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人気順 5 users 50 users 100 users 500 users 1000 users「日銀国債引受け無効論」に欠落した視点 - シェイブテイル日記
国債を日銀が引き受けても財源とはならないという議論があります。 ところがこの議論、重要な視点が欠落しているようです。 国債を日銀が引き受けても財源とはならない、という考え方はそう突飛な考え方ではなく、池尾和人・慶応大学教授や岩本康志・東大院教授らもそうした主張をしています。*1 国債日銀引受け無効論を簡単に言えば、「なるほどデフレを脱却するときには日銀が国債を引き受けて一見財源が生じたかに見える。... 続きを読む
ざんげしろと言われても困ります - 岩本康志のブログ - Yahoo!ブログ
6月7日の『毎日新聞』夕刊掲載の浜田宏一エール大学名誉教授のインタビューが同紙のWebサイトで読める。その末尾(http://mainichi.jp/feature/news/20130607dde012020005000c4.html )で,記者の「壮大な実験と言えるアベノミクスが失敗に終わったら、どうしますか。」という質問に対し,浜田教授は「学者としての責任の取り方、それは公の場で自分の考えの... 続きを読む
「2%物価目標のために政府がまず責任を果たす」と政府と日銀が共同声明 - 岩本康志のブログ - Yahoo!ブログ
1月22日の金融政策決定会合の公表文「『物価安定の目標』と『期限を定めない資産買入れ方式』の導入について」(http://www.boj.or.jp/announcements/release_2013/k130122a.pdf )をよく読むと,そうなる。 公表文では,昨年2月に導入された「中長期的な物価安定の目途」である消費者物価の前年比上昇率1%から「物価安定の目標」(持続可能な物価の安定と整... 続きを読む
なぜいま量的緩和は制限されているのか - 岩本康志のブログ - Yahoo!ブログ
11月には安倍晋三自民党総裁がインフレ目標2%を達成するまで無制限な金融緩和をすべきと繰り返し発言することで,金融政策が総選挙の大きな争点となった。「無制限」には批判があって「大胆な」に言い換えられたが,目標に達成するまで大胆な金融緩和を続けるのであれば,事実上無制限である(目標に到達しても大胆な金融緩和を継続するとインフレが過熱するから,そこで金融緩和が制限されることを今の文脈で言及する必要もな... 続きを読む
建設国債の日銀引き受けが禁止されている理由 - 岩本康志のブログ - Yahoo!ブログ
「日銀の国債引き受け禁止は財政規律である」(http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/37688153.html )で紹介した安倍総裁の発言は,建設国債の日銀引き受けではなく,買いオペを意味することだという説明があったので,日銀引き受けの騒動はひとまず収拾したようだ。 騒動の背景を理解するために,なぜ,財政法第5条の運用で借換債の日銀引き受けが許容されて,建設... 続きを読む
日銀とFRBの「インフレ目標」を比較する(その2) - 岩本康志のブログ - Yahoo!ブログ
日本銀行が14日に導入した「中長期の物価安定の目途」についてのコメントである。 「日銀とFRBの『インフレ目標』を比較する(その1)」(http://blogs.yahoo.co.jp/iwamotoseminar/36800762.html )で整理した事実関係を再掲すると,日米の違いは, (1)【同】 法律で中央銀行に与えられた責務を,物価上昇率の具体的な数値で表現。 (2)【違】→【同】 米... 続きを読む
日銀とFRBの「インフレ目標」を比較する(その1) - 岩本康志のブログ - Yahoo!ブログ
日本銀行が14日に導入した「中長期の物価安定の目途」で何が変わったのかを整理しよう。今回の政策変更へのコメントも準備しているが,事実関係の整理だけで分量が多くなったので,その部分だけを(その1)として掲載する。 1月25日の米連邦準備制度理事会(FRB)の発表をめぐって「インフレ目標」の議論がひとしきり起こったこともあり,最初に14日以前に日銀とFRBの何が違っていたかを比較してみる。 日銀が「中... 続きを読む
「バーナンキの背理法」のなかで政府は何をしているのか - 岩本康志のブログ - Yahoo!ブログ
「バーナンキの背理法」の原典は,バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長がプリンストン大学教授時代の2001年の論文のつぎの一節に現れたものだ。 「貨幣は他の政府債務と異なり,利子を払わず,満期日もこない。金融当局は好きなだけ貨幣を発行できる。したがって,もし価格水準が本当に貨幣の発行量に依存しないならば,金融当局は自らの発行した貨幣を使って無限の財や資産を獲得できることになる。これは均衡にお... 続きを読む
ヘリコプター・ドロップ政策 - 岩本康志のブログ - Yahoo!ブログ
日本のデフレ脱却策としてヘリコプター・ドロップ政策を提唱したものとして有名なのは,バーナンキ米連邦準備制度理事会議長の2003年の講演「Some Thoughts on Monetary Policy in Japan」(http://www.federalreserve.gov/boarddocs/speeches/2003/20030531/default.htm )である。彼の提案は,政府が... 続きを読む
誰が中部電力を所有しているか - 岩本康志のブログ - Yahoo!ブログ
政府と民間企業の間には一線が引かれる。政府は何らかの政策目的がもって民間企業の活動に介入することがあるが,そこには一定のルールがある。菅首相が中部電力へ浜岡原発の停止を要請したことは,そのルールを逸脱している。 国は安全基準に則って危険だと判断すれば,浜岡原発の停止を命令することができる(注1)。停止命令が出ていないときに運転するか停止するかは,中部電力の判断である。その判断をできる者が,中部電力... 続きを読む
復興国債の日銀引き受けはそもそも財源か? - 岩本康志のブログ - Yahoo!ブログ
復興国債の日銀引き受けが最近取り沙汰されていたが,ゼロ金利で貨幣量が増えている現在の環境のもとで国債の日銀引き受けから財源を得ようとすると,かりに国債と通貨の信認が揺らがないとしても,制御できないインフレが生じるだろう(注1)。これに対する「インフレが過熱するなら金融を引き締めればいい」という反論は,財源を得るということはそれが不可能であるという事実に気づいていない。貨幣を増やしたままにしないと財... 続きを読む
貨幣数量説と流動性の罠 - 岩本康志のブログ - Yahoo!ブログ
quantity theory of moneyは直訳すれば貨幣数量理論だが,貨幣数量説と訳されている。これは,貨幣量が物価を決定することを主張する理論である。貨幣M,物価P,実質所得Yとして,これらに MV=PY という関係を考える。この恒等式で定義されるVは貨幣の(所得)流通速度と呼ばれる。 Vが一定であると考えるのが貨幣数量説である。すると,貨幣と名目所得は比例関係にある。実質経済成長を考え... 続きを読む
「インフレ目標」をめぐるネット議論の陥穽 - 岩本康志のブログ
ネット上では,「インフレ目標」は「熱い」話題になる傾向があって,うかつに近寄りがたい。また,専門家が議論していることから大きく外れた議論がまかり通っていることも気になる。きちんと議論している人もいるのだが,玉石混交の状態だ。どのように情報を取捨選択するのかが大事である。 専門的な議論を一般の人にもわかりやすく伝えようとする際には,難しいところをやさしくしようといろいろ工夫するのだが,場合によっては... 続きを読む