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人気順 5 users 10 users 100 users 500 users 1000 users福澤克雄『VIVANT』 - 青春ゾンビ
TBSドラマ『VIVANT』がおおいに盛り上がっている。個人的には心の1本になるような作品ではないけども、“テレビドラマ”というジャンルを愛好するものとしてはテレビが巻き起こす、この熱狂がとてもうれしい。実際のところ、おもしろいのだ。ツッコミどころ満載ながらも、莫大な予算感の壮大なスケールで黙らされてしまう... 続きを読む
道路交通看板「静かに」について - 青春ゾンビ
夜が更けた帰り道、親の運転する車の窓から見上げる、「静かに」と書かれた青い看板が好きだった。お出掛けが終わってしまう“寂しさ”と、知っている場所に帰ってきた“安心感”がないまぜになったような感覚。幼心に芽生えたちょっとだけ複雑な感情が、あの看板に今でも宿っているような気がする。 そもそも、道路標識とい... 続きを読む
宮﨑駿『君たちはどう生きるか』 - 青春ゾンビ
宮﨑駿による『不思議の国のアリス』(ルイス・キャロル)とでもいうような、イマジネーションの破茶滅茶なまでの躍動。『千と千尋の神隠し』以降の作品に見られた傾向がさらに押し進み、ストーリー・テリングとしては、明らかに混乱している。しかし、それは宮﨑駿の“世界”に対する誠実な態度であるように思う。シンプ... 続きを読む
『かまいたちの知らんけど』濱家が涙…スーパー・イズミヤへ最後の挨拶 - 青春ゾンビ
MBS製作『かまいたちの知らんけど』の9月12日放送の特別編「37年間通ったスーパー イズミヤへ濱家最後の挨拶」が実に素晴らしい内容だった。関西圏外にはあまり馴染みのない番組かもしれないが、今はTVerという素晴らしいメディアがありますのでぜひチェックして欲しい。 かまいたちの濱家の生まれ育った大阪市東淀川区... 続きを読む
坂元裕二『大豆田とわ子と三人の元夫』1話 - 青春ゾンビ
<A面> オレンジ色の上下のジャージを身に纏った大豆田とわ子(松たか子)が、オレンジ色の布で囲われた公園を歩いている。このはじまりが象徴的なのだけど、この『大豆田とわ子と三人の元夫』というドラマにはあまりにも“オレンジ”に満ちているのだ。大豆太とわ子が入店するお洒落なパン屋の軒先、大豆田とわ子の住む... 続きを読む
坂元裕二『花束みたいな恋をした』 - 青春ゾンビ
<A面> 絹(有村架純)が「この人はわたしに話しかけてくれている」と心酔するブログ『恋愛生存率』ではいつも同じテーマが綴られていた。それは、”はじまりはおわりのはじまり“。 出会いは常に別れを内在し、恋愛はパーティーのようにいつしか終わる。だから恋する者たちは好きなものを持ち寄ってテーブルを挟み、お喋... 続きを読む
新海誠『天気の子』 - 青春ゾンビ
降り続ける雨を、流れる“涙”の比喩としよう。この街では、誰かがいつも泣いているからだ。映画のキーヴィジュアルに選ばれたのは代々木会館だった。『傷だらけの天使』(1974)でお馴染みの通称“エンジェルビル“*1。つまり、これは現代社会から爪弾きにされた天使たち(≒若者たち)の、その涙の物語なのだ。この映画で多... 続きを読む
プロフェッショナル仕事の流儀「 生きづらい、あなたへ~脚本家・坂元裕二~」 - 青春ゾンビ
「私 この人のこと好き 目キラキラ」みたいなのは そこには本当はない気がするんですよね バスの帰りで雑談をして バスの車中で「今日は風が強いね」とか 「前のおじさん寝ているね」「うとうとしているね」とか そんな話をしながら 「じゃあね」って帰って行って 家に着いて 一人でテレビでも見ようかなって思ったけど... 続きを読む
芝山努『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』 - 青春ゾンビ
