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人気順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 users《222》 どこまで詳しく説明すべきか - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
臨床で患者さんにご説明するときに、どれぐらいまで詳しく説明するべきか、いつも迷います。できるだけ詳しくなんでも説明してほしい患者さんもいれば、あまりたくさんのことを言われてもわからないので要点だけ説明してほしい患者さんもいるでしょう。 前回、肝臓のがんが強く疑われたときには、良性の可能性があっても病理検査なしで治療してしまう場合もあることをご説明しました。コラムだとよく伝わると思います。ゆっくりと... 続きを読む
《213》 ニセ医師を防ぐためには - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
最近珍しくなったニセ医師のニュースがありました。医師免許証の写しを使って医師紹介業者に登録するという手口です。 ニセ医師が2千人を診察できたワケ 評判上々、甘い確認 http://apital.asahi.com/article/news/2015081700003.html 「症状が重い人は、他の医療機関での受診を勧めた」そうで、不適切な治療や見落としなどで身体的な被害に遭われた患者さんは幸いに... 続きを読む
《212》 後医が名医に見えるわけ - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
「後医は名医」という言葉があります。最初に診察した医師(前医)よりも、後から診察した医師のほうが腕が良く見えることを表した言葉です。 「後医は名医」というエピソードはたとえば以下のようなものです。 咳が出るから病院に受診したら風邪だと診断された。薬を処方されたが咳は治らない。 別の医師に診せたら胸部単純レントゲンと胸部CTを撮影され、実は肺がんだったことがわかった。 肺がんを風邪だと誤診した前医は... 続きを読む
《208》 なぜ韓国のMERSの致死率は低いのか - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
前回、「E型肝炎と診断された人のうち、どれぐらいの割合が死亡するかはわかっています。WHOのサイトでは0.5~4%とされています」と書きました。分母が「E型肝炎と診断された人数」、分子が「E型肝炎が原因で死んだ人数」です。これを致死率といいます。致死率が高いほうが怖い病気だと言えますが、あくまでも目安の一つに過ぎません。 致死率は、分子である死亡数だけでなく、分母である「診断された人数」の影響を受... 続きを読む
はてなブックマーク - 《204》 豚の生食のリスク - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
《204》 豚の生食のリスク - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康) 暮らし 2015/06/22 10:16 apital(アピタル):朝日新聞社の医療サイト 医療 食品衛生法 food ウイルス memo 病気 Virus 2015年6月12日から、豚の生レバーや生肉を飲食店で提供することが禁止されました。以前の記事の中でも述べましたが、豚を生で食べると、E型肝炎ウイルスや... 続きを読む
《204》 豚の生食のリスク - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
2015年6月12日から、豚の生レバーや生肉を飲食店で提供することが禁止されました。以前の記事の中でも述べましたが、豚を生で食べると、E型肝炎ウイルスやサルモネラ菌、有鉤条虫等の寄生虫に感染するリスクがあります。 とくにE型肝炎ウイルスは、一般的な細菌による食中毒と違って、どんなに新鮮であっても感染します。寄生虫なら冷凍して殺すこともできますが、ウイルスは冷凍しても死にません。 豚の生レバーを食べ... 続きを読む
《201》 がん検診のデメリットの一つ、偽陽性。 - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
適切ながん検診は、早期発見・早期治療によってがんによる死亡を減らします。一方で、検診にはコストもかかります。ここでいうコストとは単に費用がかかるというだけではありません。デメリットと呼んだほうがわかりやすいかもしれません。がん検診のデメリットの一つに「偽陽性」があります。 偽陽性とは、一次検査では「がんの疑い」という結果が出たものの、精密検査では「がんではない」と診断されることです。「最終的には、... 続きを読む
内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
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《191》 パキスタンにおけるポリオワクチン拒否 - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
多くの国でポリオは根絶されましたが、いくつかの国ではまだポリオが流行しています。その一つがパキスタンです。CNNが伝えるところによると、パキスタンにおいて、子どもにポリオのワクチンを受けさせなかった親500人あまりが逮捕されたそうです。 子どものポリオ予防接種を拒否、500人以上の親逮捕 パキスタン http://www.cnn.co.jp/world/35061298.html イスラマバード(... 続きを読む
《163》 「病院がないほうが死亡率が下がる」は本当か (後) - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
前回は、夕張市では心疾患、肺炎、がんによる死亡率が減少したのにも関わらず、総死亡率はそれほど変化しなかったという話をしました。 心疾患、肺炎、がん以外による死亡が増えたということになりますが、いったい何による死亡が増えたのでしょうか。実は、平成15~19年から平成20~24年にかけて大きく増えた死因があります。老衰です。 平成10~14年の老衰のデータはありません。平成15~19年の夕張市の老衰の... 続きを読む
《159》 日本人男性の部位別がん死亡率の変化 - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
