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新着順 10 users 50 users 100 users 500 users 1000 users明るく楽しく暗部に迫る悲痛なコメディ「ちーちゃんはちょっと足りない」深町秋生のコミックストリート
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 「このミステリーがすごい!」大賞受賞作『果てしなき渇き』を原作とした映画 『渇き。』が2014年6月27日より全国ロードショー。 読んでいて窒息しそうな一冊だった。 鬼才・阿部共実の新刊『ちーちゃんはちょっと足りない』だ。魔球のような短編で読者を翻弄しまくっ... 続きを読む
2014年極私的ランキング・ベスト5 深町秋生のコミックストリート
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! さて、年末であります。 今年も恒例の極私的ランキングの発表であります。1位から5位などとランキング形式になっておりますが、どれも等しくすばらしいので、ぜひ全部読んでいただきたいと思っております。今年も心を揺さぶられる作品にいっぱい出会えた。 ちなみに今年は... 続きを読む
"生活保護"という最前線に送られた新兵たちの苦闘。柏木ハルコ「健康で文化的な最低限度の生活」 深町秋生のコミックストリート
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 昔、どんづまりの人を見たことがある。 私は三十代半ばまでサラリーマン生活をしていた。富山の置き薬みたいなルート販売をやっている製薬会社に勤務していた。ドラッグストアが乱立している今、若い人にはなじみがないかもしれない。「薬箱を家に置かせてもらって、使った分だ... 続きを読む
アクション、グルメ、民俗学に狩猟。欲張りエンターテインメント『ゴールデンカムイ』 深町秋生のコミックストリート
政府の圧政に耐えかねた一部のアイヌたちが、金塊約75キロを軍資金としてひそかに貯めこんでいたが、ひとりの男がアイヌたちを皆殺しにし、北海道のどこかに隠したという。虐殺した男“のっぺらぼう”は死刑囚として捕まり、網走監獄にぶち込まれるが、決して金塊の在り処を喋ろうとしなかった。しかし、同じ死刑囚たちに在り処を記した暗号を刻みこみ、集団脱走させたという。単なる与太話かと思いきや、金塊の話は真実味を帯び... 続きを読む
2012年極私的ランキング・ベスト5 深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! さて、今回も一冊取り上げたるで! ……と言いたいところだが、早いものでこれが今年最後の回。よって2012年に発売されたコミック作品の、私的ベストファイブをやろうと思う。 http://www.sakuranbo.co.jp/livres/cs/2011/12... 続きを読む
殺し屋女子が奏でるハードコアな血のメロディ。コミック界を爆音で突き抜ける快作「デストロ246」 深町秋生のコミックストリート
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! しばらく高倉健の任侠映画ばかり見ていた。 礼儀正しくて水臭い。ヤクザの世界に生きてはいるが、できれば正業に力を入れ、カタギになってまっとうに暮らしたい……ヒトゴロシなどとんでもない。そんな正義感の健さん。しかし、調子こいた悪漢どもの嫌がらせと奸計に、じつに長... 続きを読む
アダルティなマンガ家が描く、至高の愛の物語「四谷区花園町」 深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 「表現する喜び、信念をつらぬく厳しさ。誰かとめぐり逢う奇跡、愛しぬくことの尊さ。これは魂の物語です。」(こうの史代) 「素晴らしい 青春漫画の王道だ! “エロ”はどんな時代にも生きる勇気を与えてくれる。映画にしたいと思った」(行定勲) 個人的な話だが、一度だ... 続きを読む
2011年極私的ランキング・ベスト5 深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! さて、今回も一冊取り上げたるで! ……と言いたいところだが、今年最後の回でもあるので、今回は2011年に発売されたコミック作品の、私的ベストファイブという企画で、やってみようと思う。 今年の傾向としては、やはり震災のおかげで、心にしんどいダメージを負い、重... 続きを読む
無垢なる動物たちの大残酷。壮絶な傑作『WE3』 深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! なんちゅう物語を作ってくれるんや……。 思わず本を持つ手が震えた。いや、すばらしい。今年のベスト級のおもしろさだ。海外グラフィック・ノベル『WE3(ウィースリー)』(グラント・モリソン作 フランク・クワイトリー画 堺三保訳 小学館集英社プロダクション)である... 続きを読む
2013年極私的ランキング・ベスト5 深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! さて、年末であります。今年も恒例の極私的ランキングといきたいところ。 とはいえ、このランキングもいいかげんなもので、「自分が今年読んだ作品」を対象としているので、今年刊行されたものでもなんでもない作品も、ふつうにランクインさせていたのだった。 というわけで... 続きを読む
血と涙をインク代わりに。苦闘の傑作「裁判長! ぼくの弟懲役4年でどうすか」深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 最近、ネットを見ていてびっくりしたのが、「今、裁判傍聴デートが熱い!」という記事だった。どこで目にしたのかは忘れてしまったが。 読んで字のごとく、裁判を傍聴して、知的かつ野次馬な好奇心の両方を、無料で満たせるということで、若いカップルの間で流行しているんだそ... 続きを読む
毒にも薬にもなるキラーな傑作「カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」 深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! おそらく今年のコミックランキングの上位に入るだろう話題の短篇集『カフェでよくかかっているJ-POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生』(渋谷直角 扶桑社)を取り上げる。もうすでに、さまざまなメディアやネットでも取り上げられているのだが。すばらしい傑作だった。 ... 続きを読む