2018 - 03 - 28 芝山努『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』 『 ドラえもん のび太 と夢幻三剣士』(1994)という映画がある。決して出来のいい作品ではない。1980~90年代における ドラえもん 映画の黄金期と照らし合わせてみると、その ストーリーテリング には雲泥の差があると言っていい。おそらく今後もリメイクの対象になることはないだろう。原作者である 藤子・F・不二雄 も「失敗作」... 続きを読む
野木亜紀子『アンナチュラル』1話 - 青春ゾンビ
うおー。思わず声が出てしまうほどにおもしろいではありませんか。脚本、役者、演出、編集、劇伴、衣装・・・あらゆる要素が90点越えを叩き出す超優等生の登場である。脚本は 野木亜紀子 。『 空飛ぶ広報室 』(2013)、『 重版出来! 』(2016)、『 逃げるは恥だが役に立つ 』(2016)などで高い評価を得た、原作ものの スペシャ リストがついにオリジナル脚本でテレビドラマを手掛けるということで、期... 続きを読む
坂元裕二『anone』1話 - 青春ゾンビ
2018 - 01 - 12 坂元裕二『anone』1話 坂元裕二 の新作ドラマ『anone』の放送がついに開始された。ジャンルレスゆえに、現段階ではまだまだ漠然とした印象だが、イメージを織り重ね、ストーリーを形作っていくその筆致はやはり郡を抜いている。1話における白眉は、偽札を巡る歪なカー チェイス で3つの群像劇が交差していくスペクタクルだろうか。その果てに、「靴が脱げてしまう」という情けない... 続きを読む
新しい地図『72時間ホンネテレビ』 - 青春ゾンビ
2017 - 11 - 06 新しい地図『72時間ホンネテレビ』 毎日みんなで口にするのは「ああ あいつも来てればなぁ」って 本当に僕も同感だよ それだけが残念でしょうがないよ スチャダラパー 「彼方からの手紙」 そこに”いない”と感じるってことは、実はむちゃくちゃ”いる”ということなのだ。『72時間ホンネテレビ』は3人としてスタートを切る番組ではなく、どこまでも5(6)人を諦めない、という意志の... 続きを読む
「ハライチ岩井 フリートーク集」の凄味 - 青春ゾンビ
2017 - 10 - 30 「ハライチ岩井 フリートーク集」の凄味 youtu.be 突然ですが、2017年にリリースされた音源のベスト1が決定いたしました。「ハライチ岩井 フリー トーク 集」である。「ハライチのラジオがおもしろい」というのは何度も目にする文言でしたが、すでに放送が開始されているラジオ番組を新規で聞き始めるというのは、かなりの リテラシー が求められる。ラジオ番組の特有のグルー... 続きを読む
水曜日のダウンタウン「寝たら起きない王決定戦」 - 青春ゾンビ
2017 - 10 - 16 水曜日のダウンタウン「寝たら起きない王決定戦」 2017年10月11日放送の『 水曜日のダウンタウン 』の衝撃から抜け出せないでいる。PUNPEEの『MODERN TIMES』発売記念バージョンのOPもグッときてしまうし、冒頭の新企画「リアルスラムドッグミリオネア」も ギャラクシー賞 候補間違いなし。企画の発想力もさることながら、「見ること」「聞くこと」の”不確かさ”... 続きを読む
にゃんこスター「リズム縄跳び」の衝撃 - 青春ゾンビ
2017 - 10 - 03 にゃんこスター「リズム縄跳び」の衝撃 かまいたち と さらば青春の光 の熱戦は実に見応えがあった。 さらば青春の光 の森田にはブルースがある。売れて欲しいけど、売れない悲哀がより彼らをおもしろくしていきそうで、複雑な心持ちだ。しかし、あれだけ売れっ子である アンガールズ がルーザーの視点を持ち続けているのにはグッときてしまうではないか。2本目の「こんな人間がい たこ ... 続きを読む
小沢健二とSEKAI NO OWARI『フクロウの声が聞こえる』 - 青春ゾンビ
