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人気順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 users植田和男って誰ですか、という方に - シェイブテイル日記2
今日令和5年2月10日に新日銀総裁として植田和男氏が指名されたようです。 私シェイブテイルもこの方については詳しくは存じ上げないのですが、以前この先生が書かれた日経新聞「経済教室」の記事を読んだことがありました。 その記事を引用しながら少々コメントを追加してみたいと思います。 ハイライトはシェイブテイル... 続きを読む
説明的MMTと規範的MMT - シェイブテイル日記2
ランダルレイ「MMT現代貨幣理論入門」にはいろいろと少々聞き慣れない用語もでてきますが、「説明的」と「規範的」という用語もそれにあたるでしょう。 「説明的」、あるいは「記述的」(descriptive)とは、現実を観察して「こうである」と客観分析すること。一方の「規範的」(prescriptive)とは、いわば「こうあるべき... 続きを読む
安倍総理の「MMTの論理、実行しているわけではない」は本当か - シェイブテイル日記2
去る4月4日の参議院決算委員会で、西田昌司委員からMMT(現代金融理論)について問われた安倍首相らは次のように答弁しました。 jp.reuters.com このロイターの記事では、委員会の席上西田昌司氏がMMTの根幹について平易に解説した部分はカットされていますので、この部分から書き起こしてみます。 www.youtube.com (... 続きを読む
日本は世界一GDPシェアが減少しているがそれは人口減少とは無関係 - シェイブテイル日記
蓮舫氏が辞めた後の民進党代表選挙に枝野氏と前原氏が立候補していますが、その枝野氏の打ち出す経済政策の背景には「人口減少など社会成熟化による需要そのものの減少」があるそうです。 *1 確かに日本は2008年をピークに人口減少に転じました。 ただ、世界を見渡せば、ロシアやポーランドなど他にも人口減少国はあります。 そこで日本やこれらの人口減少国を含めて世界経済での各国シェアの変動を調べてみました。 ... 続きを読む
アベノミクスの本質とは何か - シェイブテイル日記
無茶苦茶ご無沙汰しています。 個人的に色々と忙しいことと、アベノミクスへの期待が失望に変わっていったことからブログの更新を怠っておりました。 さて、久々にブログを更新しようと思ったのは、アベノミクスの現状を端的に示す2枚のグラフをお見せしたかったからです。 言うまでもなく、アベノミクスとは(1)大胆な金融政策 (金融緩和)、(2)機動的な財政政策 (財政出動)、(3)民間投資を喚起する成長戦略 の... 続きを読む
英国の経済格差は日本よりどれだけ酷いか調べてみた - シェイブテイル日記
先週末のイギリスのEU離脱決定は今も世界経済に影を落としたままです。 イギリスでは、エリート社会と低所得者社会がもともと分断されているところに、この投票結果はさらに分断を強める結果になるだろうと報じられています。 そうすると、近年移民流入が続く英国の格差社会はかつての格差を超えて、さぞ酷いことになっているのだろうと思い、ピケティの所得データベースを使って実際のところを調べてみました。(図表1) ... 続きを読む
やはり、大昔物々交換などなかった - シェイブテイル日記
経済学の教科書のはじめの方に登場する物々交換ですが、フェリックス・マーティン著「21世紀の貨幣論」には物々交換が人類学などから疑問を呈されているという話を以前書きました。 大昔、物々交換などなかった - シェイブテイル日記 今年4月に出版されたカビール・セガール著「貨幣の新世界史」でも、少し違う切り口から大昔には物々交換などなく、貨幣の起源は債務にある、という説を紹介しています。 以下は貨幣の新世... 続きを読む
IMF自身は緊縮財政の痛みを知っている - シェイブテイル日記
IMFの副専務理事が、日本の消費税10%への引き上げは確実に実施すべきと語っているようです。国際通貨基金(IMF)の古沢満宏副専務理事は11日、ペルーのリマでロイターの取材に応じた。2017年4月に予定されている消費税10%への引き上げは確実に実施すべきとし、再延期や中止の判断を下せば、長期的な日本の財政に対する信認が損なわれる可能性があるとの見方を示した。 古沢氏は消費税の再増税について、リーマ... 続きを読む
国債は家計の預金量とは無関係に発行可能 - シェイブテイル日記
