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人気順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 users書評 現代思想 総特集 「ダニエル・C・デネット 1942-2024 意識と進化の哲学」 2024年10月臨時増 - shorebird 進化心理学中心の書評など
現代思想2024年10月臨時増刊号 総特集=ダニエル・C・デネット――1942-2024 意識と進化の哲学 作者:木島泰三,戸田山和久,飯盛元章,吉川浩満,山口尚,高崎将平青土社Amazon ダニエル・デネットは意識,自由意思*1,ダーウィニズムを扱った哲学者であり,新無神論の提唱者の1人としても知られる.本臨時増刊号は彼の今年4... 続きを読む
書評 「WEIRD 「現代人」の奇妙な心理」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
WEIRD「現代人」の奇妙な心理 上 経済的繁栄、民主制、個人主義の起源 作者:ジョセフ・ヘンリック,今西康子白揚社AmazonWEIRD(ウィアード)「現代人」の奇妙な心理 下:経済的繁栄、民主制、個人主義の起源 作者:ジョセフ・ヘンリック白揚社Amazon 本書は文化進化研究の第一人者で「文化がヒトを進化させた」の著者で... 続きを読む
書評 「ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
ダーウィンの進化論はどこまで正しいのか?~進化の仕組みを基礎から学ぶ~ (光文社新書) 作者:河田 雅圭光文社Amazon 本書は進化生物学者河田雅圭による進化の一般向けの解説書になる.河田は新進気鋭の学者であった1990年に「はじめての進化論」を書いている.当時は行動生態学が日本に導入された直後であり,新しい学... 続きを読む
書評 「心理学を遊撃する」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
心理学を遊撃する 作者:山田祐樹ちとせプレスAmazon 本書は認知心理学者山田佑樹による,「心理学の再現性問題」についてそれをリサーチ対象として捉えて突っ込んでいった結果を報告してくれる書物である. 「心理学の再現性問題」は,心理学者にとって自分のリサーチの基礎ががらがらと崩れていくかもしれないような重... 続きを読む
書評 「宗教の起源」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
宗教の起源 作者:ロビン・ダンバー,小田哲白揚社Amazon 本書はダンバー数で有名な進化心理学者ロビン・ダンバーが宗教を語る一冊.これまでに宗教を進化的に説明するものとしては,(宗教が信者に誤信念を抱かせ,儀式等にコストをかけさせることから個体にとって適応度を下げるものであることを前提にして)進化的に形... 続きを読む
書評 「ダーウィンの呪い」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
ダーウィンの呪い (講談社現代新書) 作者:千葉聡講談社Amazon 本書は千葉聡による「ダーウィンの自然淘汰理論」(特にそれが社会にどのような含意を持つかについての誤解や誤用)が人間社会に与えた負の側面(本書では「呪い」と呼ばれている)を描く一冊.当然ながら優生学が中心の話題になるが,それにとどまらず様々... 続きを読む
書評 「進化が同性愛を用意した」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
進化が同性愛を用意した: ジェンダーの生物学 作者:坂口 菊恵創元社Amazon 本書は進化心理学者坂口菊恵による同性愛を扱った一冊.坂口は進化心理学的に性淘汰産物としてのヒトの行動性差,個人差について探究し,その後その至近要因にも踏み込んで内分泌行動の研究も行ってきた研究者だ.単著としてはナンパや痴漢のさ... 続きを読む
書評 「人間性の進化的起源」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
人間性の進化的起源 作者:ケヴィン・レイランド,豊川航勁草書房Amazon 本書はヒトの知性や認知能力や心のあり方の進化的な起源を「文化進化」を深く考察することにより探索する本だ.そしてその中では累積的文化進化,ニッチ構築,遺伝子と文化の共進化にからむ正のフィードバック過程がキーコンセプトになる.著者はケ... 続きを読む
書評 「広がる! 進化心理学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
広がる! 進化心理学 朝倉書店Amazon 進化心理学は基本的にヒトの行動や心理を進化的な視点から理解しようとする試みであり,極めて学際的な営みになる.本書はそのような進化心理学の周辺分野の専門家たち(その多くは同時に進化心理学者でもある)による進化心理学が周辺分野に与えてきた影響,あるいはその親和性を解... 続きを読む
書評 「生物学者のための科学哲学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
生物学者のための科学哲学 勁草書房Amazon 本書は生物学にかかわる科学哲学の主要トピックについて科学哲学者や科学史家たちが解説したもの.編者は科学哲学者のカンプラーキスと生物学者のウレルで,書名にもあるように想定読者としては生物学者が念頭に置かれている. これまでの生物学の科学哲学の入門書だと「種とは... 続きを読む
書評 「進化的人間考」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
進化的人間考 作者:長谷川眞理子東京大学出版会Amazon 本書は長谷川眞理子による「ヒトの特殊性」についての本になる.もともとは東京大学出版会のPR誌「UP」に2010~2012年にかけて「進化的人間考」として連載されたもので,それに少子化,犯罪,進化心理学についてのいくつかの雑誌寄稿*1を加え,最新の知見等にあわせ... 続きを読む
書評 「進化心理学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
進化心理学 (放送大学教材) 作者:大坪 庸介放送大学教育振興会Amazon 本書は進化心理学者大坪庸介の手になる進化心理学の教科書だ.今2023年度から放送大学で「進化心理学」が開講され,その教材として出版されたものだ.放送大学なら(BS視聴環境があれば)誰でも視聴でき,このようにテキストも出版されているので,初... 続きを読む
書評 「社会正義」はいつも正しい - shorebird 進化心理学中心の書評など