撃ち殺された! 三位一対の燃えるアクション「ヨルムンガンド」深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! ごく個人的な話だけれど、「強い女」にめっぽう弱い。 たまにインタビューされると、「あなたの作品は、強い女性がいっぱい出てきますねえ」と尋ねられる。あまり意識したつもりはないが、自分の作品を読み返すと、たしかに腕自慢な女丈夫や、鋼のような精神の女傑を、いっぱい... 続きを読む
ジョーカー&ジョーカー。最凶の犯罪王子ができるまで。深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! や、ノーラン監督版『バットマン』3部作が、ついに完結しましたね。 と、マンガではなく映画の話から始めたい。先日、『ダークナイト・ライジング』を見たのだった。ハリウッドの大プロジェクトにもかかわらず、信じられないような大穴がいたるところに開いていたが、(「ここ... 続きを読む
まるで現代社会のような。西洋中世残酷物語「乙女戦争」の普遍性 深町秋生のコミックストリート
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 毎日暑いうえに仕事が忙しい。終わらない。死にそう。 せめてマンガぐらいは穏当なものを読んで、心を癒したいと思っていたのだが、手に取ったのはブラッディかつ残酷物語の職人・大西巷一のベストセラー『乙女戦争』(双葉社)だった。 表紙には、ドーンと画に描いたような... 続きを読む
正義とは? 読者に鋭く迫る傑作「スーパーマン:レッドサン」 深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 「ハルク、一番ひもじい! ミュータント、ハルクのエサ!」(ハルク) 「僕はMJを食べてしまった…伯母さんもだ! なぜあんな…」(スパイダーマン) 「生きたまま貪り喰われるのはいい気がせんだろう。だが、君に約束する。潔く降伏すれば苦しまずに死なせてやると」(キャ... 続きを読む
コミック界の新たな至宝。小林まこと『瞼の母』と「長谷川伸シリーズ四部作」 深町秋生のコミックストリート
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 「このミステリーがすごい!」大賞受賞作『果てしなき渇き』を原作とした映画 『渇き。』が2014年6月27日より全国ロードショー。 小林まことの「劇画・長谷川伸シリーズ」は、コミック界の新たな至宝となるだろう。四部作のラスト『瞼の母』(講談社)を読んで思った。 ... 続きを読む
ひりつくような青春の悶絶「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」 深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 中学2年生のとき、性格がすっかり暗くなった。 そもそも私が過ごした山形県のH中学校がじつにやばいところだった。当時は、野蛮かつ粗暴な空気に満ちあふれ、教師はそんな事態を見て見ぬフリ。完全に学級崩壊を起こしていた。野球部の練習についていけず、ドロップアウトした... 続きを読む
マンガ界の風雲児の愛すべき横顔『青木雄二物語』 深町秋生のコミックストリート
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 「このミステリーがすごい!」大賞受賞作『果てしなき渇き』を原作とした映画 『渇き。』が2014年6月27日より全国ロードショー。 「マルクス読まんかい!」「これが唯物論や!」「不渡り出したということは、お前はもう死んだいうことなんや!」 ……と、作品はもちろ... 続きを読む
戦争はいかんです。腹が減ります。戦時における異色のグルメコミック「戦争めし」 深町秋生のコミックストリート
南陽市出身、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 続きを読む
漫画バカ一代。血と汗と根性のテヅカ「ブラック・ジャック創作秘話」深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 今年のランキングを賑わすであろう人気沸騰のノンフィクション・コミック『ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~』(秋田書店 原作・宮崎克 漫画・吉本浩二)を読んだ。 いいですか? 一度しか言いませんよ。もう私の文章なんか読んでないで、とっとと書店に... 続きを読む
煮えたぎる男たちの四畳半。「抱かれたい道場」 深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! 先月はじつに男らしい季節だった。 まず映画がよかった。上旬に北野武監督の「バカ野郎この野郎」映画『アウトレイジ ビヨンド』があり、下旬にはワケありな筋肉スター総出演の『エクスペンダブルズ2』が劇場公開。どちらもヤケクソ度の高い侠気あふれる作品だった。そして先... 続きを読む
悪い聖人ジョーカーを徹底追及。「ジョーカー/JOKER」 深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! いや、ホント、ワルってのは手ごわいもんです。 なんのことかといえば、創作上でのこと。物語を生み出すには、とにもかくにもキャラクターを作らんといかんのだが、私個人の話でいえば、もっとも知恵と創意工夫が求められるのは、主役よりも悪役の造形だったりする。名作と呼ば... 続きを読む
静寂と精緻が織りなす色気と磁力。豊田徹也「アンダーカレント」 深町秋生のコミックストリート
南陽市在住、第三回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作家の 深町秋生さんが、毎回、独自の視点で気になる漫画・お勧めのコミックをセレクト! とくに用もなく、ネット通販サイトのアマゾンをぶらぶら巡回する。 こういうマンガ評をやっているくらいなので、いつもステキなコミックに出くわさないかなと望んでいるが、街の書店などに寄っても、コミックというのはビニールがかけられてあって、中身がなかなか読めなかった... 続きを読む
示現流開祖の剣士人生と薩摩の狂戦士たち。時代劇画の傑作「薩南示現流」 深町秋生のコミックストリート
だいたい下のほうにある「タブー」とか「裏社会」「絶望社会」というタイトルのついた、コアマガジン系のおどろおどろしいマンガ、それに山口組関係のもの(たいがい雑な内容)などをチェックするのがクセとなっている。そのなかにまぎれこんでいたのが、今回取り上げる剣術時代劇画『薩南示現流』(原作・津本陽 とみ新蔵)だった。これがめちゃくちゃにおもしろかったのだ! 狂気の残酷武士道コミック『シグルイ』を思わせるハ... 続きを読む