タグ ボヘミア
人気順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 users欧州統合という壮大な夢を描いたのも、その夢に幕を引こうとするのも「東京生まれの日系人」という奇縁 | 100年の時を超えて重なり合う二人
ボヘミアにやってきた日系一家 1896年の夏、ボヘミア西部の町ロンスペルクに、この町の城の新しい女主人がやって来た。彼女は、芸事の稽古を積んだ若い日本人女性で、1年前にオーストリア・ハンガリー帝国の進歩的な外交官と結婚し、クーデンホーフ=カレルギー光子「伯爵夫人」となっていた。 夫は東京での仕事を辞め、... 続きを読む
【2021年まとめ】海外文学の新刊を読みまくったので、一言感想を書いていく - ボヘミアの海岸線
2021年は、海外文学の新刊を読みまくった。 『本の雑誌』の新刊ガイド連載「新刊めったくたガイド」の海外文学担当になったからだ。 「新刊めったくたガイド」は、ジャンルごとにわかれて、毎月4冊以上の新刊を紹介する連載だ。日本文学、海外文学、SF、ミステリ、ノンフィクションと、ジャンルごとに担当者が書いている... 続きを読む
挫折した海外文学選手権 - ボヘミアの海岸線
これまでたくさんの小説に挫折してきた。いったいどれほどの本を手に取り、本棚に戻したことだろう。 これは、私と、私と本棚を共有してきた妹による、とりわけ思い出深い「挫折した海外文学」の記録である。 マルセル・プルースト『失われた時を求めて』 ウィリアム・ギャディス『JR』 ラブレー『ガルガンチュアとパン... 続きを読む
『地図の物語』アン・ルーニー|地図が小説に似ていた時代 - ボヘミアの海岸線
一般に、地図の用途といえば、経路や地形を調べることだ。旅の手引きともなる。だが、歴史を振り返ると、こうした用途ばかりではないことがわかる。 ーーアン・ルーニー『地図の物語』 かつて地図が小説に似ていた時代があった。 「地図」といえば、今ならメルカトル図法の地図やGoogle Mapが思い浮かぶ。これらの地図は... 続きを読む
アメリカ大統領選挙の支持地盤で読む、アメリカ文学リスト - ボヘミアの海岸線
2020年アメリカ大統領選挙は激戦だった。2016年大統領選挙以降、世界中で、共和党と民主党それぞれを支持する「支持州」と「支持層」に注目が集まったように思う。 アメリカの大統領選挙は、人口ごとに選挙人数が割り振られ、州ごとにどちらかの政党を選ぶ「勝者総取り方式」が大半だ。そして州ごとにどちらかの政党を選... 続きを読む
重力を切り裂いて、叫べロケット|『重力の虹』トマス・ピンチョン - ボヘミアの海岸線
この上昇は<重力>に知られるだろう。だがロケットのエンジンは、脱出を約束し、魂を軋らせる、深みからの燃焼の叫びだ。生贄は、落下に縛り付けられて履いても、脱出の約束に、予言に、のっとって昇っていく…… ーートマス・ピンチョン『重力の虹』 これまでの人生で、読書会を開催したのは2回だけ。1回目は2015年『重... 続きを読む
『素晴らしきソリボ』パトリック・シャモワゾ―|小説で再現できない「語り」の魔術 - ボヘミアの海岸線 - 海外文学の感想
彼にとっては、書くことでは物事の本質をとらえることはできないのです。 ――パトリック・シャモワゾ―『素晴らしきソリボ』 じつににぎやかな小説だ。文字よりも声への敬意に満ちている。 かつてすべての物語が声で語られた時代があった。ええくりいく! と語り手が聴衆に語りかければ、聴衆は、ええくらあく! と叫び... 続きを読む
『ハリエット・タブマン』上杉忍|逃亡成功率100%の伝説的「逃亡奴隷」 - ボヘミアの海岸線 - 海外文学の感想
逃亡者は先のことを何も知らずに自らを投げ出さねばならない。北斗七星と北極星のみを頼りにただひたすら先に進んだ。星が見えないときは、樹木の幹のこけの生えている側から北の方向を知って進んだ。彼女は、州というものがあること自体を知らなかった。 ――上杉忍『ハリエット・タブマン』 「逃亡奴隷」伝説を打ち立て... 続きを読む
人類の絶滅神話を語る、世界最後の男|『オリクスとクレイク』マーガレット・アトウッド - ボヘミアの海岸線 - 海外文学の感想
“エクスティンクタソン(絶滅マラソン)。モニターはマッドアダム。アダムは生ける動物に名前をつけた。マッドアダムは死んだ動物に名前をつける。プレーしますか?” ――マーガレット・アトウッド『オリクスとクレイク』 人類の絶滅神話を語る、世界最後の男 *1 罪深い人類が絶滅した世界はエデンだろうか? それとも地... 続きを読む
生産的でない人を共食いさせた国家|『共食いの島』ニコラ・ヴェルト - ボヘミアの海岸線 - 海外文学の感想
いや、ちがう、同志、われわれはうまくやらねばならないとしても、春までには連中全部がくたばるように行動する必要がある。なにか着せるにしても、死ぬ前に少しばかり森の伐採をさせるのに間に合えば十分だ。 ーーニコラ・ヴェルト『共食いの島』 生産的でない人を共食いさせた国家 1930年代、スターリン時代ソビエトが... 続きを読む
中世オープンワールドRPG『Kingdom Come: Deliverance』ついに日本上陸。日本語版がDMM GAMESから発売へ | AUTOMATON
DMM GAMESは本日9月13日、東京ゲームショウ 2018のステージ出展内容を公開した。その中で、Warhorse Studiosが手がける『Kingdom Come: Deliverance』を、『キングダムカム・デリバランス 日本語版』として発売することが明かされた。 ※海外版トレイラー 『Kingdom Come: Deliverance』は、15世紀のボヘミアを舞台とした... 続きを読む
悪魔が書いた聖書。中世最大の写本「ギガス写本」 : カラパイア
高さ92cm、幅50cm、厚さ22cm、重さ75kg。この巨大な写本は、「ギガス写本」と呼ばれており、現存する中世の写本としては最大のものである。 13世紀初め、ボヘミア(現在のチェコ)のベネディクト会の修道院で作られたと見られているが、中には悪魔の大きなイラストがあり、その製作にまつわる伝説から「悪魔の聖書」 とも呼ばれている。 中世期に伝えられていた話によると、この写本を書いたのは修道僧として... 続きを読む