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人気順 5 users 10 users 100 users 500 users 1000 usersサポートエンジニアが読む「医療とコミュニケーションについて」 – Daisuke Kobayashi – Medium
「レジデント初期研修用資料 医療とコミュニケーションについて」を読みました。これは、内科医である筆者が視点を医療現場に置きつつ、普遍的なコミュニケーションの技術を紹介する一冊です。 普段、ソフトウェアのプロダクトサポートを生業としている自分にとって、顧客とのコミュニケーションは避けて通れません。顧客が報告してくる問題をいち早く解決するのは当然の業務ですが、その過程におけるコミュニケーションのあり方... 続きを読む
グリーン車の効能 - レジデント初期研修用資料
公平であることは大切だけれど、サービスを販売する側と受ける側とでは、「公平」の感覚は大きく異なってくる。 恐らくは「えこひいきせよ。その代わり屈するのではなく恩に着せろ」という立ち位置が、サービス業や、人間関係を円滑に回していく上での落とし所になってくる。横車を押す誰かに対して、グリーン車に相当する選択肢を用意することで、不快の機会を遠ざけることができるのだと思う。 岩手県議のこと 外来での待ち時... 続きを読む
称賛の時定数について - レジデント初期研修用資料
小学生だった大昔、通っていた日能研の学習塾では、理科の授業ではいつも、「君は天才だね」という評価をもらった。 「天才だね」は理科の先生が口癖にしていた言葉で、理科の授業中は、クラスの誰もが「天才」で、問題に正解しようが間違えようが、あるいは口ごもった時にだって「君は天才なんだから」とおだてられ、とにかく自分の考えかたを口にできれば、先生からは「君は天才だね」のお墨付をもらえるのが常だった。 反応時... 続きを読む
議論を尽くすのは難しい - レジデント初期研修用資料
意見の対立を解決するための手段として、合議というやりかたはどこか危うい。 意見の対立があったところで、リーダーに対立した誰かが「じゃあ私は別の場所に行きます」といえる状況ならばまだしも、外の環境から閉じた場所で発生した意見の対立は、合議によらない、むしろなるべく理不尽なやりかたで解決することを心がけないといけないのだと思う。 合議は難しい インターネットで寄付を募ることで立ち上げられた地方紙である... 続きを読む
報告には行動目標が必要 - レジデント初期研修用資料
業務における報告は、個人的には簡潔であるほど好ましい。話しかたこそ丁寧なのに、本題に相当する内容がなかなか始まらない報告は、できることならやめてほしいなと思う。 簡潔な報告には行動目標が含まれている 何かのプレゼンテーションを行うときには、それを聞いた相手がどうなってほしいのか、あらかじめ目標を立てておかないといけない。目標なしにスライドを飾っても面白いプレゼンテーションにはならないし、なによりも... 続きを読む
「イマココ !」の効用 - レジデント初期研修用資料
何かの事件が2ちゃんねるで盛り上がると書き込みが増えて、同じ話題でいくつもの板が作られる。 新しい板がたったときには、たいてい最初にまとめがあって、事象の始まり、悪化していく現状、予測される最悪の状況などが箇条書きにされ、「<- イマココ ! 」という書き込みで現在の場所が示される。 箇条書きに取り上げる文言は任意のものだから、ああいう書きかただって歪みから自由になることはないにせよ、「イマココ!... 続きを読む
オーダーについて - レジデント初期研修用資料
上司の側から現場に出されるオーダーというものは、願望ではなく行動目標として記載されないといけない。 間違った文法に基づいて出されたオーダーは、責任を現場にかぶせ、上司を免責する効果がある。上司の側にはオーダーの文法を守る道理が生まれないから、「それは正しいオーダーではありません」というメッセージは、現場の側から伝えていかないと、職場の空気はだんだんと悪くなっていく。 願望と行動とは違う たとえば「... 続きを読む
罵倒の運用について - レジデント初期研修用資料
罵倒のようなやりかたにも使いかたがある。誰かを罵倒することで、その人の背中を強力に後押しするような効果を期待することもあるし、同じ罵倒のやりかたであっても、誰かを徹底的に否定してみせることで、その人から抵抗の意思を奪い去るような効果が期待できることもある。 海兵隊の教官は新兵を罵倒する 海兵隊訓練教官の罵倒を集めた記事を読んだ。 テレビ番組でときどき紹介される海兵隊の訓練風景は恐ろしいけれど、文章... 続きを読む
