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人気順 5 users 10 users 100 users 500 users 1000 usersムーアの法則の終焉により、エンジニアにとってもゲームのルールが変わった - 竹内研究室の日記
先週、電子デバイス分野のフラグシップの学会であるIEDM(International Electron Devices Meeting)に参加してきました。 以前のIEDMと言えば、トランジスタの微細化の話ばかりでしたが、ムーアの法則が終わりつつある現在、発表される論文の分野が随分変わりました。 医療向けのセンサであったり、機械学習を高速化・低電力化する技術であったり、脳の機能を模擬した脳型LSI... 続きを読む
IoTで直面する人材難 - 竹内研究室の日記
電機メーカーは携帯電話、パソコン、テレビ、液晶ディスプレイ、半導体・・・などからの撤退が相次ぎ、事業再編、リストラも一段落してこれからいかにして成長していくか、前向きに変わろうとしています。 事業が競争力がなくなり、人を減らさなければいけないのは、ご本人だけでなく、残った人にとっても大変つらい経験だったのではないかと思います。 その一方、リストラをしている最中から良く聞かれたのは、人が居ないんです... 続きを読む
卒業・就職おめでとうございます。ところで、学ぶ習慣はついていますか? - 竹内研究室の日記
先週、中央大学でも卒業式が行われました。私は学科の卒業式・修了式の司会を担当。 学位の授与式では卒業生の名前を読み上げたのですが、これが難しい。 名前を間違えたり読み飛ばしてはいけませんので、かなり緊張しました。 緊張していたせいか、日頃の運動不足か、どうしてかわかりませんが、名前を読み上げている途中で足がつって(人知れず)悶絶。 それはさておき、卒業して行く学生たちはすぐに就職、入社ですね。 今... 続きを読む
日本の技術は負けていないという思考停止 - 竹内研究室の日記
日本の半導体はソニーのイメージセンサー、東芝のフラッシュメモリなど数少ない勝ち組を除いては、総崩れになりました。 特に酷い状態なのがシステムLSI。日立、三菱電機、NECの半導体をスピンオフして作られたルネサスエレクトロニクスは業績悪化によって、社内の半数近くもがリストラされる状況に追い込まれました。 東芝でも不適切会計の舞台になったように、システムLSI事業は不採算だったようで、これからリストラ... 続きを読む
カリスマと年功序列のイエスマンが会社を潰す - 竹内研究室の日記
まだ東芝のことを考えています。大学教員は年中無休なので、年末も仕事をしながらも、東芝のことが頭のどこかに残っていて忘れられない。 というのも、この問題の本当の原因が、会計問題が取り沙汰されているこの数年に突然起こった出来事だとは思えないのです。 リーマンショック、震災による原発事故とその後の原発販売の不振、といった予測不能な大きな出来事があったにしろ、あれだけの不適切会計をし続けるにはそれなりの動... 続きを読む
エンジニアは新聞報道で会社の危機を知る - 竹内研究室の日記
年末ですね。来年の研究費はどうなるのかな・・・など心配事や悩みは尽きません。他人の心配をしている場合ではないのですが、それでも心配なのは東芝です。 私が在籍した8年半前でも、なぜこの不採算事業が存続できるんだろうか?と感じていた事業がやっぱり不適切会計の舞台になりました。 パソコン、テレビ、システムLSI・・・日本の電機メーカーであればどこも苦しんだ事業を会計をごまかしながら続けてきたのでしょう。... 続きを読む
東芝のような巨大企業を経営する困難さ - 竹内研究室の日記
東芝、ソニー、パナソニック、日立・・・このような総合電機メーカーと言われた企業の多くはこの10年ほどの間に苦境に陥りました。日立のように苦境から立ち直った(ように少なくとも外から見える)企業もあれば、ソニーのように今でも苦しんでいる企業もあります。そして「勝ち組」と見られながらも実は不適切な会計処理によって利益をかさ上げしていた東芝。それぞれの企業の苦境の原因は個別の事情があるのでしょうが、どこも... 続きを読む
産業界で役に立つ技術者の実践的なスキルとは - 竹内研究室の日記
大学など高等教育機関の様々な改革案が提案されており、今度は「ITや経営ノウハウなど実践的な教育に特化した新しい高等教育機関の枠組みを設ける」というものが出てきました。政府、ITに特化した高等教育機関 成長戦略の人材育成策「これまでのような企業任せの人材育成には限界があり、社会全体で取り組むべき課題だ」ということだそうです。企業から大学に移って来た私の率直な感想は、現在の大学の工学部は実践的すぎるく... 続きを読む
「グローバル人材」になるため子供は海外の大学に行くべきか? - 竹内研究室の日記
