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人気順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 usersGTAオンライン内で『ハムレット』を上演するとどうなる!?~ゲーム画面を用いたドキュメンタリー『グランド・セフト・ハムレット』(Grand Theft Hamlet) - Commentarius Saevus
『グランド・セフト・ハムレット』(Grand Theft Hamlet) を見てきた。これは新型コロナウイルス感染症流行によるロックダウンの際、『グランド・セフト・オート・オンライン』の中で『ハムレット』を上演しようとした人たちについてのドキュメンタリーである。終盤の数分以外、ほぼ全てがゲームを記録した映像で展開され... 続きを読む
いい加減、発達障害の人についてこういう映画を作るのはやめたほうがいいと思う~『新居浜ひかり物語 青いライオン』(試写) - Commentarius Saevus
『新居浜ひかり物語 青いライオン』を試写で見た。自閉症の画家である石村嘉成の半生を描いたものである。山陽放送が作った地元映画みたいな作品だ。 www.youtube.com とにかくダメな作品である。石村嘉成の画家活動に関するドキュメンタリーならまあいいと思うのだが、子どもの時から現在までの話が回想フィクションパ... 続きを読む
須藤にわかさんの私に対する反論記事が、映画史的に非常におかしい件について - Commentarius Saevus
先日アップされた私が『ダーティハリー』を批評したこちらの太田出版のエントリについて、須藤にわかさんという方が反論をしていました。 ohtabookstand.com note.com 簡単に説明すると、須藤にわかさんは私がアメリカンニューシネマ(1960年代末から70年代頃のハリウッド映画の新しい潮流をざっくり指す言葉)について... 続きを読む
こんなにでかいものを人を殺すためだけに…アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館 - Commentarius Saevus
アウシュヴィッツ=ビルケナウ博物館に行ってきた。3.5時間の英語のガイドツアーを予約し、途中で気分が悪くならないように朝食は少なくし、昼食も抜くという万全の準備で出向いた(以前、ベルリンのホロコーストメモリアルとロマ・シンティの弾圧祈念碑を見ただけで胃が痛くなったので、世界遺産の中で万一気分が悪くな... 続きを読む
ポールがイケメンすぎるのが悪いと思うんだ~『デューン 砂の惑星 PART2』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
『デューン 砂の惑星 PART2』を見た。当然第一部の続編である。 www.youtube.com 父親を殺されたポール(ティモシー・シャラメ)は砂漠の民フレメンのもとで修業して砂漠の民らしい戦い方を身につけ、ハルコンネン家と戦って次第に支持を広げるようになる。スティルガー(ハビエル・バルデム)をはじめとする一派はポー... 続きを読む
科学者の見る小さな世界と科学の大きな影響~『オッペンハイマー』(試写、ネタバレあり) - Commentarius Saevus
クリストファー・ノーラン監督の新作『オッペンハイマー』を見てきた。 www.youtube.com 物理学者で原爆開発の立役者のひとりであるJ・ロバート・オッペンハイマー(キリアン・マーフィ)の伝記映画だが、全人生はカバーしていない。オッペンハイマーが若手研究者として頭角を現し始めたくらいから始まり、ルイス・スト... 続きを読む
一番セックスしない奴が勝つスラッシャー映画~『首』(ネタバレ・下ネタ注意) - Commentarius Saevus
北野武監督『首』を見てきた。 www.youtube.com 織田信長(加瀬亮)の家臣たちの権力闘争を軸に本能寺の変とその後の展開を描いた時代劇である。史実に忠実かどうかはあまり考えず、家臣たちの憎々しく暑苦しい人間関係や策謀を描くことに重点を置いている(このへんちょっとコーエン兄弟の『ミラーズ・クロッシング』に... 続きを読む
不屈のデザイナーを襲う悪夢のロジスティックス地獄~『ファッション・リイマジン』(試写) - Commentarius Saevus
ベッキー・ハトナー監督『ファッション・リイマジン』を試写で見た。ファッションブランドであるマザー・オブ・パールのデザイナーであるエイミー・パウニーのサステイナブルファッションへの取り組みを追ったドキュメンタリーである。 www.youtube.com エイミーはインフラもない田舎の農場でシンプルな暮らしをむねとす... 続きを読む
