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人気順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 users松原岩五郎『最暗黒の東京』(講談社学術文庫版)
松原岩五郎『最暗黒の東京』が、講談社学術文庫から再刊されていた。日本の貧困ルポものの先駆。横山源之助の『日本の下層社会』に隠れてしまいがちだが、いろいろな意味で興味深い。1893年(明治26年)の発刊なので、経済学者の河上肇が『貧乏物語』を新聞に連載した大正5年よりも早いし、河上が福田徳三と都市の労働者の健康問題と貧困について議論した明治末年よりも早い。ここらへんの東京の貧民窟は江戸時代(あるいは... 続きを読む
大正末期の無名の娼妓の手記と近代公娼制度について
はてな匿名ダイアリーで投稿されていた「大正末期のある女郎の実態」という記事について、印象的なお話であったので一読してすぐに紀田順一郎著「東京の下層社会」での娼妓森光子(有名女優の故森光子とは同姓同名の別人)のエピソードだとわかった。 東京の下層社会 (ちくま学芸文庫)posted with amazlet at 13.06.05紀田 順一郎 筑摩書房 売り上げランキング: 70,370 Amazo... 続きを読む
暗黒企業の原初形態〜明治の女工の地獄について | Kousyoublog
と、かの有名なエミール・デュルケームの名著タイトルをもじりつつ、前回に引き続いて紀田順一郎著「東京の下層社会 (ちくま学芸文庫)」および武田晴人著「仕事と日本人 (ちくま新書)」等より明治〜昭和初期の女工たちが味わった地獄について。 当時、一部の選ばれた人々を除く大多数の女性たちにとって、明治政府治世下の日本で生きるというのは様々な困難を味あわされるものであったが、特に女工となるというのは文字通り... 続きを読む
昭和五年のスラム街もらい子大量殺人事件「岩の坂事件」 | Kousyoublog
明治から昭和初期にかけての東京の貧困層に関するルポルタージュをまとめた紀田順一郎著「東京の下層社会 (ちくま学芸文庫)」に、当時横行した「もらい子殺し」の代表的な事件「岩の坂事件」について詳述されている。 昭和五年(1930)四月十三日午後六時ごろ。板橋町下板橋の医院に生後一ヶ月前後の男児の遺体を抱えた近所の岩の坂に住む作業員福田はつ(40)と、中年男性小倉幸次郎が訪れる。小倉はその男児の実母で同... 続きを読む