グローバル人材、グローバル教育、グローバルスクールと教育界はグローバルばやりです。大学はもちろんのこと、私立の中高一貫校の学校説明会に行くと「グローバル**」の話が多いですね。自分が大学の教員として、教育費を出す親として「グローバル」をどう考えるかは難しい。そもそもグローバル人材やグローバル教育の定義も曖昧です。英語はコミュニケーションの手段としてデファクトスタンダードなので、たとえ技術の分野であ... 続きを読む
機械学習で抵抗変化型メモリ(ReRAM)の エラーを予測、メモリの寿命を13倍に向上 - 竹内研究室の日記
IMWで発表した、機械学習を用いることでReRAMの寿命を13倍に増加する技術をプレスリリースしました。詳細はこちらをご覧ください。以下、要旨です。機械学習を用いて抵抗変化型メモリ(ReRAM)のエラーを予測し、寿命(書き換え可能な回数)を13倍に増加させることに成功しました。携帯電話からデータセンタのストレージ(記憶装置)までフラッシュメモリを記憶媒体とするSSDが幅広く使われています。フラッシ... 続きを読む
進学、就職、人生の選択はどうやって決めるのか? - 竹内研究室の日記
入試も終わりどこに進学するのか、あるいは浪人して再チャレンジするのか。今年から時期が後ろ倒しになりましたが就職活動も始まりました。私の身のまわりでは、学部の3年生が大学院に進学するか、就職をするかを決める時期でもあります。以前に比べれば選択肢が増えた分、迷うこともあるでしょう。就職では、大企業に入ったところで一生安泰ではないことがほとんどで、どうすれば良いのか、迷うことでしょう。まあ、実は以前から... 続きを読む
「誰でも一緒に平等に就活」は正しいのか? - 竹内研究室の日記
今年から時期が後ろ倒しになりましたが、就活の時期になりました。毎年のことですが、大々的にセミナーが行われ、学生たちがみんなで一緒に同じように行動する。これは新卒一括採用の日本の就職だからでしょうが、どうしても違和感を感じます。採用は企業にとっては必要とする人材を取ることなのに、学生のスキルに相当に差があって、誰でも同じように扱うのは実に不思議です。私の研究室のように、日頃から企業と連携し、共同研究... 続きを読む
グーグルが半導体の設計者を雇う理由 - 竹内研究室の日記
ISSCCが行われたサンフランシスコから金曜日に帰り、昨日は修論審査をやって、これからまたUSに戻ります。今度はNVMW(Non-Volatile Memories Workshop 2015)が行われるUC Sandiegoに出張です。ISSCCで発表した技術については日経テクノロジー・オンラインに記事を掲載していただきました。「リアルタイムデータ処理に向けた高速・高信頼のSSD、中央大が開発」... 続きを読む
「課題解決力、コミュ力」教育で、課題を解決できるようになるのでしょうか? - 竹内研究室の日記
中学でも、高校、大学でも最近の学校は「創造性を持った課題解決能力の教育をします」「プレゼン力、コミュニケーション能力を育成します」とアピールするところが目に付きます。それに、「グローバル力」を付ければ役満でしょうか。これは企業が欲しい学生像だったり、学生が就活でアピールする時の言葉でもあります。しかし、私も教育に携わる一員として、このような風潮を理解できません。基礎の学力ができていない学生を教育す... 続きを読む
中村修二さんは勝算があってGaNを選んだわけではなかった。偶然が人生を決めて行くのですね。 - 竹内研究室の日記
私も青色LED、青色レーザーの材料の物性の研究を卒論、修士でやっていたので、今回のノーベル賞は20年前の自分の研究を思い出してとても懐かしく感じます。私は当時、青色LED、レーザーで最も有力視されていたZnSe(セレン化亜鉛)の研究をしていました。LEDやレーザーそのものの研究ではなく、ZnSeを作成する企業の方にサンプルを頂いて、基礎的な物性を調べていました。極低温に冷やし、紫外線レーザーを当て... 続きを読む
日本の研究者・技術者は本当に虐げられているのか? - 竹内研究室の日記
中村修二さんがノーベル賞を受賞されたことから、お祝いとともに、日本の科学技術の今後について心配する声を聞くようになりました。具体的にはメディアの方の取材の依頼を受けるようになりました。例えば、「日本の技術者は虐げられているのではないか」「ノーベル賞は日本の経済が良かった時代のもので、これからの日本の科学技術は競争力があるのか」「日本の技術者・研究者は報われないのではないか」「日本の大学の研究環境は... 続きを読む
単純には喜べない青色ダイオードのノーベル賞。日本ではゼロから1を作った人がリスペクトされるのか? - 竹内研究室の日記
青色ダイオードを実現した中村修二さん、赤崎先生、天野先生がノーベル賞を受賞されました。本当におめでとうございます。実は私は学部、修士の時に青色レーザーに関連する研究をしていたので感慨もひとしおです。当時は青色レーザーを目指して、今回受賞したGaNとZnSeが激しく競争。いずれの陣営も日本の企業・大学が中心で、「日本を制したものが世界を制する」という、日本の黄金期でした。私は「負け組」であるZnSe... 続きを読む
