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新着順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 users欧州に忍び寄るイスラム国の脅威 「聖戦地」に少年、少女が結集~北欧・福祉社会の光と影(50):JBpress(日本ビジネスプレス)
イスラム過激派組織「イスラム国」の伸張が止まらない。 米国と、現在は16カ国に増えた有志連合軍は、この3カ月間でほぼ1000回に及ぶ空爆を行ってきたが、この数週間、イスラム国はシリア・イラクにまたがる地域を次々と制圧しており、現在はかなりの領域に勢力範囲を拡大している。 最近では、イスラム国側は米国らが支援するシリア革命戦線を、彼らの拠点の1つ、イドリブから駆逐し、戦車など大量の武器を奪っている。... 続きを読む
対ロシア制裁で苦境に陥るEU経済 制裁の応酬が危機に拍車~北欧・福祉社会の光と影(48):JBpress(日本ビジネスプレス)
8月18日に発表された欧州連合(EU)統計局ユーロスタットの数字によると、EU加盟28カ国の2014年1~6月の輸出高は、前年同期比で5%減少した。2014年5月の輸出は前年同月比マイナス9%、6月は同マイナス2%である。 簡略化のために、ここでは特に輸出に焦点を当てて世界経済の概要を見てみたい。 低迷する欧州経済の輸出を支えたのは、主に中国と韓国だ。EUの2014年1~5月期の対中輸出は、前年同... 続きを読む
ドラッグジェネレーションの到来 急増する薬物依存、大麻合法化を巡る議論も~北欧・福祉社会の光と影(47):JBpress(日本ビジネスプレス)
この夏、日本に滞在中に「脱法ドラッグ暴走で死亡事故」「蔓延する危険ドラッグ」というニュースを数度見かけた。7月中に、これまでの「脱法ドラッグ」に代わり「危険ドラッグ」と呼称が変更されたようだ。 スウェーデンへ戻る機中で見たスベンスカ・ダーグブラデッド紙の見出しは「ひんぱんに大麻を吸う若者が急増」だった*1。 ケアセンター入院患者の4人に1人が薬物中毒 この記事によると、ストックホルムの薬物依存青少... 続きを読む
EU解体を促す欧州議会選挙 経済共同体から軍事同盟への変質の兆し~北欧・福祉社会の光と影(46):JBpress(日本ビジネスプレス)
欧州議会選挙の投票日まであと1週間を切った。なのだが、スウェーデンでは全体的に、どの政党もこの選挙キャンペーンにはあまり真剣に取り組んでいないような印象がある。4月24日に報じられた世論調査の結果では、「欧州選挙に関する十分な情報を得ている」と答えた人はわずか13%だった*1。 投票率も前回は45.5%、前々回は37.8%とまったくふるわなかった*2。どの党もマスコミも、選挙と言えばこの欧州議会選... 続きを読む
「スウェーデンの日本化」論争勃発 デフレに突入する欧州経済~北欧・福祉社会の光と影(45):JBpress(日本ビジネスプレス)
米プリンストン大学の経済学教授で、2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏の「日本化するスウェーデン」と題するコラムが、4月20日付ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された*1。 この内容を非常に大ざっぱに言うと、「3年前にはグローバルな危機に対処するロールモデル、『回復のロックスター』であったスウェーデンが、その後中央銀行が早計に金融を引き締めた結果、停滞とデフレのスパイラルに巻... 続きを読む
「子供の頭がいい国」と「悪い国」の違い 生徒の成績低下が止まらないスウェーデン~北欧・福祉社会の光と影(44):JBpress(日本ビジネスプレス)
