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人気順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 users「103万円の壁」撤廃で地方財政が破綻?:冷静な議論のための論点整理/中里透 - SYNODOS
「103万円の壁」をめぐる議論が引き続き活発に行われている。この問題をめぐっては新たな論点も浮上した。それは基礎控除の引き上げなどによる所得税と住民税の減収によって、都道府県・市町村の一般財源に大幅な減収が生じることに関するものだ。 各県の知事からはこの問題をめぐり相次いで懸念が表明され、中には「こ... 続きを読む
「不況下の株高」と巣ごもり消費――データをもとに考える / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
日経平均株価が30年ぶりの高値となっている。もっとも、それにふさわしい高揚感はみられない。新型コロナの感染が続き、景気の先行きが見通せない中で株価だけがどんどん上がっていくことには、不安や違和感を感じる人も少なくないだろう。株式市場がその時々の経済の姿を写す鏡でなくなってしまったことを嘆く声もある... 続きを読む
資金繰り支援と地方銀行の再編――金融政策の政策金融化について考える / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
日本銀行が市場に供給している資金には「色のついたおカネ」と「色のついていないおカネ」がある。もちろんこれは比喩であるが、2013年以降、日銀が採用してきた金融政策の枠組み(量的・質的金融緩和)についていうと、「質的」緩和が色のついたおカネの供給に、「量的」緩和が色のついていないおカネの供給に当たる。... 続きを読む
コロナ禍と日本経済――「財政ファイナンス」について考える / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
新型コロナの感染拡大の影響をうけて大きく落ち込んだ景気は、4-6月期に底を打ち、回復を続けているものとみられる。もっとも、足元の消費の動向などを均してみると、回復の動きは緩やかなものにとどまっている。感染の再拡大への懸念や感染防止に向けた特別な対応が求められていることもあり、経済活動がコロナ前の水準... 続きを読む
現金給付の政府案について考える――複雑で手間のかかる制度設計の成果は? / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
緊急経済対策が閣議決定された。焦点となっていた家計支援策(個人向けの現金給付)については、いくつかの制限を付したうえで自己申告(申請)をもとに給付が行われることとなったが、この政府案についてはさまざまな疑問や批判の声が寄せられている。緊急経済対策の原案の了承を得るために開かれた自民・公明両党の会... 続きを読む
商品券より日銀券――簡素で効率的な給付について考える / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
4月上旬にも決定が予定されている緊急経済対策のとりまとめに向けて、活発な議論が展開されている。中には和牛商品券(お肉券)や国産魚介券(お魚券)の発行を求めるユニークな提案もあって、これには批判の声も寄せられているようだ。 感染のさらなる拡大と景気の急速な悪化が懸念される中で、はたしてこのような議論... 続きを読む
消費減税か現金給付か――制度と経緯に即して考える / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
新型肺炎(コロナウイルス感染症)の影響で景気が急速に悪化しつつある。2月の景気ウォッチャー調査では、足元の景況が東日本大震災の直後の水準に近づきつつあることが示されたが、こうした中、経済対策の柱として消費減税や現金給付の提案が数多くなされるようになった。 もっとも、このような提案については「バラマ... 続きを読む
天候不順と消費増税――2013年に逆戻りするアベノミクス / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
2月17日に公表されたGDP速報値(1次速報値)では、昨年10-12月期の実質成長率が年率換算で6%を上回る大幅なマイナスとなった。この落ち込みについては台風と暖冬の影響が大きいとされている。 もっとも、この説明を額面通りに受け取ることはできないかもしれない。消費税率が8%に引き上げられた2014年には、増... 続きを読む
「財政赤字容認論」は許容できるか――景気減速と「反緊縮」の経済学 / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
