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人気順 5 users 10 users 100 users 500 users 1000 users「スウェーデンの日本化」論争勃発 デフレに突入する欧州経済~北欧・福祉社会の光と影(45):JBpress(日本ビジネスプレス)
米プリンストン大学の経済学教授で、2008年にノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマン氏の「日本化するスウェーデン」と題するコラムが、4月20日付ニューヨーク・タイムズ紙に掲載された*1。 この内容を非常に大ざっぱに言うと、「3年前にはグローバルな危機に対処するロールモデル、『回復のロックスター』であったスウェーデンが、その後中央銀行が早計に金融を引き締めた結果、停滞とデフレのスパイラルに巻... 続きを読む
「子供の頭がいい国」と「悪い国」の違い 生徒の成績低下が止まらないスウェーデン~北欧・福祉社会の光と影(44):JBpress(日本ビジネスプレス)
4月初めに出された学習到達度調査(PISA)のニュースは、スウェーデンの教育関係者にとっては洒落にならないほど怖い話だった。経済協力開発機構(OECD)が実施した、15歳の問題解決能力テストの国際比較ランキングで、スウェーデンの子供の成績は北欧国の間で最も低く、OECD加盟国中下から3番目という結果だ。 PISAというのは「Programme for International Student A... 続きを読む
健康な男女があえて不妊手術を受ける理由 変遷する家族・その3~北欧・福祉社会の光と影(38):JBpress(日本ビジネスプレス)
レーナが現在のパートナーであるエリックに出会って2人の関係が始まった時、彼女は自分は子供を持つことはできないということをすぐに彼に話した。 「彼は、それは私の体のことだし、私が決めたことだから、と最初から言ってくれた」と彼女は言う。 29歳女性、「自由になりたい、柔軟でいたい」 レーナは5年前、29歳の時に不妊手術を受けた。この日が来るのを何年も楽しみにしていたと言う。受けた主な理由は「自由になり... 続きを読む
「産めない」日本女性、「産まない」スウェーデン女性 変遷する家族~北欧・福祉社会の光と影(36):JBpress(日本ビジネスプレス)
近年、周囲に「子供がいない」夫婦、「子供を産まない」女性が増えたように感じる。が、日本人女性とスウェーデン人女性の大きな違いは、前者は「子供が欲しくてもできない」「条件が整わず産めない」のに対し、後者は「子供を持ちたくない積極的な理由がある」ようだ。 「なんで子供を持たないの?」という問いに対し、日本に住む友人の回答は、だいたい以下だ。 「子供なんて無理。むしろ邪魔になるし」「価値観の問題ではなく... 続きを読む
福祉国家は死んだのか 壊れていく欧州~北欧・福祉社会の光と影(32):JBpress(日本ビジネスプレス)
オランダのウィレム・アレクサンダー国王は先月17日、2014年の政府予算案提出に伴って議会で演説し、「20世紀型の福祉国家は終焉し、『参加型社会』へ変遷している」と話した。演説の草稿は内閣が作成しており、この内容は国家施策の政府方針を直接国民に通達するものとなっている。 国王が言う、つまりオランダ政府が目指す「参加型社会」とは、国家の財政難により労働市場対策や公共サービスは賄えないので、国民は自助... 続きを読む
エッチなマンガは児童ポルノか 空想と現実の狭間~北欧・福祉社会の光と影(28):JBpress(日本ビジネスプレス)
スウェーデンをはじめ欧州、そして世界では、特に2000年初頭から「ドラゴンボール」「ナルト」「ワンピース」をはじめとする日本のマンガが大きなブームとなっている。 スウェーデンの高校で日本語を教えているが、最近の生徒は日本製のアニメやゲームなどで驚くほど多くの単語を学んでいる。 彼らの、どちらかと言うと逸脱したスラングだらけの日本語の知識と、「です・ます」体で書かれた一般的な教科書とのギャップを説明... 続きを読む
人身売買増加の裏に東欧「解放」後の悲劇 ルーマニアとブルガリアのケース~北欧・福祉社会の光と影(21)