4月初めに出された学習到達度調査(PISA)のニュースは、スウェーデンの教育関係者にとっては洒落にならないほど怖い話だった。経済協力開発機構(OECD)が実施した、15歳の問題解決能力テストの国際比較ランキングで、スウェーデンの子供の成績は北欧国の間で最も低く、OECD加盟国中下から3番目という結果だ。 PISAというのは「Programme for International Student A... 続きを読む
増え続ける物乞い、混迷する世論 路上の少年を買う男~北欧・福祉社会の光と影(39):JBpress(日本ビジネスプレス)
今冬の欧州は、例年以上に厳しい寒波が吹き荒れている。泳いだ形のまま凍りついた魚の群れ、逃げる暇もなく氷漬けになったヘラジカやキツネなどのニュースは、日本のネット上でも話題になっているようだ*1。 寒さが厳しくなるにつれて、路上の物乞いも増えてきている。街の大通りには、紙コップを前に置いた人たちが数十メートルおきに座っている。交差点に立って見回すと、同じ位置から4~5人は目に入るようだ。 増え続ける... 続きを読む
健康な男女があえて不妊手術を受ける理由 変遷する家族・その3~北欧・福祉社会の光と影(38):JBpress(日本ビジネスプレス)
レーナが現在のパートナーであるエリックに出会って2人の関係が始まった時、彼女は自分は子供を持つことはできないということをすぐに彼に話した。 「彼は、それは私の体のことだし、私が決めたことだから、と最初から言ってくれた」と彼女は言う。 29歳女性、「自由になりたい、柔軟でいたい」 レーナは5年前、29歳の時に不妊手術を受けた。この日が来るのを何年も楽しみにしていたと言う。受けた主な理由は「自由になり... 続きを読む
「チャイルドフリー」を選択するスウェーデン人 変遷する家族・その2~北欧・福祉社会の光と影(37):JBpress(日本ビジネスプレス)
日本語教師としてスウェーデンに来た時、最初の授業で「はじめまして! 私は○○です」の自己紹介を練習し、それに続く授業で、「これは私の家族です」という自分以外を紹介する会話を導入しようとした。 私がこの時に教材として用意したダイアローグは、自身の家族をそのままモデルにしたもので、「これは私の父です。これは私の母です。これは私の弟です」という、いたってありふれた核家族を紹介するものだ。 このシンプルな... 続きを読む
「産めない」日本女性、「産まない」スウェーデン女性 変遷する家族~北欧・福祉社会の光と影(36):JBpress(日本ビジネスプレス)
近年、周囲に「子供がいない」夫婦、「子供を産まない」女性が増えたように感じる。が、日本人女性とスウェーデン人女性の大きな違いは、前者は「子供が欲しくてもできない」「条件が整わず産めない」のに対し、後者は「子供を持ちたくない積極的な理由がある」ようだ。 「なんで子供を持たないの?」という問いに対し、日本に住む友人の回答は、だいたい以下だ。 「子供なんて無理。むしろ邪魔になるし」「価値観の問題ではなく... 続きを読む
聖ルシア祭に見る移民社会の苦悩 試されるスウェーデンの寛容さ~北欧・福祉社会の光と影(35):JBpress(日本ビジネスプレス)
12月13日、旧暦の冬至に当たるこの日に、スウェーデンの伝統行事「ルシア祭」が、ほぼ全国のキリスト教会で大々的に行われる。各地の幼稚園と学校、病院や高齢者が入居する施設などでも行われている。 次女が通う幼稚園でも今年も家族が招待され、朝8時からの祝祭が行われた。 白いドレスを着た聖ルシアやトムテン(北欧風サンタクロース)、ジンジャーブレッドマンや、星を飾った円錐形の帽子をかぶって「星の少年」(st... 続きを読む
株価高騰と欧州を襲う低インフレ 「下から上へ」の富の再配分~北欧・福祉社会の光と影(34):JBpress(日本ビジネスプレス)
世界の株式市場で、記録的な株高が続いている。 先週の米株式市場では過去最高値を4営業日続けて更新し、21日にはダウ・ジョーンズ工業株30種平均は初めて終値で1万6000ドルを上回った。 日本でも、日経平均株価はここ2週間で1500円近く上昇し、日経平均を東証株価指数(TOPIX)で割ったNT倍率は、2000年のIT(情報技術)バブル期並みの高水準に達している。 ちなみに2013年世界の株価上昇率ラ... 続きを読む