ネタ切れの効能 - レジデント初期研修用資料
インターネット上に日記を公開することの効能というものは、書いている人が「ネタ切れ」の状況を体験できることにある。 ネタが尽き、なおも何かを書きたい人は、見慣れた日常風景を見なおして、なんとかそこから新しいネタを引き出せないものかと考える。そうした試行錯誤を繰り返すと、その人は一つの同じ風景から、切り口を変えた複数の文章を生産できるようになってくる。 日常の風景を様々な角度から描写する練習は、世の中... 続きを読む
言葉の排除が共感を近づける - レジデント初期研修用資料
Recent Entries 言葉の排除が共感を近づける 人を bot にする道具 新型旅客機の特番を見た 待合室の経済 名門再起の物語 言葉の伝わりやすさについて 人格否定の使いかた 団体競技としての刑事尋問 御札はどうして売れるのか トラブル対策としての選択枝 Recent Comments 待合室の経済 04/04 foo 言葉の伝わりやすさについて 03/31 Luddite 03/27 ... 続きを読む
人を bot にする道具 - レジデント初期研修用資料
それが親しい人であっても、見知らぬ誰かであっても、自分に対して好意的な反応を返してもらうことは気分がいい。 共感はサービスの原動力で、共感が上手な人はそれ自体で商売をすることもできるし、ユーザーを共感してくれる誰かと結びつけてくれるサービスには人が集まる。 人間と区別がつかない、極めて精巧な人工知能を生み出すことができたとして、そうした人工知能によって提供された共感は、サービスとして商売になる。 ... 続きを読む
新型旅客機の特番を見た - レジデント初期研修用資料
つい最近、三菱のMRJ、次世代の新型国産旅客機を特集するテレビ番組を見た。 30分ぐらいの番組で、ドラマにしやすい、番組に仕立てやすいところを切り出して放映された結果であろうとはいえ、新型旅客機の高性能は、なんだか製造現場の大出血を前提にしているように思えて、この飛行機はたしかに、ゼロ戦の血筋を引いているんだろうと思えた。 妥協を許さない高性能は息苦しい MRJは、次世代型の最新エンジンが世界では... 続きを読む
待合室の経済 - レジデント初期研修用資料
病院をはじめ、待合室という場所は、何か共通の需要を抱えたお客さんが集まる場所であるのと同時に、お客さんに何かを販売する側は、そこに待合室を作らなくてはいけないぐらい、お客さんへの対処に切実な問題を抱えている場所でもある。 お客さん自身も、そこで対処を行う業者の側も、待合室を挟んだ両者はそれぞれに何か問題を抱えていて、問題解決の手段を販売する場所として、待合室はもっと活かされるべきなのだろうと思う。... 続きを読む
名門再起の物語 - レジデント初期研修用資料
ガールズ&パンツァーはもう毎回が楽しみで、びっくりするぐらいに面白かったのだけれど、続編を期待していいのならば、主人公チームに敗北した側、黒森峰高校の逸見エリカを主役に、敗北の結果として、士気も結束も失った名門チームの再生と、困難な状況の中、隊長職を引き継いだ個人の成長みたいなものをテーマにしてほしい。 味方はどこにもいない 決勝戦を終えた時点で、逸見の置かれた状況は、恐らくは相当に悪くなる。 頼... 続きを読む
言葉の伝わりやすさについて - レジデント初期研修用資料
とくに仕事で使うことを前提にするのなら、丁寧な言葉よりも、伝わりやすい言葉を心がけるべきなのだと思う。 伝わりやすさには深度があって、言葉の最前に動詞を持ってくるのが最初の段階、もう少し慣れたら、動詞の代わりに要約を置くことができると、言葉はさらに分かりやすくなる。自分がどうしてほしいのかではなく、自分が情報を出すにあたって相手は何が知りたいのか、聞き手にとっての「要するに」を想像して、それを言葉... 続きを読む
人格否定の使いかた - レジデント初期研修用資料
今日アルバイトの面接に行ってきた という記事の感想。 リンク先冒頭、アルバイトの面接に出向いた作者の人は、面接担当の人から 「なんでもっと頑張らないんだ!?こんな貴重な体験をしてきたのに、もっと能動的に動かないともったいないぞ!」と叱られ、否定され、その割に不思議と、否定を行った面接担当者に親近感を覚えたんだという。 否定の入り口は「取り返しのつかない過去」 面接担当者は冒頭で、まずは作者の話に耳... 続きを読む
団体競技としての刑事尋問 - レジデント初期研修用資料
