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新着順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 users「子宮頸がん検診の感度が2.5%なわけないだろ問題」の続報 - NATROMのブログ
プレジデントオンラインに■血液と尿の検査だけで本当に「がん」を見つけられるのか…現役医師が指摘「複数がん早期発見検査」の落とし穴 検診としての有効性が証明されたものは一つもないを寄稿しました。その中で、『株式会社HIROTSUバイオサイエンス』のプレスリリースに言及し、子宮頸がんの感度が2.5%とされた問題につい... 続きを読む
シックハウス症候群と化学物質過敏症は異なる - NATROMのブログ
「化学物質過敏症」という疾患概念は公的には認められておらず、盲検法による負荷テストでは化学物質曝露と症状の関連は確認できません。化学物質過敏症とされる患者さんの症状が誘発される原因は化学物質ではないことが示唆されます。こうした化学物質過敏症の疾患概念に懐疑的な記事を書くと、「そうは言っても私は化... 続きを読む
化学物質過敏症に関して厚労省見解と異なるパンフレットが自治体で紹介される理由 - NATROMのブログ
先日、maruさんが発表したnoteが注目を集めました。そのnoteでは、多くの自治体が提供する化学物質過敏症に関する情報が、厚生労働省の見解とは異なる「厚労省研究班のパンフレット」に基づいていることについて注意を喚起しています ■「化学物質過敏症」の伝え方 自治体掲載の「厚労省研究班のパンフレット」は厚労省の... 続きを読む
福島県の甲状腺検査のメリットは明確ではない - NATROMのブログ
ハフポストが、福島県の甲状腺検査の過剰診断の問題について報じました。 ■甲状腺がんの「過剰診断」問題、福島県議会で議員が指摘。専門家が「2年後のお楽しみ」と発言したことも明らかに | ハフポスト NEWS 論点は複数ありますが、今回は、とくに検査のメリットについて論じます。福島県の甲状腺検査は無症状者に対し... 続きを読む
因果関係も不明なのに「ワクチンの副反応が出やすい素因」を特定できるはずがない - NATROMのブログ
2023年8月からX(旧Twitter)にて、元杏林大学保健学部准教授の平岡厚さんと対話を続けています。平岡さんは「HPVワクチンの深刻な副反応・薬害としての自己免疫性脳症が、相当規模で存在していると推測」しておられます。具体的にはワクチン接種者の「数千人に1人」が「POTS, CRPS, ME/CFS, 繊維筋痛症などの症状が入れ... 続きを読む
HPVワクチンの「相当規模」の薬害が存在するのなら、WHOやCDCがなぜ無視しているのか、合理的な理由を説明して欲しい - NATROMのブログ
2023年8月からX(旧Twitter)にて、元杏林大学保健学部准教授の平岡厚さんと対話を続けています。平岡さんは「HPVワクチンの深刻な副反応・薬害としての自己免疫性脳症が、相当規模で存在していると推測」しておられます。具体的にはワクチン接種者の「数千人に1人」が「POTS, CRPS, ME/CFS, 繊維筋痛症などの症状が入れ... 続きを読む
撤回された論文は根拠にならない - NATROMのブログ
2023年8月からX(旧Twitter)にて、元杏林大学保健学部准教授の平岡厚さんと対話を続けています。HPVワクチンは安全で効果的というのが世界中の専門家のコンセンサスですが、平岡さんはHPVワクチンの深刻な副反応・薬害が相当規模で存在すると主張しています。 HPVワクチン接種の有無にかかわらず血液脳関門の異常で害が... 続きを読む
有害事象報告ベースでは因果関係の推論はできない - NATROMのブログ
平岡厚さんとHPVワクチンの安全性に関する対話をはじめたわけ 2023年8月からX(旧Twitter)にて、元杏林大学保健学部准教授の平岡厚さんと対話を続けています。平岡さんは『HPVワクチン論争を再考する 推進派の主張の問題点を中心に』といった和文論文にて「HPVワクチンの深刻な副反応・薬害としての自己免疫性脳症が、... 続きを読む