米国のスパイ大作戦の波紋が深刻な欧州危機に発展 現代に復活する魔女狩り~北欧・福祉社会の光と影(33):JBpress(日本ビジネスプレス)
米国国家安全保障局(NSA)元職員のエドワード・スノーデン氏が6月に米国の諜報機関が実行している監視・盗聴プログラムを明らかにした時のこと。 当初は米国を「警察国家」と書き、スノーデン氏を「勇気ある告発者」と英雄視した欧州メディアは、数日後に突如として彼を「国家機密を白日の下にさらした犯罪者」として論調を一転させた。 これについては以前にも書いた(2013年6月25日付「米国の『スパイ大作戦』が欧... 続きを読む
福祉国家は死んだのか 壊れていく欧州~北欧・福祉社会の光と影(32):JBpress(日本ビジネスプレス)
オランダのウィレム・アレクサンダー国王は先月17日、2014年の政府予算案提出に伴って議会で演説し、「20世紀型の福祉国家は終焉し、『参加型社会』へ変遷している」と話した。演説の草稿は内閣が作成しており、この内容は国家施策の政府方針を直接国民に通達するものとなっている。 国王が言う、つまりオランダ政府が目指す「参加型社会」とは、国家の財政難により労働市場対策や公共サービスは賄えないので、国民は自助... 続きを読む
エッチなマンガは児童ポルノか 空想と現実の狭間~北欧・福祉社会の光と影(28):JBpress(日本ビジネスプレス)
スウェーデンをはじめ欧州、そして世界では、特に2000年初頭から「ドラゴンボール」「ナルト」「ワンピース」をはじめとする日本のマンガが大きなブームとなっている。 スウェーデンの高校で日本語を教えているが、最近の生徒は日本製のアニメやゲームなどで驚くほど多くの単語を学んでいる。 彼らの、どちらかと言うと逸脱したスラングだらけの日本語の知識と、「です・ます」体で書かれた一般的な教科書とのギャップを説明... 続きを読む
スウェーデン、シリアからの全難民受け入れを宣言 シリア危機を巡り揺れる欧州~北欧・福祉社会の光と影(26)
オバマ大統領はG20首脳会議の前にスウェーデンを訪問した(写真右はスウェーデンのフレドリック・ラインフェルト首相)〔AFPBB News〕 先日書いたが、先週9月5~6日にロシア・サンクトペテルブルクで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議の前にバラク・オバマ米大統領がスウェーデンを訪問した。 到着後、スウェーデンのフレドリック・ラインフェルト首相と会談した大統領は、さっそくシリアへの軍事行... 続きを読む
人身売買増加の裏に東欧「解放」後の悲劇 ルーマニアとブルガリアのケース~北欧・福祉社会の光と影(21)
今年に入ってから、スウェーデンの路上では、物乞いをする人の数が急激に増えたということは何回か書いた。そしてその大多数はルーマニアとブルガリアから来ている。 「人身売買」についても先日触れたが、路上に立って売春することを強制されている女性たちも、その女性たちを脅迫して売春を強要し、莫大な利益を上げている暴力手配師らも、スウェーデン内で発見され検挙されているのは、ほとんどがその2国からだ。 両国は20... 続きを読む
SNSで高校生の性生活「暴露」、裁判の末に・・・ 「サセ子ちゃんは誰?」の代償~北欧・福祉社会の光と影(16)
すべての発端はインスタグラム上に作られた1つのアカウントだった〔AFPBB News〕 6月25日、スウェーデンで「インスタグラム裁判」と呼ばれる裁判の判決が出された。 「インスタグラム(Instagram)」というのは、 「iPhone(アイフォーン)」や「Android(アンドロイド)」端末で写真を撮影し、広く共有できるスマートフォンアプリだ。写真に特化したSNSで、無料でダウンロードできる。... 続きを読む
米国の「スパイ大作戦」が欧州に与えた衝撃 メディア報道に感じる不安~北欧・福祉社会の光と影(15)
