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人気順 5 users 50 users 100 users 500 users 1000 users最後の敵 : 漂流生活的看護記録
現在わたしのごく身近な人がガンであることがわかり、闘病中である。彼自身から病名をカムアウトされたとき、わたしは「それって・・・」と言葉に詰まった。医療者な...現在わたしのごく身近な人がガンであることがわかり、闘病中である。彼自身から病名をカムアウトされたとき、わたしは「それって・・・」と言葉に詰まった。医療者ならまず知らない者はいないぐらい悪性度の高い(予後の悪い)種類の腫瘍だったからである。た... 続きを読む
こけのむすまで : 漂流生活的看護記録
さてもう3月も半ばを過ぎ、卒業式のシーズンで。この時期になると歌わないとか不起立とかの話題が出てきたりするものなのだけれど、わたしが中学生だった30年近く...さてもう3月も半ばを過ぎ、卒業式のシーズンで。この時期になると歌わないとか不起立とかの話題が出てきたりするものなのだけれど、わたしが中学生だった30年近く前にはもうすでに「国歌を歌わない」教師はいた。起立しないのまでいたかは覚えていない。わ... 続きを読む
芸は身を : 漂流生活的看護記録
日本の旗が昇る朝日なら、この国は青空の中天に輝く真昼の太陽なのだと思う。11月の末から2週間ほど、ブエノスアイレスに行ってきた。アルゼンチンでは今年5月に...11月の末から2週間ほど、ブエノスアイレスに行ってきた。アルゼンチンでは今年5月に人工呼吸器や体外循環などの機械のアシストがなければ生命維持ができない状態であること、そしてその状態は不可逆的であること、本人の意思が明確であることを条件に「治... 続きを読む
決意はいつでも翻る : 漂流生活的看護記録
今ではほとんどが蘇生後脳症の遷延性意識障害の患者ばかりになってしまったが、うちの病棟は本来ALSや筋ジストロフィーなどの神経難病の進行で人工呼吸器管理が必...今ではほとんどが蘇生後脳症の遷延性意識障害の患者ばかりになってしまったが、うちの病棟は本来ALSや筋ジストロフィーなどの神経難病の進行で人工呼吸器管理が必要になった人たちのための病棟である。あるとき在宅で介護を受けてきたのだが、肺炎で急激に... 続きを読む
値踏みする目線 : 漂流生活的看護記録
考えるところあって、去年あたりからまた改めて看護学を勉強しなおすことになった。(それでこちらの方でまとまった文章をあまり書けなくなっていたのだが)その中で...考えるところあって、去年あたりからまた改めて看護学を勉強しなおすことになった。(それでこちらの方でまとまった文章をあまり書けなくなっていたのだが)その中で死生学を取ることになり、レポート作成のため必要になって今読んでいる資料に「ラモン・サン... 続きを読む
最暗黒の「美しい国」 : 漂流生活的看護記録
「おにぎりが食べたい」と書き残して亡くなった人の話になかなか入れなかった。なぜならごく最近、リアルで餓死した人を看取ったから。この東京の真ん中で、まだ若い...「おにぎりが食べたい」と書き残して亡くなった人の話になかなか入れなかった。なぜならごく最近、リアルで餓死した人を看取ったから。この東京の真ん中で、まだ若い、家族もいる人が餓死した。詳しくは書けないけれど、行政の受け皿さえあれば死ぬことはなか... 続きを読む
変態さんが行く : 漂流生活的看護記録
保険会社に勤めていた頃、最初に配属されたのは「法人営業部」というところだった。企業向けの団体定期保険や企業年金、役員向けのキーマン保険などを扱う部署で、生...保険会社に勤めていた頃、最初に配属されたのは「法人営業部」というところだった。企業向けの団体定期保険や企業年金、役員向けのキーマン保険などを扱う部署で、生保レディが飛び込み営業で個人向けの定期付終身保険をバリバリ売り込んでいる営業支部とは違... 続きを読む
漂流生活的看護記録 : 売名
しぶしぶたたかうかんごふさん。今から20年ぐらい前、作業療法士の専門学校に行っていたことがあった。どうしても医療系の仕事につきたくて大学を中退し、受験しなおしたのだ。しかし両親は大反対していて、必死に説得したところ、学費だけは出してもらえるが生活費は自分で稼ぐという条件で入学することはできた。今思えばかなり無茶な条件だったと思う。入学時に教務から「アルバイトは不可です。いえ、不可能です」と言われた... 続きを読む
漂流生活的看護記録 : それで満足ですか?
しぶしぶたたかうかんごふさん。わたしがまだ卒後5年目ぐらいの頃勤めていた病院に転院してきた、わたしと同い年の女性患者がいた。末期がんだった。もう何の手を打つでもなくなった段階で、苦痛の緩和をしながらゆっくり最期まで過ごしたいと本人と家族が望んだので、それまで治療を受けていた都心の大きな病院から、何かあって電話すれば5分以内に駆けつけることができる近所にあるうちの病院に移ったのだということだった。入... 続きを読む
漂流生活的看護記録 : 呪いの肉じゃが
しぶしぶたたかうかんごふさん。休日・夜間外来には人間ドラマがある。 この時期になると、指をざっくり切った若い女の子が彼氏らしき男の子に連れられてやって来ることが多い。ある時など立て続けにやってきて、外来に置いてある縫合セットを使い切ってしまい、病棟から持って降りてきたぐらいである。 それがまたみんな同じような状態で、料理をしていて指を切ってしまったという。どうも新しい環境で最近つきあい始めた男に手... 続きを読む
漂流生活的看護記録 : 希望
しぶしぶたたかうかんごふさん。栄養士をしていた母が「昔は看護婦さんが病棟で経管栄養の素をぬるま湯で溶かして調合してたもんよー、これが油臭くってねえ、とてもやないけど飲んでみようて気になれるもんやなかったわ」と言っていた。わたしが看護師になった10年前はまだ缶やアルミパウチに入った経管栄養をイリゲーターという吊り下げ式のボトルに入れて使っていたところもあったが、今はほとんどがこうした個別のパックにな... 続きを読む
漂流生活的看護記録 : 危機介入
しぶしぶたたかうかんごふさん。新人の頃働いていたリハビリテーション病院に交通事故で脊髄を損傷し、下肢機能全廃の二十歳そこそこの男の子が入院してきた。 事故から間がないにもかかわらず、妙にさばさばとした明るい男の子で、入院時の機能測定をしたPTが「まだ機能回復が望めると思っているのかもしれませんね」と言っていたが、本人は「もうこれ以上よくなることはないと知っている」と、やはり元気にわたし達のアナムネ... 続きを読む