今年に入ってから、スウェーデンの路上では、物乞いをする人の数が急激に増えたということは何回か書いた。そしてその大多数はルーマニアとブルガリアから来ている。 「人身売買」についても先日触れたが、路上に立って売春することを強制されている女性たちも、その女性たちを脅迫して売春を強要し、莫大な利益を上げている暴力手配師らも、スウェーデン内で発見され検挙されているのは、ほとんどがその2国からだ。 両国は20... 続きを読む
SNSで高校生の性生活「暴露」、裁判の末に・・・ 「サセ子ちゃんは誰?」の代償~北欧・福祉社会の光と影(16)
すべての発端はインスタグラム上に作られた1つのアカウントだった〔AFPBB News〕 6月25日、スウェーデンで「インスタグラム裁判」と呼ばれる裁判の判決が出された。 「インスタグラム(Instagram)」というのは、 「iPhone(アイフォーン)」や「Android(アンドロイド)」端末で写真を撮影し、広く共有できるスマートフォンアプリだ。写真に特化したSNSで、無料でダウンロードできる。... 続きを読む
スウェーデン暴動の根底にあるもの(上) 移民統合政策は失敗したのか?~北欧・福祉社会の光と影(13)
5月下旬の暴動はスウェーデン全土を大きく揺るがした〔AFPBB News〕 5月19日にストックホルム郊外で発生した暴動は、1週間ほどかかってひとまず沈静化した。 だが、車両約150台が放火され、数十人が逮捕され、警察署やスーパーなどの窓ガラスが割られ、ドアが破壊されるなどにより、ストックホルムでの被害額は1000万クローナ(約1億5000万円)に上った。この数字には、他県から派遣された応援隊のコ... 続きを読む
貧困というサイレント・ツナミ 現実味を増すEU崩壊~北欧・福祉社会の光と影(10)
スウェーデンのメーデーの様子 5月1日、市内の広場で開催されたメーデーの集会に、子供たちと出かけた。 「労働者の祭典」と言うだけあって広場は多くの人でにぎわい、アメや風船を子供に配る人、マイクでがなり立てる人、ビラを配って歩く人、袋や箱を持って寄付を募る人、さらには大道芸人も登場し、やはりお祭り的な雰囲気だ。 小都市なので、かなりの確率で知り合いに出くわすし、初夏の日差しの中で立ち話をしたり、その... 続きを読む
崩壊するスウェーデンの学校制度(下) 教育が差別と分断を招くのか~北欧・福祉社会の光と影(9)
現在のスウェーデンの教育は、ほとんど崩壊寸前だ。この状況をもたらしたとしてやり玉に上がっているのが、1990年代に行われた2つの大きな教育改革だ。 1つは「教育の地方分権化」。それまで教育は、国家による強力な中央計画の下で行われていた。この中央集権化されていた教育計画を大きく転換し、公立学校を運営する地方自治体や、個々の私立学校に経済・社会的責任を置く「地方分権改革」が行われた。 もう1つは「フリ... 続きを読む
崩壊するスウェーデンの学校制度(上) 教育が差別と分断を招くのか~北欧・福祉社会の光と影(8)
スウェーデンの学校が崩壊の危機に立っている。国の教育制度が前例のない批判の嵐を受けている。国際的な比較においても、スウェーデン生徒の学力の低下は著しい。 3月の終わりに、「学校の運営と管理責任を地方自治体から国家管理へ戻すことを要求する請願書」が提出され、それに続いて全国紙ダーゲンス・ニーへテルが「教員の月給を1万クローナ(約15万円)引き上げよ」と題する記事を掲載した。この記事は4月21日現在、... 続きを読む
移民大国スウェーデンの「移民狩り」 1通の公開書簡に国中が共感~北欧・福祉社会の光と影(7)
後に夫となるスウェーデン人男性と出会ったのは、ロンドンでジャーナリズムの学校に行っている時だ。2人で日本に行ったりした後、スウェーデンに住むことにし、南端のマルメにアパートを借りた。マルメ・コミューンはスウェーデン国内でも一番外国人が多い地域で、住民の3分の1は外国で生まれており、10%は両親の少なくとも一方が外国出自だ。 アパートの部屋を探している時、不動産の担当者が「ローゼンゴードがいいのじゃ... 続きを読む
激増する移民、路上にあふれる物乞い 組織的な人身売買か~北欧・福祉社会の光と影(1)
最近は比較的小さな都市でも物乞いが目立つようになった(写真は断りのない限り筆者撮影) 欧州では、路上で物乞いをする移民が増え続けている。各メディアが「ツナミのように押し寄せる移民」だの「エスカレートする侵略」だのと書きたてるほどだ。 北欧でも、これまでストックホルムやコペンハーゲン、オスロなど首都圏付近の大都市でしか見られなかった物乞いが、最近はより規模の小さい都市でも目につくようになった。 ほん... 続きを読む