製造業の衰退と男性の結婚市場価値の低下 - himaginaryの日記
中国ショックが米国の製造業に与えた影響に関する研究で 名を馳せた David Autor(MIT)、David Dorn(チューリッヒ大)、Gordon Hanson(UCサンディエゴ)のトリオが、今度は製造業の凋落が結婚市場に与えた影響を研究した表題のNBER論文を 書いている (原題は「When Work Disappears: Manufacturing Decline and the Fa... 続きを読む
日本の人口動態が生産性とインフレに与える影響 - himaginaryの日記
というIMF論文が 出ている 。原題は「The Impact of Demographics on Productivity and Inflation in Japan」で、著者はYihan Liu、Niklas Westelius。 以下はその要旨。 Is Japan’s aging and, more recently, declining population hampering grow... 続きを読む
なぜ資本主義は無意味な職を創出するのか - himaginaryの日記
David GraeberというLSEの人類学者が、9/27付の表題のEvonomics記事(原題は「Why Capitalism Creates Pointless Jobs」)で、ケインズの「わが孫たちの経済的可能性」 *1 の労働時間の予言が間違った理由について、ややマルクス主義的な仮説を 立てている (初出はストライク誌の 2013/8/17付記事 「On the Phenomenon o... 続きを読む
日本にとってより良い経済政策 - himaginaryの日記
というProject Syndicate論説をスティグリッツが 書いている (H/T Economists’s View )。原題は「A Better Economic Plan for Japan」。 その冒頭でスティグリッツは、経済成長はそれ自身が目的ではなく、問題なのは生活水準であるが、日本は人口増大を抑制しつつ生産性を上げるという点で2008年以降は欧米よりもむしろ上手くやっているので、日... 続きを読む
危険な哲学者 - himaginaryの日記
uncorrelated氏が、相模原の事件を受けたツイートで哲学者ピーター・シンガーの論を 引いていた 。氏は以前からブログエントリでシンガーを取り上げており( ここ 、 ここ )、 昨年末 も今回のツイートと概ね同趣旨のことを書かれている。そこで、シンガーとはどういう人なのだろう、と Wikipedia を当たってみたところ、1999年の表題の ニューヨーカー記事 (原題は「The Danger... 続きを読む
蕎麦屋の蕎麦にラーメンの汁を足してみると - himaginaryの日記
東京財団が消費税シミュレーションツールを公開し、やや炎上気味に 話題になっている 。指摘されている問題点の一つは、消費税率を動かしても成長率に影響しない点である。批判者はそれは現実的ではないと言い、擁護者はそもそもこのモデルにそうした動作を求めるのは蕎麦屋でラーメンを求めるが如く筋違いだと言う。 税率の変更が実体経済に与える影響に関する最近の理論としては、本ブログでも何度か取り上げているデロング=... 続きを読む
p値の価値 - himaginaryの日記
今月初めに米統計学会がp値の使用に関する6つの原則を 公表した 。その責任者である同学会Executive DirectorのRonald L. Wassersteinは、Retraction Watchという論文撤回監視ブログ *1 のインタビューに応じ、最近の 再現性危機問題 が今回の声明の背景にあることを 説明している (H/T Mostly Economics )。日本でもこの6原則は各所... 続きを読む
最低賃金を引き上げるべき理由 - himaginaryの日記
引き続き最低賃金ネタ。 Economist’s View のMark Thomaが、theFiscalTimesで最低賃金引き上げを 訴えている 。 彼の論旨は概ね以下の通り。 労働市場での賃金決定は、経済学の教科書通りに労働者の限界生産力に等しくなるように決まるわけではなく、労働者と経営者の交渉力によって決まる。 労働者の生産性が上がって製品の付加価値が増えても、追加収入の大部分が経営側に渡って... 続きを読む
経済学者は如何に理論からデータにシフトしたか - himaginaryの日記
経済 | 1/11エントリ では、今年の全米経済学会に出席したジャスティン・フォックスがそこで見い出した傾向として、格差問題に関する経済学者の取り組みの変化について書いたブルームバーグ論説を紹介した。表題のブルームバーグ論説(原題は「How Economics Went From Theory to Data」)でフォックスは、彼が全米経済学会で見い出したもう一つ傾向、即ち、理論からデータへの重心... 続きを読む
なぜクルーグマンは考えを変えたのか? - himaginaryの日記
経済 | 昨日エントリ で12/22サマーズ論説を巡るクルーグマンとデロングのやり取りに触れたが、その中でデロングが以下のようなことを書いている。 Since 1999, Paul has changed his mind. He has become an aggressive advocate of expansionary fiscal policy as the preferred sol... 続きを読む
ドナルド・トランプはファシストだ - himaginaryの日記
政治, 社会 | と題したSlate記事(原題は「Donald Trump Is a Fascist」)をJamelle Bouieが書き、ウンベルト・エーコの挙げた14のファシズムの特徴*1のうち、以下の7つが特に良く当てはまる、としている(マンキュー経由のロス・ドウザット[Ross Douthat]NYT論説経由)。「行動のための行動」への信仰考えることは去勢の一形態と見做される「分析的批判」... 続きを読む
慎重さのせいで損なわれた日本経済 - himaginaryの日記
経済 | クルーグマンが10日前の訪日時に表題のNYT論説記事(原題は「Japan's Economy, Crippled by Caution」)を書いている。そこで彼は、訪日外国人は日本が深刻な不況下にあるように見えないことに驚くが、それは実際に深刻な不況下には無いからだ、としつつも、日本経済が継続的なデフレという罠に嵌っていることを指摘している。クルーグマンは、デフレからの脱却という点につい... 続きを読む
カモとしての日本企業の後継 - himaginaryの日記
経済 | Chris Arnadeという人が、元ウォール街トレーダーという視点からギリシャ危機についてThe Atlanticに書いている。(H/T Economist’s View)。以下はその冒頭部。One of the first lessons I was taught on Wall Street was, “Know who the fool is.” That was the gis... 続きを読む