ASD、ADHD、ハニーフラッシュ、運命論~『ザ・フラッシュ』(ネタバレ注意) - Commentarius Saevus
『ザ・フラッシュ』を見てきた。おそろしくメンタルが不調だと思われるエズラ・ミラーが起こした様々な治安紊乱行為のせいで公開が危ぶまれていた作品だが、とうとう公開である。 www.youtube.com フラッシュことバリー・アレン(エズラ・ミラー)は、自分が時間を遡ることができるのに気付く。これを利用し、バリーは幼... 続きを読む
優しいが易しくはない映画~『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』 - Commentarius Saevus
金子由里奈監督『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』を見てきた。同名の原作の映画化である(かなり前だが小説も読んだことがある)。 www.youtube.com 恋愛をしたい気持ちがない七森(細田佳央太)は立命館大学(と思われる)に入学し、ぬいぐるみサークルに入る。ぬいぐるみサークルはぬいぐるみを作るサークルと名乗... 続きを読む
限りある残りの人生をどう生きるか?~『長ぐつをはいたネコと9つの命』 - Commentarius Saevus
『長ぐつをはいたネコと9つの命』を見てきた。『シュレック』フランチャイズの新作で、2011年の『長ぐつをはいたネコ』の続編である。 www.youtube.com 長ぐつをはいたネコことプス(アントニオ・バンデラス)は無鉄砲な暮らしぶりがたたってネコが持つ9つの命のうち8つを失ってしまった。ドクターストップをかけられ、... 続きを読む
あなたを好きになってくれた人は全員、いなくなる~『別れる決心』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
パク・チャヌク監督の新作『別れる決心』を見た。 www.youtube.com 仕事の都合で妻と別居状態のチャン・ヘジュン(パク・ヘイル)は、山の上から滑落したと思われる男性の死を操作することになる。中国から移民してきた若い妻ソン・ソレ(タン・ウェイ)が怪しいが、ヘジュンはだんだんソレに対して捜査対象以上の興味を... 続きを読む
アニメ版『ベルベット・ゴールドマイン』~『犬王』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
湯浅政明監督『犬王』を見てきた。古川日出男の小説『平家物語 犬王の巻』のアニメ映画化である。脚本は野木亜紀子、キャラクター原案を松本大洋、音楽を大友良英がつとめている。 www.youtube.com 南北朝の時代が舞台で、異形の者として生まれたが猿楽の芸を極めると身体の異形の箇所がひとつずつ減っていく犬王(アヴ... 続きを読む
入谷系生霊ホラー~『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』(ネタバレ) - Commentarius Saevus
サム・ライミ監督『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』を見た。 www.youtube.com ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)は、街で怪物に追われていた少女アメリカ(ソーチー・ゴメス)を助けるが、アメリカはマルチバースを移動する能力を持った少女だった。ドクター・ストレンジは... 続きを読む
むかしむかし、ニューヨークにとても挙動不審な王子様が住んでいました~『イン・ザ・ハイツ』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
『イン・ザ・ハイツ』を見てきた。リン・マニュエル=ミランダとキアラ・アレグリア・ヒュデスによる舞台の映画化である。『クレイジー・リッチ・エイジアンズ』の監督であるジョン・M・チュウが監督をつとめている。 www.youtube.com 舞台はニューヨークのワイントンハイツ(観光地としてはクロイスターズ美術館がある... 続きを読む
佐藤由美子さんの「日本語版ウィキペディアで「歴史修正主義」が広がる理由と解決策」について - Commentarius Saevus
ここ数日よく読まれているらしい、佐藤由美子さんの「日本語版ウィキペディアで「歴史修正主義」が広がる理由と解決策」というエントリを読みました。こちらは月末の学会で発表するための準備のようなものだということです。 yumikosato.com こちらについて、日本語版ウィキペディアに歴史修正主義がはびこっているとか... 続きを読む
