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人気順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 usersThe Red Diptych イーストウッドの新作『ジャージー・ボーイズ』が素晴らしすぎて腰が抜けそうです
ネタバレを過剰に気にしすぎることの弊害について - The Red Diptych
ここのところ数年、個人的に非常に違和感を感じているのが、いわゆる「ネタバレ」が現在の日本であまりにも過敏に扱われすぎているように思えることだ。 自分の記憶の中から思い起こす限りでも、一昔前にはここまで神経質に扱われるものではなかった気がする。確かに、ミステリの犯人とか、結末近くにどんでん返しがあるようなタイプの作品のネタを割ることは、マナー違反とされてはいた。しかし、それ以外の、秘密や謎が軸になる... 続きを読む
『ドン・キホーテ』に関する覚え書き - The Red Diptych
おそらく、『ドン・キホーテ』ほど、その主人公に対する世間一般のイメージと実像とが著しく乖離している小説は存在しないと思われる。 その主人公の名は、誰もが知っている(いや、たとえそのキャラクターは知らなくとも、少なくともその名前だけなら、誰もが知っている)。だがその実像は、ほとんど誰にも知られていないと言っても過言ではないのだ。 時代遅れの騎士道小説を読み耽ることで、幻想的な空想世界と現実との区別が... 続きを読む
國分功一郎『暇と退屈の倫理学』、「ひとりで考える」こと - The Red Diptych
國分功一郎『暇と退屈の倫理学』を読んだ。これは非常に面白く内容の詰まった書物で、充実した読書体験だったことには疑いがない。 これは褒めすぎかもしれないけれど、國分功一郎という人の哲学のもたらす影響は、ハイデガーのそれに近いものがあるのかもしれない、と思った。と言うのも、例えばフランスの若き実存主義者たちが初めてハイデガーの哲学に接した時の熱狂は、まさにこのようなものだったのではないか、と思えたから... 続きを読む
批評の必要性について - The Red Diptych
なぜ、批評は必要なのだろうか。 おそらく、日本国内の環境では、このように問うこと自体が、半ば挑発的な意味を持ってしまうだろう。そもそも、批評などというものは悪口や揚げ足取りと同義であり、悪い意味しかないと考えている人が多いのだから。 しかし、小説でも映画でも演劇でも美術でも音楽でもマンガでもなんでも、何らかの文化的・芸術的なジャンルにおいては、作品の価値判断や分析・検討において、批評は必要不可欠... 続きを読む
『グリーンランタン:シークレット・オリジン』を紹介してみる - The Red Diptych
映画版『グリーンランタン』の日本公開が近づくにつれて、関連書籍の出版が盛り上がっているようだ。何というか、レジェンド級と言っていいデニス・オニールとニール・アダムズのコンビによる『グリーンランタン/グリーンアロー』と、つい先頃いったん終了した『グリーンランタン』第4シリーズで一貫してライターを務めたジェフ・ジョーンズの作品の中では最も読みやすいであろう『シークレット・オリジン』が、よりにもよって同... 続きを読む
無知な人が知ったかぶりをすることのみじめさについて - The Red Diptych
國分功一郎の『スピノザの方法』を先日読み終えたので、この書物に関する書評の類をいろいろ読んでいたのだが、その中で、とんでもないものにぶちあたってしまった。そこで論じられている内容がどうこうという以前に、ごく単純に間違った理解に基づく記述が見られるのだ。 その書評は何かというと、『新潮』4月号に掲載されている、福嶋亮大という人が書いたものだ。「内容がどうこうという以前に」と書いたが、はっきりいって内... 続きを読む
『マトリクス』三部作はなぜ失敗したのか - The Red Diptych
シド・フィールドの有名な『スクリーン・プレイ』の邦訳が出ていたので、読んでみた。邦題は『映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと』となっている。 この書物は、ハリウッドでの脚本作成がマニュアル化していく流れに先鞭をつけたことでよく知られている。しかし、読んでいたら途中で『マトリクス』が脚本分析の対象として挙げられていたので、かなり違和感を覚えた。そこで「あとがき」などをチェックしてみたら、や... 続きを読む