冤罪を扱った本を読んで思ったこと。 警察で行われる被疑者の取り調べ、とくに「それが冤罪であった」と断じられた刑事尋問というものは、被疑者と捜査官の戦いというよりも、むしろ「たしかな記憶などどこにもない」ということをルールの前提にした、一種の団体戦であるように思えた。 空白の時間は大切 トイレでその場を離れた誰かに対して、「さっき君がトイレに立った時に聞いたんだけれど、みんなずいぶん君のことを嫌って... 続きを読む
御札はどうして売れるのか - レジデント初期研修用資料
神社の御札は、機能がないのによく売れる。構造は簡単で、恐らくは寸分違わぬコピーを量産することも容易であって、神社で販売されている本物にしたところで、売っているのは本職ではなくアルバイトであることも多い。 熊野神社の牛王符宣誓あたりになると、そもそもあれは和紙に印刷された木版画であって、同じ品質、同じ材料で、レーザープリンターで何枚でも量産できる。同等の機能を持った安価なコピー品をいくらでも作れるは... 続きを読む
見学は大切 - レジデント初期研修用資料
「見て学ぶ」ことが見学だけれど、見ることは、教わらないと難しい。 見学をしているようでいて、実際に行われているのは観光にすぎないことは多いし、ちゃんとした見学の手続きを踏むことができれば、恐らくは学習の効果は高まるのだろうと思う。 新しい職場ではまずは見て記録する どこかの部署に配置された新人には、まずは記録係を任せるのがいいのだろうと思う。 右も左も分からない現場において、新人としてそこに配置さ... 続きを読む
概算について - レジデント初期研修用資料
小学校ぐらいの大昔、父親からときどき、「あの場所までは何メートルだ? 」とか、「あの建物は、重さで言ったら何トンぐらいあると思う? 」なんて質問された。 実家では年に数回、自動車方面の研究者がたくさん集まる機会があって、研究者の人たちはお酒を飲みながら、やっぱり「そこにないものの長さや重さ」について会話をかわして、誰もがみんな、だいたい似たような数字に到達していた。 父親は昔から概算が得意で、研究... 続きを読む
納得と理解のこと - レジデント初期研修用資料
コミュニケーションの本を書いた昔、当時の自分は、理解というものを「相手の言葉を相手の文脈で呑み込むこと」、納得というものを「相手の文脈で自分の考えを再発見すること」なのだろうと考えていた。 こうした考えかたそれ自体は、平田オリザの演劇の本に借りたものだから、恐らくはそれほど珍しいものではないし、考えかたとしては、今でもそれほど大きく間違っているようには思えないのだけれど、こうした定義に従った「納得... 続きを読む
大きな話ができる人 - レジデント初期研修用資料
少ないリソースをやりくりできる能力と、たくさんの人数や、大きな予算をその大きさなりに使ってみせる能力とでは、求められるものがずいぶん違う。 小さなタスクを正確にこなせる人が増えた一方で、世の中からはたぶん、大きな話を大きく論じられる人が減った。 大きさが変わると道具も変わる 同じ「切る」道具であっても、手術用のメス刃とチェーンソーとでは異なって、「丸太を切る」という問題があった時に、「大きなメス刃... 続きを読む
邪悪の手軽さについて - レジデント初期研修用資料
病院では定期的に心肺蘇生の講習会が開催されて、近隣施設の看護師や救命救急士、医師も含めて様々な職種、様々な年齢の人達が集まってくる。 講習会はチーム医療で、打ち解けるための時間は少なく、和やかな空気は切実なのだけれど、誰もが初対面の当日、実現するのはなかなか難しい。 講習会は人形相手に「どうしましたか! 大丈夫ですか! 」と大声で呼びかけたりする必要があって、やっぱり初対面のみんなを前にこれをやる... 続きを読む
信頼地形の使いかた - レジデント初期研修用資料
信頼されている人は、誰かに背中を任されることが多くなる。同時にたぶん、誰かの背中に回りこむのに成功すれば、結果としてその人から信頼を獲得できる。 信頼という感情と、誰かの背中という地形とは等しい価値を持つ。誰かから信頼されようと思ったら、内面の道徳を磨くことよりもむしろ、その人の背中を奪う方法を考えたほうが早いのだろうと思う。 背中は信頼の基礎 たとえば「返す当てはないが金を貸してくれ」というお願... 続きを読む
なるべく同じ言葉を使いたい - レジデント初期研修用資料
大きな病院から患者さんを紹介されて、前の病院は「主治医がみんな違うことを言う」から怖かった、みたいな言葉をご家族からもらうことがある。 自分たちは免許仕事で、同じ検査所見、同じ画像を見れば、だいたい誰もが同じ診断、同じ重症度にたどり着く。患者さんやそのご家族に伝えるべき内容は、主治医が複数いるような大きな施設であればなおのこと、主治医は語るべき内容を共有できているはずなのだけれど、同じ内容をどう伝... 続きを読む