報道によれば、6月末の家計金融資産、前年比4.4%増の1717兆円に達したとのことです。 日銀が17日発表した2015年4〜6月期の資金循環統計(速報)によると、家計が保有する金融資産の残高は、6月末時点で前年比4.4%増の1717兆円だった。3月末時点の1700兆円を上回り、過去最高となった。民間企業が保有する金融資産のうち、現金・預金の残高は6.6%増の243兆円だった。 6月末で日銀が保有... 続きを読む
デフレ日本で通貨発行益は財政再建の鍵 - シェイブテイル日記
今日8月31日のの日経朝刊「経済教室」に法政大学教授・小黒一正氏の「政府・日銀の通貨発行益 財政再建に活用は困難 」という記事が載っていました。 小黒氏の主張を簡単に言えば、 通貨発行益を財政再建に使った場合、 ○資金供給量の増分はやがて「出口」で減少せざるを得ない ○通貨発行益で仮に高インフレとなれば大きな国民負担 そのため、通貨発行益を財政再建に使おうとしても困難 というものです。 今日はこの... 続きを読む
IMF 異次元緩和の限界を示唆 - シェイブテイル日記
今日の日経夕刊には、IMF研究者の見解として、日銀の異次元緩和が2017、18年にも限界が訪れるという予測が載っています。 日銀の異次元緩和に対する問題点が指摘され始めた。 国際通貨基金(IMF)は3日発表した個人名義の論文で異次元緩和の技術的な限界を指摘。「現状の国債買い入れは2017〜18年に限界が来る」との見方を示した。日銀による大量の国債買い入れによって市場のゆがみが増し、日銀内でも異次... 続きを読む
アベノミクスで物価を上げる原動力は何か - シェイブテイル日記
リフレ派の理論的支柱、岩田規久男氏は、単純な貨幣数量説ではなく、株価上昇などを介した複雑なルートで物価はあがると説明していますが、量的質的緩和が始まって2年以上経った今でも、物価上昇のルートが明示的に解明されたと考える向きは少ないかもしれません。*1 とはいえ、最近公表された品目別東大月次物価指数によれば、アベノミクス開始以来殆ど初めてこの物価指数がプラスに転じたようです。 東大月次物価指数は5月... 続きを読む
経済学者にとって不都合な日本経済の真実 - シェイブテイル日記
殆ど全ての学問なら、余程の激変が直後にない限り、専門領域での10数年後の姿が皆目わからないということはないでしょう。 天文学なら皆既日食は秒単位でも正確に予測できますし、心理学などの社会科学でも10年後の人々の心理が予想もつかないなどということはありません。 ところが、経済学ではそうでもないようです。 もう一昔前になりますが、2003年に8人の経済学者らが、近い将来日本経済は破綻するとして提言を... 続きを読む
貨幣の中立性なんて一体いつなりたつの? - シェイブテイル日記
ここ数日来、主流派経済学の「大学院生」さんという方とシェイブテイルら経済人−経済に関心を持つ人々位の意味ですが−との間でディスカッションしています。 大学院生さんと我々経済人との間では、貨幣とは何か話はどうしても咬み合わない面があるのですが、大学院生さんは、貨幣の中立性について、貨幣の中立性原理の主張によると,貨幣量の変化は名目変数にのみ影響を与え,実質変数には影響を与えない.ほとんどの経済学者は... 続きを読む
マスコミさん、なんで今日は円が買われているの? - シェイブテイル日記
今日はギリシャ危機に加え、中国株の大幅下落、ほぼバブル崩壊といって良い外部環境から円が主要通貨全てに対して買われています。 多くのマスコミは、こうしたリスクオフ局面での円買いについて単に「比較的安全といわれる通貨円が買われています。」と説明します。 ただ、よく考えてみると、この説明は不十分としか思えないものです。 日銀券は主に政府が発行する日本国債を裏付けとして発行されています。 昔の兌換券は政府... 続きを読む
ギリシャ債務問題にみる日経新聞の読み方 - シェイブテイル日記
現在ギリシャ債務問題が進行しています。 ギリシャ側、EUトロイカ側の主張の隔たりはそれぞれの国民の主張の隔たりでもあり、ただでは済みそうにありません。 Twitterなどをみると、「借りたものを返さないギリシャが悪い」という声が多いようですが、海外の経済学者では意外にギリシャの肩を持つ声が多いようです。ギリシャ国民投票:6人の経済学者たちは「賛成」か「反対」か(ブレイディみかこ) - 個人 - Y... 続きを読む
日銀緩和と農水天下り団体の力比べ? - シェイブテイル日記
今日の市場は、黒田東彦日銀総裁の衆議院財務金融委員会での「さらなる円安はありそうにない」との発言を受け、円高株安の黒田逆バズーカショックに見舞われました。 今のところ黒田総裁の発言の真意は分かりませんが、一部では金融緩和による円安政策を米国が嫌っていて、その意を受けた発言という解釈や、最近の物価上昇傾向を踏まえて、出口戦略を意識したものという解釈もなされているようです。 確かに速報性の高い東大日次... 続きを読む