線虫がん検査についてポスト(ツイート)するアカウントをご紹介します - NATROMのブログ
線虫によるがん検査「N-NOSE」を提供する株式会社HIROTSUバイオサイエンスが、N-NOSEに批判的な記事を掲載したNewsPicksについて、仮処分命令申立書を東京地方裁判所に提出したとのことです*1 ■株式会社ユーザベースを被告とした民事訴訟について 無症状の人に対する線虫がん検査は、がん死亡率の減少といった利益が証明... 続きを読む
「がん死亡率減少がない=過剰診断」という誤解 - NATROMのブログ
「検診によるがん死亡率減少がない=過剰診断」という誤解はよくみられ、福島県の甲状腺がん検診に反対している人たちの間でもあります。検診によるがん死亡率減少と過剰診断の関係について説明を試みます。 無症状でがん検診を受けてがんと診断された人は、以下の4つのどれかです。 1. 検診を受けても受けなくてもがん... 続きを読む
線虫がん検査の『HIROTSUバイオサイエンス』の神経芽腫マススクリーニングに関する誤り - NATROMのブログ
線虫を利用したがん検査「N-NOSE」の疑惑を報じた■NewsPicksの記事に対し、HIROTSUバイオサイエンスが反論として■「一部メディアでの報道および内容の解説について」というプレスリリースを出しました。このプレスリリースにはさまざまな問題点がありますが、ここでは主に神経芽腫マススクリーニングに関する誤りについ... 続きを読む
和田秀樹先生、検診を受けていないほうが肺がん死が少ない研究ってどの研究ですか? - NATROMのブログ
先日、『80歳の壁』など多くの著作で知られる医師の和田秀樹先生とX(元Twitter)で対話させていただく機会がありました。高血圧による脳出血のリスクや和田先生が自身のクリニックで提供している高額な医療のエビデンスについて質問いたしました。■和田秀樹氏に答えていただきたい3つの質問にまとめています。和田先生... 続きを読む
和田秀樹氏に答えていただきたい3つの質問 - NATROMのブログ
和田秀樹氏は『80歳の壁』など、多くの著作で知られる医師です。毎日新聞医療プレミアの『「老い」に負けない ~健康寿命を延ばす新常識~』において、「私自身が200以上の血圧を何年も放っておいて平気だったように、今は血圧が200以上でもまず血管が破れることはない」と書いておられました*1。 高血圧は脳出血の介入... 続きを読む
「宝くじの誤り」 - NATROMのブログ
「宝くじの誤り」とは、「中には大きな利益を得る人もいるかもしれない」という理由で利益が害よりも大きいことが証明されていない医療行為を容認する考え方を表すために私が提案したい言葉である。医療行為には不確実性がある。公的に推奨されている医療行為でも利益はなく害だけを被る人もいるが、集団全体では害より... 続きを読む
世界はゆっくりと良くなっている 日本の年齢別がん死亡率の推移 - NATROMのブログ
日本において、がんは死因順位の第1位である。がんにかかる人やがんで死ぬ人をゼロにすることはできないが、医学は進歩し、予防法も治療法も改善している。全世界でも日本でも、年齢別がん死亡率や年齢調整がん死亡率は徐々に減少している。ここでは日本の年齢別がん死亡率の推移をグラフで紹介しよう。引用はすべて■Ca... 続きを読む
「ファーストペンギン」って海に突き落とされる奴じゃないんだ… - NATROMのブログ
最近、「ファーストペンギン」という言葉をよく聞く。ペンギンの群れの中で、天敵がいるかもしれない海の中に最初に飛び込む個体のことで、リスクをとって挑戦する勇敢な行為を称えるポジティブな意味合いを持つ。だが、私はファーストペンギンという言葉からは異なる意味を連想してしまうのだ。 イギリスの生物学者、リ... 続きを読む
ABO式血液型の遺伝様式をめぐる2つの仮説 - NATROMのブログ