「社会正義」はいつも正しい: 人種、ジェンダー、アイデンティティにまつわる捏造のすべて 作者:ヘレン・プラックローズ,ジェームズ・リンゼイ,Helen Pluckrose,James Lindsay早川書房Amazon 本書はアメリカのアカデミアで吹き荒れる行き過ぎたポリコレ,アイデンティティ・ポリティクス,社会正義運動,キャンセルカル... 続きを読む
書評 「「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
「ネコひねり問題」を超一流の科学者たちが全力で考えてみた 「ネコの空中立ち直り反射」という驚くべき謎に迫る 作者:グレゴリー・J・グバーダイヤモンド社Amazon 本書は物理学者であるグレゴリー・グバーが「ネコひねり問題」について語った本になる.「ネコひねり問題」というのは,「ネコは逆さ向けにして落とされて... 続きを読む
訳書情報 「親切の人類史」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
親切の人類史――ヒトはいかにして利他の心を獲得したか 作者:マイケル・マカローみすず書房Amazon 以前私が書評した「The Kindness of Strangers」が「親切の人類史」という邦題で12月に邦訳出版されるようだ.本書は実験心理学者であるマイケル・マカローによるヒトの見知らぬ他人に対する利他性がどのように説明される... 続きを読む
書評 「ストーリーが世界を滅ぼす」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
ストーリーが世界を滅ぼす―物語があなたの脳を操作する 作者:ジョナサン・ゴットシャル東洋経済新報社Amazon 本書は進化的視点から文学を論じる著書を持つ英文学者であるジョナサン・ゴットシャルによる,物語*1がヒトの認知にとってどのような意味を持ち,それが現在の世界にどういう影響を与えているかを論じた本だ.... 続きを読む
書評 「Speech!」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
SPEECH! How Language Made Us Human (English Edition) 作者:Prentis, SimonhogsaloftAmazon 本書は通訳兼翻訳家(何カ国語も扱うが特に日本語通訳としてのキャリアが長い)であるサイモン・プレンティスによる言語が使えることによりヒトは何を成し遂げてきたのかを論じる本になる.プレンティスは言語学や進化生物学... 続きを読む
書評 「The Parasitic Mind」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
The Parasitic Mind: How Infectious Ideas Are Killing Common Sense 作者:Saad, GadRegnery PublishingAmazon 本書は進化心理学者ガッド・サードによる一冊.ガッド・サードは消費者心理やマーケティングを進化心理学的に分析考察する業績で知られている.題名は「寄生性の心:どのように感染性のアイデアが常識を殺す... 続きを読む
書評 「社会科学の哲学入門」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
社会科学の哲学入門 作者:吉田敬勁草書房Amazon 本書は科学哲学の中で特に社会科学の哲学についての入門書だ.私は社会科学についても哲学についてもあまり詳しくはない.そして最近読んだ進化政治学の本においては著者が実在論にずいぶんコミットしているものの私が理解している科学哲学の実在論とはややニュアンスが異... 続きを読む
書評 「魚にも自分がわかる」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
魚にも自分がわかる ──動物認知研究の最先端 (ちくま新書) 作者:幸田正典筑摩書房Amazon 本書は最近毎年のように動物行動学会でホンソメワケベラの認知能力(特に鏡像自己認知能力)について驚きの発表を行っている幸田正典の手になる一冊.まさにそれら一連の研究結果がまとめられた書籍になる. 冒頭の「はじめに」に... 続きを読む
書評 「NOISE」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
NOISE 上 組織はなぜ判断を誤るのか? 作者:ダニエル カーネマン,オリヴィエ シボニー,キャス R サンスティーン早川書房AmazonNOISE 下 組織はなぜ判断を誤るのか? 作者:ダニエル カーネマン,オリヴィエ シボニー,キャス R サンスティーン早川書房Amazon 本書はトヴェルスキーと行動経済学の基礎を作っ... 続きを読む
書評 「恐竜研究の最前線」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
恐竜研究の最前線: 謎はいかにして解き明かされたのか 作者:マイケル・J・ベントン創元社Amazon 本書はマイケル・ベントンによる一般向けの恐竜本である.ベントンは様々な業績のある恐竜学者であり,最近では恐竜化石にメラノソームの痕跡を見いだし,それまで不可能だろうと思われていた証拠に基づくある程度確かな恐... 続きを読む
書評 「不平等の進化的起源」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
不平等の進化的起源: 性差と差別の進化ゲーム 作者:ケイリン・オコナー大月書店Amazon 本書は,科学哲学者でありかつ進化ゲーム理論家であるケイリン・オコーナーによる進化ゲームの均衡解として(差別的偏見がなかったとしても)社会的カテゴリー間の不平等をもたらす慣習や規範が創発しうることを丁寧に論じた本である... 続きを読む
書評 「人間の本質にせまる科学」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
人間の本質にせまる科学: 自然人類学の挑戦 東京大学出版会Amazon 本書は若手研究者たちにより執筆された自然人類学の総説・入門書になる.内容的には東京大学の駒場の1,2年生向けのオムニバス講義がもとになっているようだ.自然人類学は「人間とは何か」という問いを自然科学的に探究する営みであり,時系列的にはチ... 続きを読む
書評 「アメリカン・ベースボール革命」 - shorebird 進化心理学中心の書評など
アメリカン・ベースボール革命: データ・テクノロジーが野球の常識を変える 作者:ベン・リンドバーグ,トラビス・ソーチック化学同人Amazon 本書は「マネー・ボール」に始まるメジャーリーグにおける数理統計やデータサイエンスの応用の最新動向を扱った本になる.著者はベン・リンドバーグとトラビス・ソーチック.いず... 続きを読む