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人気順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 users「再販制は死んだ。出版万歳!」 – EBook2.0 Magazine
アマゾンジャパンは1月31日、取引出版社(現在約3000社)との間で「買切条件で仕入」、同時に「自動発注システム」を全商品に対して試行するという新方針を記者会見で発表した。返品率を現在の20%から引下げるのが目標というが、在庫品の値下げ販売(協議制)を含んでおり、事実上の「卸販売」への移行を意味する。 アマ... 続きを読む
EBook2.0 Magazine – 「文」の価値は復活するか?
英国の著作権管理団体ALCS (Authors’Licensing and Collecting Society)は6月27日、5,500人を対象とした調査レポート「英国作家の所得 2018年版」を公表し、著者の収入が2013年以降15%、2005年以降で42%と急速に下落していることを示した。中間値は 1万ポンド(£10,500≒153万3,000円)と最低賃金以下となる。当然、専業... 続きを読む
EBook2.0 Magazine – デジタルを嫌う出版社を素通りする市場
東京国際ブックフェア(TIBF)は、24回目となる今年の開催を休止し、2018年9月の開催を目指すことを決めた。2016年に電子出版EXPOが消え、一般消費者向けの「純粋な『読者イベント』」として再出発したTIBFはさらに漂流することになる。ニューヨークのDigital Book World (DBW)も1月が最後となりそうだ。何が起きているのだろう。 市場に背を向ける出版業界の運命 TIBFは書... 続きを読む
EBook2.0 Magazine – 一瞬で消えた日本的流通の「結界」
紀伊国屋書店が8月21日、「インターネット書店への対抗策」として、村上春樹氏の著書の初版10万冊の9割を出版社から直接買い取り、自社店舗のほか他社の書店に限定して供給する、と発表したことは、日本の書籍流通における歴史に画期を成す出来事と言える。それは栗田出版販売の倒産に続く、日本的流通の自壊における里程標を示すものだ。 紀伊國屋書店の「宮廷クーデター」 俗受けする衣装を纏ってはいるが「敵」がアマゾ... 続きを読む
EBook2.0 Magazine – 栗田倒産が起動した「業界」解体のシナリオ
昨年2月に拙稿「日本的出版流通解体へのカウントダウン」を掲載し、「現在の出版業界は、5年以内、あるいは売上規模1兆2,000億円、アマゾン・シェア30%あまりの水準で独立性、一体性を失い、分解を始めるだろう。」と予想した。果たして「業界」の要と言える「取次」の一角が崩れたが、その処理過程はさらに次の段階の始まりを予告するものとなるだろう。 出版金融システムの破綻 取次準大手の栗田出版販売の倒産は、... 続きを読む
EBook2.0 Magazine – 日本的出版システムの命数(1):取次の空洞化
6月26日、取次準大手の栗田出版販売が倒産した(民事再生申請)。同じ日、アマゾンは「夏の読書推進お買い得キャンペーン」で、(かつての)ベストセラーを含む110タイトルの2割引販売を開始した。再版制の下で、出版社と書店の間のインタフェースとして機能してきた取次というビジネスに何が起こっているか。 「3位、4位」の不幸と再版制の空洞化 2つのイベントの間には、もちろん直接的関係はないが、日本の再販制度... 続きを読む
EBook2.0 Magazine – 「もの書き」は絶滅危惧種か?
英国の職業作家の収入に関する最新の調査結果が、著作権と版権料支払に関わる機関から発表され、ライターという職業が収入低下により「限界点」に達していることが明らかになった。窮乏化の原因が出版ビジネスの没落でないことは(日本以外では)実証済なので、これはクリエイティブ産業における「労働分配率の低下」を示すことになる。 職業作家の窮乏化と格差拡大 この調査は、Authors’ Licensing & Co... 続きを読む
EBook2.0 Magazine – 音楽「販売モデル」の凋落は何を語るか
CD売上の定常的減少はもはや常識だが、最近ではダウンロード(DL)もCD販売を追っている。替って増えているのは定額のストリーミング(ST)とアナログLPという両極である。これにYouTubeも加えるべきだと思うが、これは業界の売上に入っていない。この現象は書籍の将来に何を暗示しているのだろうか。 マスマーケティングの限界 Atlantic誌のデレク・トムソン編集長は最近「音楽販売の死」と題する記事... 続きを読む
EBook2.0 Magazine — データから読むインディーズ出版のノウハウ
自主出版サービス Smashwordsの創業者マーク・コーカーCEOは、5月2日にカンサスシティで開催された RT Booklovers Conventionで講演し、同社が行った調査データをもとに、本のマーケティングに有用なアドバイスを行った。標題、長さ、価格、表紙と販売との関係について興味深い事実が示されている。ここでは、簡単に紹介しておこう。価格を安くすること、大勢に従うことがベターであると... 続きを読む