オーストリアのカール・ラントシュタイナーによってABO式血液型が発見され、輸血医学の基礎が築かれたことは有名だ。1930年にラントシュタイナーはノーベル医学・生理学賞を受賞した。輸血の歴史については ■「血液は生理食塩水で代用できるから輸血は必要ない…」そんな荒唐無稽なデマの裏事情を医師が解説 動物の血を輸血... 続きを読む
「線虫がん検査」の感度・特異度は過大評価されている - NATROMのブログ
上部消化管内視鏡やCT検査など、がんの検査には一定の苦痛やリスクを伴うものが多いです。もし、微量の血液や尿でがん検査ができれば素晴らしいことです。すでに商業化されている検査法の一つに尿1滴で15種類のがんリスクがわかると称されているがん線虫検査(N-NOSE)があります。 線虫ががん患者の尿に反応すること自... 続きを読む
『週刊現代』のジレンマ - NATROMのブログ
以前、マスコミからのインタビューに対する報酬について話題になった(■「孤独のグルメ」久住先生が報酬・校正無しの取材を断った件で浮上した、『無償による真実性』という原則とそれに対する疑問の声 - Togetter)。私も、ときにメディアから取材やインタビューの依頼を受けるが、報酬は発生したりしなかったりする。... 続きを読む
ニセ医学と戦う内科医NATROMさんのブログで、養老孟司氏と和田秀樹氏の対談記事を批判 - 爽風上々のブログ
上記2人の対談の記事がプレジデント誌の10月24日号に掲載されましたが、それについてNATROMさんが厳しい批判を繰り広げています。 natrom.hatenablog.com 対談の主導権は和田氏が取っているようですので、批判の先もそちらに向かっています。 和田は現在の通常の医療、病院の在り方、健康診断と言ったものに対して批判を... 続きを読む
「血圧200を放っておいたが問題なかった」などと放言する医者を信じてはいけない! - NATROMのブログ
プレジデント2022.10.14号で「信じてはいけない!健康診断、医者、クスリ 最新版・コロナ対応 病院に頼らない生き方」という特集が組まれ、養老孟司氏と和田秀樹氏の対談が掲載されました。その対談から和田氏の発言部分を引用したツイートが6000件以上のリツイート、1.6万件以上の「いいね」がされました。 これ、も... 続きを読む
興和のイベルメクチン臨床試験は失敗ではない - NATROMのブログ
イベルメクチンはもともとは寄生虫に対する薬だったが、試験管内で抗ウイルス効果が確認され、新型コロナに効果があると期待する医療者もいた。興和株式会社が新型コロナウイルス感染症に対するイベルメクチンの第3相試験を行っていたが、このたび、主要評価項目に統計的有意差が認められなかったとの発表があった。 ■... 続きを読む
抗がん剤を否定する自称医師のツイートへの注意喚起 - NATROMのブログ
抗がん剤治療は臨床的に効果が確認された標準治療である ある自称医師が術後補助化学療法(がん組織を外科的に切除した後の抗がん剤治療)を否定するツイートしており、現時点でリツイートは1600件を超え、いいねも7000件を超えています*1。ですが、かの自称医師のツイートは誤りです。いくつものがんで、術後補助化学療... 続きを読む
「がん死亡数が増え続けているのは先進国では日本だけ」は誤り - NATROMのブログ
がんに関する不正確な情報の一つに「がん死亡数が増え続けているのは先進国では日本だけ」「がん死亡数は欧米では減っているが日本だけ増加し続けている」というものがある。「抗がん剤は害しかない」「がん検診は無駄だ」「残留農薬や添加物が多い食事が原因だ」とかいったニセ医学的な主張と同時に言われていることも... 続きを読む
過剰診断と過剰検査の違いも認識しよう - NATROMのブログ
■「過剰診断」の定義の違いを認識しようにおいて、内分泌外会誌に掲載された■『過剰診断(overdiagnosis)の定義と過剰手術(oversurgery)/過剰治療(overtreatment)の用法:病理医と疫学者の見解の差異』という文献(以下「本文献」)を紹介しました。「過剰診断」という用語には複数の定義があり、がん検診の文脈で... 続きを読む