このところ、財政支出の拡大を求めるさまざまな提案の是非をめぐって、活発な議論が行われている。今年の春から夏にかけてはMMT(現代貨幣理論・現代金融理論)が注目を集めたが、財政政策の役割を重視する考え方は、「正統派」とされる経済分析の枠組みにおいても広がりをみせている。もちろん、このような「財政赤字容... 続きを読む
消費税は引き上げられるか?――現代金融理論と「反緊縮」の経済学 / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
景気後退に対する懸念の高まりから、今年10月の消費増税をめぐる議論が再び活発に行われるようになった。こうした中、反緊縮を謳い、拡張的な財政運営を志向する現代金融理論(Modern Monetary Theory)が注目を集めている。米国の民主党左派が提唱するこの理論の日本における扱われ方は、しばらく前までは「対岸の火事... 続きを読む
実質賃金と毎月勤労統計をめぐるQ&A 参考値の前年比は▲0.3%(試算) / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
毎月勤労統計の「不正調査」をめぐる問題に関して、昨年(2018年)の実質賃金の前年比がプラス・マイナスいずれだったのかということが大きな注目を集めている。国会では連日この問題が議論され、「参考値」(共通事業所の実質賃金のデータ)の開示が強く求められている。こうした中、2月22日には名目賃金の「実質化をめ... 続きを読む
実質賃金についてどのように考えるか?――「統計不正」と「実感なき景気回復」のあいだ / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
毎月勤労統計(厚生労働省)をめぐる問題が大きな注目を集めている。この問題は「統計不正」という言葉で一括りにされることが多いが、統計処理の「不正」をめぐる報道には誤解もみられる。そこで、本稿ではこの問題について、実質賃金をめぐる議論を中心に論点整理を行うこととしたい。本稿の主たるメッセージは、 ・こ... 続きを読む
消費増税は「確定」したのか――「19年10月10%」について考える / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
先月10月15日の臨時閣議で、安倍総理は2019年10月に消費税率を10%に引き上げることを表明した。このことは新聞やテレビで広く報じられ、大きなニュースとして受けとめられたが、この「表明」が意味することについての認識はさまざまであり、必ずしも共通の理解が得られているとはいえない状況にある。 この閣議での「表... 続きを読む
金融政策決定会合の「総括的検証」――物価はなぜ上がらないのか part2 / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
7月30、31の両日に開催された金融政策決定会合での議論を経て、日本銀行は金融政策の変更を決定した。今回の決定は新聞などで大きく報じられたが、その趣旨については見方がかなり分かれているようだ。そこで、本稿では今回の金融政策決定会合の「総括的検証」を行うとともに、5年半にわたる異次元緩和の来し方行く末に... 続きを読む
物価はなぜ上がらないのか?――「アマゾン効果」と「基調的な物価」のあいだ / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
このところ、「物価が上がらないのはネット通販のせい?」という話が注目を集めている。この議論は、6月18日に日本銀行から公表されたレポートを機に盛り上がりをみせているが、足元の物価の弱い動きをめぐる議論とも連動するかたちで、引き続き話題となっていきそうだ。こうしたなか、7月30~31日に開催される金融政策... 続きを読む
消費増税をめぐる「総括的検証」――消費の停滞についてどのように理解するか / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
消費税率が8%に引き上げられて4年が経過した。2014年4月の増税は財政収支の改善に一定の役割を果たしたが、その反面、消費の大幅な落ち込みを通じて景気や物価の動向にマイナスの影響をもたらした。こうした中、19年10月には再増税(消費税率の10%への引き上げ)が予定されており、その実施・延期の決定が今秋にも行われるものと見込まれる。増税実施の可否を判断するに当たっては、14年4月の増税が景気や物価の... 続きを読む
日本の財政状況についてどのように考えるか? / 中里透 / マクロ経済学・財政運営 | SYNODOS -シノドス-
日本の財政状況に関する見方については楽観論と悲観論が入り混じり、必ずしも十分なコンセンサスが得られているとはいえない状況にある。「消費増税を延期すると国債暴落」と「借金1000兆円に騙されるな」の間には、やはり大きな隔たりがあるということになるだろう。両者の距離を少しでも埋めるべく、本稿では現在の財政状況をめぐる議論について論点整理を試みることとしたい。 本稿の主たるメッセージをあらかじめ要約する... 続きを読む