EBook2.0 Magazine — 「iPadでオライリーの本は読まない」謎
動物の表紙の情報技術書で知られるオライリー社は、DRMなしで多様なフォーマットのE-Bookを直販し、複数のダウンロードを認めることで、誰がどんな形で読んでいるかを把握しているが、同社のジョン・ウィルカート氏は最近、そうした読書習慣を示す興味深いデータ(相対比)を公開した。それによれば、PDFとコンピュータがなお最も重要なフォーマットとデバイスであることを示している。驚きは、iPadが主要なデバイ... 続きを読む
EBook2.0 Magazine — JMangaサービス停止の波紋
「日本のマンガ出版社が連携して海外展開を目指」したJ.Manga.comは3月14日、コンテンツの販売(3月13日)、閲覧(5月30日)の全てを停止すると発表した(→サイトの告知)。集英社、小学館、講談社など国内出版社39社からなるデジタルコミック協議会の協賛の下、凸版印刷の関連会社であるビットウェイが2011年8月に設立したこの事業は、わずか1年半で潰え去った。米国を中心とした世界のファンに「電... 続きを読む
若者の「本離れ」「デジタル志向」は伝説か « EBook2.0 Magazine
米国人のインターネット/メディア接触行動について定点調査を行っているニューヨークのピュー・センターは、青少年(16-29歳)の読書習慣について調べた調査レポートで、1年以内に本を1冊以上読んだのは83%で、うち75%は紙の本だったことを明らかにした。同じく1年以内にE-Bookを読んだのは19%、オーディオブックを聞いたのは11%だった。これはデジタル・リーディングをリードするのが若者ではないこと... 続きを読む
ジョブズの遺産:iBooks新戦略をめぐる7つの問い « EBook2.0 Magazine
iBooks Authorを中心としたアップルのiBooks 2戦略は、2つの面を持っている。今日の教育に不可欠なマルチメディア・コンテンツを作り、出版する武器を万人に開放するという啓蒙的側面と、出版はiBookstoreを通じなければならない(iPadを使え)という専制的側面だ。「啓蒙的専制君主」としての故スティーブ・ジョブズの面目躍如とした遺産なのだが、これを受け容れるかどうか、われわれも選択... 続きを読む
EPUB 3の正式化:日本語組版仕様を含む世界標準 « EBook2.0 Magazine
EPUB 3の標準化を進めてきたIDPFは10月11日、会員による投票の結果、提案どおりに最終仕様(IDPF勧告)として採択し、公開したと発表した。EPUB 3は2010年5月に着手され、今年5月に勧告提案として決着して正式採択を残すだけとなっていた。最新のWeb標準であるHTML5をベースとし、リッ チメディアや対話機能、日本語縦組みを含む多言語表現、スタイルとレイアウトの拡張、メタデータファシ... 続きを読む
EPUB 3の正式化:日本語組版仕様を含む世界標準 « EBook2.0 Magazine
EPUB 3の標準化を進めてきたIDPFは10月11日、会員による投票の結果、提案どおりに最終仕様(IDPF勧告)として採択し、公開したと発表した。EPUB 3は2010年5月に着手され、今年5月に勧告提案として決着して正式採択を残すだけとなっていた。最新のWeb標準であるHTML5をベースとし、リッ チメディアや対話機能、日本語縦組みを含む多言語表現、スタイルとレイアウトの拡張、メタデータファシ... 続きを読む
アマゾンタブレットは2万円以下。その名はKindle « EBook2.0 Magazine
さて、やはりアマゾン・タブレットの最新情報に触れないわけには行かない。9月2日、TechCrunchが一連の噂の掉尾を飾る(?)、MGシーグラー氏のレポートを掲載した。これまでのものとは違って、実物(設計検証用)を見て触ったというのだから、これは「公式リーク」に近いと考えてよい。写真なしが条件とのことで、写真はないのだが、ヒントとしてはRIMの7型タブレットPlayBookと似ているらしい。その名... 続きを読む
出版を目ざす著者たち(1):著者の独立宣言 « EBook2.0 Magazine
米国で有名著者による自主出版が続いている。ビジネス本のセス・ゴディン氏はアマゾンと協力して構築中のDomino Projectから新著(Poke the Box)のリリースを計画。ミステリー本のアリサ・ヴァルデス氏(写真右)も新著を単独で出版すると発表した。100万部を売った実績がある著者とロングセラー本の存在は、伝統的に大手出版社のビジネスモデルの前提となってきたが、ここでも「終りの始まり」が見... 続きを読む
“ブーム”に沸く米国出版界のリーダーたち « EBook2.0 Magazine
米国出版界はデジタルブームに沸いている。フォレスター社の調査によると、出版社トップは2014年末までに、E-Bookの販売額が全書籍の半分を占めるようになると予想、それが出版社の経営にとっても好ましいことと考えている。たった1年前の不安は吹き飛び、自信満々なのだ。これはむしろ危ない。まだデジタル革命の第1幕で、読者、著者、出版社に有利にしてデジタルが定着するようにアマゾンが演出しているからだ。これ... 続きを読む