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人気順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 users「103万円の壁」撤廃で地方財政が破綻?:冷静な議論のための論点整理/中里透 - SYNODOS
「103万円の壁」をめぐる議論が引き続き活発に行われている。この問題をめぐっては新たな論点も浮上した。それは基礎控除の引き上げなどによる所得税と住民税の減収によって、都道府県・市町村の一般財源に大幅な減収が生じることに関するものだ。 各県の知事からはこの問題をめぐり相次いで懸念が表明され、中には「こ... 続きを読む
兵庫県知事選調査――なぜ斎藤氏は勝利したのか/田中辰雄 - SYNODOS
兵庫知事選は斎藤元彦氏が返り咲いた。パワハラで県庁職員とマスコミから叩かれつづけ、県の労働組合は辞職要求を出し、兵庫県議会は自民党から共産党まで含めての全会一致で不信任決議を出した。選挙戦中には兵庫県の22人の市長が連名で斎藤氏を再選させるべきではないとの異例の声明を出し、日本ファクトチェックセン... 続きを読む
アサクリ・弥助炎上事件――正義とキャンセルカルチャー/田中辰雄 - SYNODOS
(1)事件の概要 第一幕:ゲームの炎上 アサクリ・弥助の炎上事件は単なる一ゲームの炎上事件以上の思わぬ広がりを見せており、下手をすると国際問題になる可能性がある。この事件について簡単な調査を行ったので報告する。 まず、多くの人はこの事件のことを知らないと思われるので簡単にいきさつを説明する。事の起こ... 続きを読む
「自然の価値」を論じなおす:関係価値と自然の代替不可能性――環境経済学と環境倫理学の対話/篭橋一輝×吉永明弘 - SYNODOS
シリーズ「環境倫理学のフロンティア」では、環境倫理学の隣接分野の研究者との対話を行っています。今回は「環境経済学×環境倫理学」として、「クリティカル自然資本」をキーワードに研究されている環境経済学者の篭橋一輝さんと対話を行います。篭橋さんは、最近では自然の価値に関する論考を書かれており、これは環境... 続きを読む
「見守り」と「疫学調査」は両立しない――福島の甲状腺検査の構造的問題 稲葉俊哉氏インタビュー/服部美咲 - SYNODOS
右足でアクセルを踏みながら、左足でブレーキをかける 東京電力福島第一原子力発電所(以下福島第一原発)事故後、子どもの甲状腺がんの増加を不安に思う福島県民の声が多く上がった。 福島県は、県民の不安を解消する目的(以下、「見守り」と呼ぶ)で、甲状腺がんやその疑いの有無を超音波機器でふるいわける検査(甲... 続きを読む
ウクライナ戦争と「ナラティブ優勢」をめぐる戦い/川口貴久 - SYNODOS
はじめに ロシアによるウクライナ全面侵攻から3カ月弱が経過した現在、ウクライナ軍は首都キーウに迫るロシア軍を押し返したものの、東部ドンバス地方や南部では激しい戦いが続いている。陸・海・空・宇宙に次ぐ、第五の戦場「サイバー空間」や第六の戦場「認知空間」【注1】でも、ウクライナとロシアの戦いが繰り広げら... 続きを読む
ロシアによる非合理的な軍事侵攻とプーチンの「世界観」/溝口修平 - SYNODOS
はじめに 2022年2月24日に始まったロシア軍のウクライナ侵攻から約2ヶ月が経過し、戦争被害の悲惨さが連日報じられている。この間、さまざまなところで「プーチンの狙いは何か」が議論されてきた。本当の「プーチンの狙い」を知るのはプーチン自身のみであり、どのような議論も結局は推測の域を出ないものになってしま... 続きを読む
「月曜日のたわわ」を人々はどう見るか/田中辰雄 - SYNODOS
1.はじめに 日経新聞に載った「月曜日のたわわ」の広告は波紋を呼んだ。「月曜日のたわわ」は青年漫画誌の連載漫画であり、その漫画のキャラを使った広告が不適切であるとして批判されたのである。批判の趣旨は、広告で描かれた絵は女子高生を性的に扱っており、新聞の広告として不適切という点にある。これに対し、表... 続きを読む
早大教育学部の入試国語めぐり著者が問合せ→回答に猛反発「誠実な対応を」 大学「発信は認識」