台本はよく出来ているが、個人的に非常にいけ好かない映画だと思った~『アルプススタンドのはしの方』 - Commentarius Saevus
『アルプススタンドのはしの方』を見てきた。高校演劇で賞をとった戯曲の映画化である。元の舞台は未見である。 www.youtube.com もともとが高校演劇の戯曲ということで、短い作品だ。演劇部のあすは(小野莉奈)とひかる(西本まりん)、元野球部の藤野(平井亜門)、優等生の宮下(中村守里)を中心に、高校野球の観戦... 続きを読む
子供の世界と性愛の拒絶~『AKIRA』4Kリマスター版(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
大友克洋監督『AKIRA』の4Kリマスター版をIMAXで見てきた。今回初めてこの映画を見た。漫画のほうは全く読んだことがない。 www.youtube.com 舞台は第三次世界大戦から31年後、2019年のネオ東京である。オリンピックを控えているのにしょっちゅう抗議運動が起こっているという不穏な政情ではあるが、一応戦争による破壊... 続きを読む
そこ、車売っちゃダメだ~『家族を想うとき』と男らしさ問題(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
ケン・ローチの新作『家族を想うとき』を見てきた。 www.youtube.com ニューカッスルに住む主人公のリッキー(クリス・ヒッチェン)は良い仕事を見つけられず、配送ドライバーの仕事に就く。形式上は請負で仕事を受けているようになっているが、実際には雇われドライバーとして酷使されるだけで、ろくに休むこともできない... 続きを読む
『アナと雪の女王2』メモ(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
『アナと雪の女王2』を見てきたのだが、これはどこかの媒体に長いレビューを書くかもしれないので、とりあえず気付いた点のメモだけ置いておこうかと思う。 ・秋の葉などを基調とした赤っぽい色調で、前作とは違う色合いを見せようとしている。 ・ロマン主義の絵画にすごく影響を受けている。たまにフリードリッヒみたい... 続きを読む
[B! 芸術] 献血ポスター問題について - Commentarius Saevus
献血ポスター問題について - Commentarius Saevus
ここ3週間近く議論が続いている『宇崎ちゃんは遊びたい!』献血ポスターについて、このようなtogetterまとめが投稿されました。 togetter.com これは吉峯耕平弁護士が私と行った議論をまとめたセルフまとめです。セルフまとめで相手の議論について「saebou先生の反倫理的な「すごく高い倫理」」などという中立性に欠ける... 続きを読む
受動的な創られたヴィラン~『ジョーカー』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
『ジョーカー』を見てきた。『バットマン』の悪役であるジョーカーがどうやってジョーカーになったのかを描いた作品…というのは建前で、ほとんど別の映画である。 wwws.warnerbros.co.jp ゴッサムシティに住むアーサー(ホアキン・フェニックス)はピエロの仕事をしながら母ペニー(フランセス・コンロイ)の介護をしている... 続きを読む
西部の街もヒッピーコミューンも、人の集まりは所詮同じ~『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(ネタバレあり) - Commentarius Saevus
タランティーノの新作『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を見てきた。 www.youtube.com 舞台は1969年のハリウッド。人気テレビ西部劇の主役だったが、うまく映画に進出できずに最近落ち目のアクションスター、リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)と、専属のスタントマン兼世話係で親友でもあるク... 続きを読む
ディズニークラシックはマシュー・ヴォーンを雇わない~『アラジン』 - Commentarius Saevus
『アラジン』を見てきた。1992年のアニメ版は子供の時に学校で見た覚えがあるのだが、その時は吹き替えが羽賀研二で大変印象が悪く、その後英語でちらっと見てロビン・ウィリアムズの話芸がすごいのには感心した覚えがある。 www.youtube.com お話はかなりオーソドックスなおとぎ話で、アグラバーの都でこそどろをして暮... 続きを読む