免税すれば外国人でなくとも消費は増える - シェイブテイル日記
安倍首相は6月5日、マスコミの扱いはベタ記事に近かったですが、日本経済再浮上の鍵となる重要な発表をしました。安倍晋三首相は5日の観光立国推進閣僚会議で、訪日外国人客による旅行消費額を年間4兆円に倍増させる新たな目標を表明した。訪日客の増加を地域活性化につなげるため、地方部にある免税店も2020年に2万店規模に増やすとした。会議ではこれらの新目標を盛り込んだ改定行動計画を決定。「日本経済をけん引する... 続きを読む
ギリシャ危機と緊縮ポピュリズム - シェイブテイル日記
ギリシャが今日期限を迎えるIMFへの債務返済を履行するかどうかについて報道が錯綜しています。 ・IMF「ユーロ離脱の可能性も」 ギリシャけん制 ラガルド専務理事 5月28日 独紙フランクフルター・アルゲマイネ電子版)インタビュー ・Greece delays 5 June IMF debt payment BBC NEWS 4 June 2015 ・ギリシャ、IMFにきょう返済へ 42... 続きを読む
桶屋が儲からないのは風が吹いていないからか - シェイブテイル日記
まず最初に、金融政策一本槍リフレ派の方にお詫びしなければいけないことがあります。 前回書いたリフレ派の皆さんは、最近お元気でしょうか。 - シェイブテイル日記 で、 「インフレターゲット下の金融政策だけでデフレ脱却できる」の対偶は「デフレ脱却できなければインフレターゲット下の金融政策だけではデフレ脱却は無理」、ではないですね。仰るとおりです。 「風が吹けば桶屋が儲かる」の対偶は「桶屋が儲からない... 続きを読む
リフレ派の皆さんは、最近お元気でしょうか。 - シェイブテイル日記
リフレ派の皆さんは、最近お元気でしょうか。 増税を平気で口にする御大浜田先生に驚き呆れ、リフレ派を離脱してはいますが、当然今もデフレ脱却は現在の日本に必須という部分を共有している私シェイブテイルは元気にしております。 「インフレターゲット下金融緩和さえすれば、デフレは脱却できる」 黒田総裁自身はご自身をリフレ派とは規定していないようですが、黒田総裁が、正にこの主張を2年間という期限までつけてCPI... 続きを読む
日本ではピケティでr>gより大事なこと - シェイブテイル日記
ピケティの本の話題は多少下火になってきましたが、ピケティが編者となって今も構築が続いている世界各国の所得の詳細がわかるデータベース、The World Top Incomes Database があることをご存知でしょうか。 そのデータベースから、世界主要国での上位10%、下位90%の所得の変化をみるといくつも興味深い知見を得ることができます。 まず私達の多くが属する下位90%(つまり普通の成人)... 続きを読む
税収弾性値が1.1に見える人っていますか - シェイブテイル日記
日本の名目GDPはリーマン・ショック後の2009年度を底に反転し、昨今のアベノミクスにより5年連続で増加しました。 昨日の日経新聞では、国の税収が想定外に上振れしたことが報じられています。景気回復などで法人税や消費税といった国の税収が大幅に増えている。財務省が28日に発表した2014年4月〜15年3月の税収実績は前年同期比12.3%増と高い伸びになった。15年5月分までを足し込む14年度全体の税... 続きを読む
米国は苛立ってますよ、安倍首相 - シェイブテイル日記
これまでアベノミクスを歓迎していた米国ですが、かなり風向きが変わってきたようです。 米財務省は9日公表した半期為替報告書で、欧州と日本は景気を刺激する上で金融政策に過剰依存していると批判し、他の政策手段を利用しなければ、すでに悲観的な世界経済の見通しはさらに悪化する恐れがあるとの懸念を表明した。 財務省は中国と韓国についても、為替政策が米国など貿易相手国の痛手になっているとして非難した。ただ、い... 続きを読む
中央銀行が債務超過に陥ればどうなるのか - シェイブテイル日記
先進国で中央銀行の資産が毀損して債務超過になれば、貨幣価値はどうなるのでしょうか。 最近、この疑問に対する答えが出ている国があります。 その国とはスイスです。 スイスでは今年1月15日にスイスフラン高対策として2011年以来設定してきた対ユーロ・スイスフランの上限目標1.2を突然撤廃しました。 そのためスイスフランはユーロ、その他の通貨に対して暴騰したのは記憶に新しいところです。 問題は、スイスの... 続きを読む