早稲田大学教育学部の入試で出題された国語の問題について、問題文に一部内容が使用された書籍の著者である明治大学の重田園江教授(政治思想)が、自らの問い合わせに説明がなかったことに納得できないと、教養情報サイト「SYNODOS(シノドス)」上で早大に抗議した。 早大からは、個別に説明していないなどと回答があ... 続きを読む
入試国語選択問題の「正解」について――早稲田大学教育学部の説明責任/重田園江 - SYNODOS
2022年2月19日に行われた、早稲田大学教育学部一般入試の国語問題(第一問)に、私の著書『フーコーの風向き-近代国家の系譜学』(青土社、2020年)の一部が用いられた(44-51ページ)。 それについて、はじめは何の気なしに問題を解いてみた私は、結果的に以下の問い合わせを早稲田大学入学センターに行うことになった... 続きを読む
呉座・オープンレター事件の対立軸――キャンセルカルチャーだったのか?/田中辰雄 - SYNODOS
1.はじめに 2021年、大学関係者の間で呉座・オープンレター事件が話題になった。本稿はこの事件で何が対立軸だったのかを、人々へのアンケート調査の形で調べることを目的としている。 事件のあらましを簡単に述べる。ベストセラー『応仁の乱』の作者である歴史学者、呉座勇一氏が鍵付きツイッターアカウントで、ある... 続きを読む
「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性/『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー - SYNODOS
「論理的思考」の落とし穴――フランスからみえる「論理」の多様性 『「論理的思考」の社会的構築』著者、渡邉雅子氏インタビュー 社会 「ロジカル・シンキングを身につけよう」「これからの教育に必要なのは論理的に話す・聞く・書く能力である」……論理的に考え、書いたりプレゼンテーションしたりする能力はビジネスや教... 続きを読む
ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり/井出草平 - SYNODOS
ゲームプレーヤーを精神疾患にするディストピア――久里浜医療センター「ゲーム障害の有病率5.1%」論文のからくり 井出草平 社会学 社会 エグゼクティブ・サマリ 久里浜医療センターの樋口進氏らのグループが発表した論文から、ゲーム障害を過剰診断していく方針が読み取れる。この論文は厚労省・文科省の政策にも影響が... 続きを読む
「空襲は怖くない。逃げずに火を消せ」――戦時中の「防空法」と情報統制/大前治 - SYNODOS
空襲の安全神話 1枚の写真をご覧いただきたい。 畳の上に炎があり、男女3人が水をまいている。昭和13年に東部軍司令部の監修で作られた12枚組ポスターの一つで、今でいう政府広報である。表題には「落下した焼夷弾の処理」とある。 それにしても不思議な光景である。屋根を突き破って落ちてきた割には弱々しい炎。... 続きを読む
レッテルの向こうの「人生」を撮る――椎木透子氏インタビュー / 服部美咲 / フリーライター | SYNODOS -シノドス-
2011年3月、東日本大震災と津波、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故(以下福島第一原発事故)のニュースは、世界中を駆け巡った。しかし、とりわけ原発事故後の福島については、インターネット上をはじめとする大小さまざまなメディアで情報が錯綜し、日本国内にいてさえも、正しい情報を見分けるのは難しかった... 続きを読む
「学習支援によるケア」が、子ども・親・学生にもたらすもの――子どもの貧困対策の現場の調査から / 松村智史 / 社会福祉学 | SYNODOS -シノドス-
「自分を迎え入れてくる人がいる」、「また来ていいんだっていう安心感」があったから――。 貧困世帯の子ども向けの学習支援教室に参加したある女性は、学校でいじめを受けた経験から不登校状態になり、勉強についていけなくなっただけでなく、同年代や周りが自分のことを嫌いだという意識を持っていたという。 だが、学... 続きを読む
異論あり、ファスト映画考――逮捕は悪手である / 田中辰雄 / 計量経済学 | SYNODOS -シノドス-
1.問題の所在:ファスト映画とは 2021年6月23日、ファスト映画をアップしていた3人が逮捕された。【注1】ファスト映画とは映画を10分程度に短縮し、解説をつけたものである。映画の一部を切り取ってダイジェスト版をつくり、あらすじがナレーションとして入っており、2時間近くかけて映画本体を観なくても、短時間で映... 続きを読む