米政府当局が「PRISM(プリズム)」というシステムを運用して、市民の通話記録やメール通信などの大量のデータを収集・監視していることが明らかになって以来、欧米のニュースサイトやソーシャルメディアでは数週間に渡ってその話題が大きく報じられている。 連日紙面に登場するエドワード・スノーデン氏〔AFPBB News〕 この米国のスパイ活動を暴露した米政府機関の元職員エドワード・スノーデン氏の写真が連日ど... 続きを読む
スウェーデン暴動の根底にあるもの(上) 移民統合政策は失敗したのか?~北欧・福祉社会の光と影(13)
5月下旬の暴動はスウェーデン全土を大きく揺るがした〔AFPBB News〕 5月19日にストックホルム郊外で発生した暴動は、1週間ほどかかってひとまず沈静化した。 だが、車両約150台が放火され、数十人が逮捕され、警察署やスーパーなどの窓ガラスが割られ、ドアが破壊されるなどにより、ストックホルムでの被害額は1000万クローナ(約1億5000万円)に上った。この数字には、他県から派遣された応援隊のコ... 続きを読む
カネで取引される「結婚」 権利求めて入国希望者が殺到~北欧・福祉社会の光と影(11)
筆者宅付近の満開の桜 右下はイスラムの衣装をまとった女性と子供 スウェーデンは今、桜前線が北上中だ。 暖かくなってきたので、近ごろ急増している路傍の物乞いの人たちも、いくらかはしのぎやすいだろうと思う。と言っても、スウェーデンは南北に細長いので、北に春が届くのはまだ数週間先だろうか。 北部スウェーデンでは、この数週間、難民という地位の認定を求めてハンストを続ける入国者たちがいる。今回は様々な理由か... 続きを読む
貧困というサイレント・ツナミ 現実味を増すEU崩壊~北欧・福祉社会の光と影(10)
スウェーデンのメーデーの様子 5月1日、市内の広場で開催されたメーデーの集会に、子供たちと出かけた。 「労働者の祭典」と言うだけあって広場は多くの人でにぎわい、アメや風船を子供に配る人、マイクでがなり立てる人、ビラを配って歩く人、袋や箱を持って寄付を募る人、さらには大道芸人も登場し、やはりお祭り的な雰囲気だ。 小都市なので、かなりの確率で知り合いに出くわすし、初夏の日差しの中で立ち話をしたり、その... 続きを読む
崩壊するスウェーデンの学校制度(下) 教育が差別と分断を招くのか~北欧・福祉社会の光と影(9)
現在のスウェーデンの教育は、ほとんど崩壊寸前だ。この状況をもたらしたとしてやり玉に上がっているのが、1990年代に行われた2つの大きな教育改革だ。 1つは「教育の地方分権化」。それまで教育は、国家による強力な中央計画の下で行われていた。この中央集権化されていた教育計画を大きく転換し、公立学校を運営する地方自治体や、個々の私立学校に経済・社会的責任を置く「地方分権改革」が行われた。 もう1つは「フリ... 続きを読む
崩壊するスウェーデンの学校制度(上) 教育が差別と分断を招くのか~北欧・福祉社会の光と影(8)
スウェーデンの学校が崩壊の危機に立っている。国の教育制度が前例のない批判の嵐を受けている。国際的な比較においても、スウェーデン生徒の学力の低下は著しい。 3月の終わりに、「学校の運営と管理責任を地方自治体から国家管理へ戻すことを要求する請願書」が提出され、それに続いて全国紙ダーゲンス・ニーへテルが「教員の月給を1万クローナ(約15万円)引き上げよ」と題する記事を掲載した。この記事は4月21日現在、... 続きを読む
移民大国スウェーデンの「移民狩り」 1通の公開書簡に国中が共感~北欧・福祉社会の光と影(7)
後に夫となるスウェーデン人男性と出会ったのは、ロンドンでジャーナリズムの学校に行っている時だ。2人で日本に行ったりした後、スウェーデンに住むことにし、南端のマルメにアパートを借りた。マルメ・コミューンはスウェーデン国内でも一番外国人が多い地域で、住民の3分の1は外国で生まれており、10%は両親の少なくとも一方が外国出自だ。 アパートの部屋を探している時、不動産の担当者が「ローゼンゴードがいいのじゃ... 続きを読む