iPhone6はフラッシュメモリを5〜9倍高く売る。iPhone5Sの10倍よりも若干下がるけど、アップルのフラッシュメモリで儲けるビジネスモデルは健在。 - 竹内研究室の日記
iPhone6、6Plusが出ましたね。以前、「iPhoneではアップルはフラッシュメモリを10倍高く売って儲けている」というブログを書きました。iPhoneに内蔵されているフラッシュメモリも市販されているSDカードのフラシュメモリも同じものです。しかし、アップルはSDカードのスロットをもうけず、フラッシュメモリを内蔵する、つまり顧客がフラッシュメモリをアップルから買わざる得ないようにすることで、... 続きを読む
早稲田の博士論文の判断の裏にあるのは、「大学で勉強しなくても企業に入ってから滅私奉公すれば良い」といいう社会。それでグローバルな競争を戦えるのか。 - 竹内研究室の日記
早稲田の小保方さんの博士論文への対応は実に考えさせられるところが多いです。いい加減な論文でも学位はオッケー、というのはまじめにやっている学生や指導している教員にとってはやり切れない思いでしょうね。それに、少なくとも早稲田の(早稲田以外もある?)学位のレベルがばれてしまったわけで、博士取得者への評価も下がるでしょう。でも、実はこの件で腹を立てているのは、自分のような大学教員や(苦労して)博士を取った... 続きを読む
日本が負けつつあるのはロボットだけではない。競争する土俵が変わってしまった。 - 竹内研究室の日記
オバマ大統領が来日した際、日本未来館で東大発のロボットを開発するベンチャー、シャフトの創業者たちと彼らの製品のロボットと会ったそうですね。ロボットと言えば、日本のお家芸。今でも産業用のロボットは非常に日本企業が強いです。その一方、二足歩行のようなヒューマノイドのロボットはおもちゃとしては面白いけど、なかなか産業として離陸することが難しい。介護ロボットとして有望と言われていますが、実用化はまだ遠そう... 続きを読む
若い女性がかわいそうだから、と甘やかすオジサンこそが、マジメに頑張っている女性を潰していることについて書いてみました。 - 竹内研究室の日記
「小保方さんを見て、女性でかわいそうと言うおっさんが居るようだけど。そういう女性やおっさんこそが、マジメに仕事をしている女性の敵なんですよね。要はやった仕事の中身で評価してない。」というツイートがたくさんリツイート(今のところ1200くらい)されて、やっぱり同じように感じている方が多いんだなと実感しました。小保方さん個人のことは私はもちろんわからないので、良くある一般的な話として、書こうと思います... 続きを読む
博士論文とは単なる「世界一の成果」ではなく、後世に知の体系を伝えること - 竹内研究室の日記
STAP細胞は研究成果の疑惑から博士論文のコピペにまでなってます。あたかも成果さえ出れば博士論文なんてどうでも良いのでは、ということまで言う人が出る始末。そこで、そもそも博士論文とは何か?、について書いてみようと思います。まず私は大学院は修士で卒業して博士課程は行っていません。博士論文は東芝での研究をまとめたもので、論文博士。博士とは何たるか、語る資格が自分にどれだけあるか、自信があるわけではあり... 続きを読む
リクナビに象徴されるネット就活に潜む罠、「誰でも平等に入社のチャンスがある」という幻想が悲劇を生んでないか? - 竹内研究室の日記
就活は勝負どころになりましたね。就活は11、12月から始まり、ダラダラと長く続くのですが、実質的な選考は3月からの短期決戦。この数週間で一気に内々定が出だすので、乗り遅れると厳しくなる。ダラダラやってないで、12月ごろにさっさと早く決めればいいのに、と思わないでもないですが。それはさておき。先日、Wedgeの4月の就活特集“「就活」が日本をダメにする”で取材を受けました。ちょっとだけ私のコメントも... 続きを読む
「売りたくない」マーケティング、「開発したくない」技術部、「契約したくない」法務部が組織をダメにする。「やらないこと」が最適解になってしまう日本の組織。 - 竹内研究室の日記
日本ではITやエレクトロニクスはダメダメですが、一歩、国外に出れば成長産業。私が研究しているSSDや半導体メモリを使ったストレージは、ITのクラウド化で猛烈に成長している。例えば、Flash Memory Summitという8月にシリコンバレーで行われたマーケティングの会合では、400件以上の発表が行われ、4000人もの参加者が。でも、日本の半導体やITはリストラなどの後ろ向きばかり。Google... 続きを読む
iPhoneではアップルはフラッシュメモリを10倍高く売って儲けている - 竹内研究室の日記
iPhone5Sが発売になりました。au、ドコモ、ソフトバンクの料金設定について、いろんな駆け引きがあるようですね。それはさておき、フラッシュメモリの観点からiPhone5Sの価格を見てみましょう。どの会社でも、新規購入・機種変更を問わず、iPhone5Sの16GBモデルに比べて、・32GByteモデルは1万320円高い・64GByteモデルは2万640円高い中身の違いは単純にフラッシュメモリだけ... 続きを読む