統計の数字やグラフを眺めていると、いろんなことに気づいて興味深いです。一例として、国立がん研究センターのページ( http://ganjoho.jp/public/statistics/pub/statistics02.html )にある、日本人男性の部位別がん年齢調整死亡率の推移のグラフをご紹介しましょう。 がんの死亡率はさまざまな要因の影響を受けます。がんは高齢者に多い病気ですので、全人口の中... 続きを読む
《114》 納豆好きの患者の望みを聞いたら - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
薬の中には、特定の食品と相互作用するものがあります。有名なのがワルファリンという抗凝固薬です。ワルファリンが食品と相互作用する理由は、ワルファリンとビタミンKの関係を知ることでわかります。 血液が固まる(凝固する)には、さまざまな因子が関係しますが、その一つがビタミンKです。ビタミンKが不足すると血液が固まりにくくなります。普通の食事をしていればビタミンKが不足することはありませんが、例外として、... 続きを読む
《113》 じゃあ、何を食べればいいの? - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
「健康食品にもごく小さいながらリスクがあるとなると、健康になるためには何を食べればいいの?」とお考えの読者もいるかもしれません。 私は医師ですから、病気の人の食事についてはある程度は知っています。たとえば腎臓病ならカリウム制限、心臓病ならナトリウム制限が必要な場合があります。あるいは、薬と食品が相互作用することもあります。たとえば、ワルファリンという薬を飲んでいる人は、ビタミンKを含む食品(納豆な... 続きを読む
《112》 ウコンは肝臓に要注意! - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
ウコンってありますよね。黄色くて良い匂いがする植物由来の香辛料です。英語ではターメリックと言い、カレーにも入っています。また、二日酔いに効くなどとされ、ウコンを使用した商品もあります。さて、ウコンは鉄分を豊富に含みます。ということはつまり、大量にウコンを摂取すると、慢性肝炎を悪化させるかもしれないというわけですね。 実は、ウコンは肝臓には要注意なのです。内藤裕史著「健康食品・中毒百科」(丸善出版)... 続きを読む
《109》 「理論的に効きそう」から「効く」までの大きな狭間 - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
慢性C型肝炎に対する標準治療は、インターフェロンによるC型肝炎ウイルスの排除です。インターフェロンが効かなかったり、副作用等のためにインターフェロン治療ができない場合は、ウイルスを無理に排除しようとせず、次善の策として、肝炎を抑えて肝臓を保護する治療を行います。その一つが瀉血療法です。 慢性C型肝炎において鉄代謝が重要な役割を演じていることが知られています。鉄が過剰になると、フリーラジカルと呼ばれ... 続きを読む
《89》 「専門医がいないので」と救急車が断わられた。納得できなくても…… - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
よくある「たらい回し」報道では、多くの病院から救急車の受け入れを断られたとされています。重症の患者さんの対応で「受け入れ困難」になることがあるとしても、1病院や2病院ならともかく、何十もの病院が同時に「受け入れ困難」になるはずはない、という意見もあるでしょう。 救急車の受け入れを断る理由の一つに「専門医がいない」というものがあります。「専門医でなくてもいいからとにかく診るべきだ」とお考えの読者もい... 続きを読む
《87》 「減っているものを補う」のは体にいいのか - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
前回は「高齢者で酵素の量が少ないからといって、酵素を食べれば体に良いとは限らない」という話をしました。酵素に限らずサプリメントの広告では、「減少したものを補充すれば体にいいはずだ」という主張をよく見ます。でも、それが、必ずしも正しいとは限りません。 具体的な例をあげましょう。肝臓の機能が低下し腹水がたまっている肝硬変の患者さんは、しばしば低ナトリウム血症を起こします。血液中のナトリウムが減っている... 続きを読む
《85》 もともと効果があるのか、携帯型の空間除菌製剤 - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
社員証のように首からさげるタイプの携帯型空間除菌剤で化学熱傷が生じたというニュースがありました。 首からさげる「ウイルス除去剤」でやけど 幼児が重傷 塩素成分でウイルスを除去するとうたった携帯型の「ウイルスプロテクター」でやけどの被害事例が相次いでいるとして、消費者庁は18日、「この製品の使用を直ちに中止してほしい」と呼びかけた。 問題の製品は中国で製造されたもので、「ダイトクコーポレーション」(... 続きを読む
《83》 「勝手な妄想」の切れ味 - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
歌舞伎俳優の市川団十郎さんが亡くなりました。報道によると、2004年に急性骨髄性白血病を発症し、2008年には骨髄移植を受けていたとのことです。直接の死因は肺炎ですが、もともとの白血病が再発したか、あるいは白血病に対して受けた治療の影響もあったのかもしれません。 白血病について、精神科医の和田秀樹さんが、「勝手な妄想だが」との注釈つきながら、不特定多数との性行為が原因かもしれないと言っています。 ... 続きを読む
《78》 総務の方、診断書、必要ですか? - 内科医・酒井健司の医心電信 - アピタル(医療・健康)
「会社に出す診断書が欲しい」と、インフルエンザウイルスやノロウイルスの検査を希望する患者さんがたまにいらっしゃいます。会社にもよるでしょうが、短期の病欠にも医師による診断書を要求するところもあるようです。 インフルエンザウイルスはともかく、前回お話ししたように、ノロウイルスについては健康成人に対する検査は保険適用外ですので、診察料も含めて全額自費となります。検査をしなくても自覚症状や状況から「ノロ... 続きを読む
アピタル_内科医・酒井健司の医心電信_【第48回】 実は効かなかった薬
本当は効かない治療なのに効果ありと誤認する要因についてのお話をしています。おそらく誤認の要因として最も大きいのは自然治癒を治療効果と誤認することでしょう。 多くの症状は何の治療もしなくても自然に良くなります。がんですら、ごく稀に自然治癒することがあります。何らかの治療を行ったあとに病気が良くなったら、治療の効果だと考えてしまいがちですが、単に自然に良くなっただけかもしれません。 大事なことなので何... 続きを読む