「家族」を擁護する――『事実婚と夫婦別姓の社会学』 / 阪井裕一郎 | SYNODOS -シノドス-
本書は、事実婚と夫婦別姓をめぐる諸問題を、社会学の視点から検討したものである。 大学院時代の私は、「家族の多様化」をめぐる研究関心から、日本における事実婚カップルの実態を明らかにしようと、いわば「見切り発車」状態で当事者へのインタビュー調査を開始した。 しかし、話を聞くなかで、まず私が抱いていた「... 続きを読む
インバウンド需要は、なぜ日本の対中脆弱性を高めるのか――安倍政権の安保政策を振り返る(4) / 山﨑周 / 国際政治学、中国の外交・安全保障政策 | SYNODOS -シノドス-
はじめに 中国がらみの安全保障問題というと、日中関係の文脈では尖閣諸島の話がすぐに思い浮かぶ。しかし、じつは経済的な問題、とくにインバウンド需要も、日本の対中脆弱性を著しく高める安全保障上の課題だ。 外国人観光客を対象としたインバウンド需要の活性化や、外国人労働者の受け入れ拡大が象徴する通り、中国... 続きを読む
漫画村異聞――海賊版の前向きの解決 / 田中辰雄 / 計量経済学 | SYNODOS -シノドス-
海賊版サイトであった漫画村事件に2021年6月判決が下り、運営者は懲役3年の刑が言い渡された。判決文は「著作物の収益構造を根底から破壊し、文化の発展を阻害する危険性をはらんでおり」と厳しい口調で述べている。 漫画村が著作権法違反であることは間違いない。しかし、文化の発展という観点から見てこの形の解決が前... 続きを読む
子どものゲームやスマホの使い方に迷ったときに / 井出草平 / 社会学 | SYNODOS -シノドス-
『ゲーム・ネットの世界から離れられない子どもたち 子どもが社会から孤立しないために』(吉川徹)は、現在のところ、ゲーム障害やネット依存症についての最良の本である。多くのゲーム障害やネット依存症の本は人々の不安を煽り立てるが、具体的な解決策については記載の乏しいものが多い。しかし本書にはそういった心... 続きを読む
ドイツのネットワーク執行法で変わったことと変わらないこと――違法なコンテンツの排除はネット上の発言をどう変えたか / | SYNODOS -シノドス-
運用から3年たった今 ドイツでは、ソーシャルネットワーク(以下SNSと表記)上のヘイトスピーチや偽情報の急増を背景に、「ソーシャルネットワークにおける法執行を改善するための法律」が2017年に制定されました。本格的な運用から3年余りの歳月がたちましたが、この法律はどのような効果をSNS上や社会にもたらしたの... 続きを読む
子どもが発達障害です。――『大学教授、発達障害の子を育てる』(光文社) / 岡嶋裕史(著者) | SYNODOS -シノドス-
子どもが発達障害です。 それを知ったとき、「困ったな」と思いました。 いや、誰だって「お子さんが障害ですよ」と言われたら、たいていは困ると思うのですが、ぼくの場合はそもそもことの初めから困っていたのです。 ぼくはそもそも、「子どもをちゃんと育てられるだろうか」と危惧していたのです。人間の赤ちゃんを動... 続きを読む
「国益」を捉えなおす——言葉を選び取る責任と向き合うために / 大山貴稔 / 政治学・開発学 | SYNODOS -シノドス-
「国益」追求に傾斜する世界 「国家は国益を追求する存在である」という命題は、変転する世界秩序の趨勢を見定めるうえで重要な手がかりとされてきた。近年の世界的な「自国第一主義」の広がりを目の当たりにすると、この命題が帯びた妥当性を見せつけられているようにも感じられる。トランプ前米大統領が声高に掲げた「... 続きを読む
不可視の被ばく者たち アメリカ国内の核被害と「語り」の抑圧――『なぜ原爆が悪ではないのか アメリカの核意識』(岩波書店) / 宮本ゆき(著者) | SYNODOS -シノドス-
2021年1月22日、国連の核兵器禁止条約が発効されました。この条約は、核実験はもちろんのこと、核兵器使用の威嚇を含め禁止したもので、核により様々な被害を被った人々や環境回復への支援をも念頭においた、画期的な条約と言えましょう。 残念ながら日本、そしてアメリカも、この条約に批准していません。アメリカ国内... 続きを読む