2017 - 09 - 12 小沢健二とSEKAI NO OWARI『フクロウの声が聞こえる』 約20年の空白を経て、 小沢健二 が再び表舞台にその姿を現した。しかも、とびきりの新曲を携えて、だ。もう「懐メロ出稼ぎおじさん」といったような揶揄は通用しないだろう。ニューシングルはまさかの SEKAI NO OWARI とのコラボレーション。度肝を抜く発想と行動力でもって人々の関心を弄び、視線を釘付け... 続きを読む
坂元裕二×是枝裕和トークショー『ドラマの神様は細部に宿る』 - 青春ゾンビ
2017 - 07 - 03 坂元裕二×是枝裕和トークショー『ドラマの神様は細部に宿る』 坂元裕二 と 是枝裕和 、この字面の並び!!何度だって反芻したい。 坂元裕二 × 是枝裕和 トークショー 『ドラマの神様は細部に宿る』に参加してきたのだ。”テレビドラマ”を語るにおいて、この上ない組み合わせを実現させた 早稲田大学 演劇博物館に溢れんばかりの感謝を。当初は300人収容の会場での開催予定だったの... 続きを読む
福島真希『伊藤まりかっと。』 - 青春ゾンビ
2017 - 03 - 28 福島真希『伊藤まりかっと。』 髪を切るのは億劫だ。私の中で美容室もしくは床屋に行く、というのが”素敵な自分になること”とイコールで結びつかないからだろう。伸びすぎたから仕方なく切りに行く。それはもうほとんど排泄行為のようなものであって、お金を払ってかしこまってウンチをしているわけだから、完全に不条理の世界なのです。とりわけローティーンの頃などは自意識が捻じれ果てていた... 続きを読む
坂元裕二『カルテット』最終話 - 青春ゾンビ
2017 - 03 - 23 坂元裕二『カルテット』最終話 『カルテット』がついに終わってしまった。なんたる幸福な3ヵ月であったことだろうか。 坂元裕二 の最高傑作か否かという判断は観終えたばかりなので留保するが、間違いなく『 それでも、生きてゆく 』(2011)、『 最高の離婚 』(2013)という燦然と輝くマ スターピース に肩を並べる作品の誕生である。 坂元裕二 への強烈な愛を叫びながらも、... 続きを読む
坂元裕二『カルテット』9話 - 青春ゾンビ
2017 - 03 - 16 坂元裕二『カルテット』9話 家森:別府くん この映画いつになったら面白くなるの? 真紀:宇宙・・・出てこないですね すずめ:幽霊はどこにいるんですか? 別府:だから そういうのを楽しむ映画なんです 『スターシップ 対 ゴースト』という、2話で登場した『人魚 対 半魚人』に劣らぬB級感を醸し出す映画を観ながらの4人の会話。まさにこの『カルテット』という作品についての自己... 続きを読む
坂元裕二『カルテット』8話 - 青春ゾンビ
2017 - 03 - 09 坂元裕二『カルテット』8話 またしても心震えるような傑作回である。8話に到達してもなお、 坂元裕二 のペンが絶好調だ。例えば、「お義母さん!(駆け寄って) 野沢菜 ふりかけ」というギャグのようなシークエンス1つとっても、真紀( 松たか子 )にハグを期待してかわされる鏡子( もたいまさこ )に、同じく別れ際にハグをすかされた幹生( 宮藤官九郎 )の顔がチラつく。こういっ... 続きを読む
坂元裕二『カルテット』7話 - 青春ゾンビ
2017 - 03 - 02 坂元裕二『カルテット』7話 素晴らしい!!6話ラストの怒涛の急展開をして、やはり『ファーゴ』なのか!?と盛り上がっているふりをしながらも、 満島ひかり の「だいたい7話くらいで坂元さんは・・・ちょっとねぇ」という愚痴に共鳴している自分がいました。しかし、7話においても決しておかしな方向に舵を取らず、これまで積み上げてきたものを礎にて、物語が転がっていった事にホッと胸を... 続きを読む
デミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』 - 青春ゾンビ
2017 - 02 - 28 デミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』 映画館でスクリーンの前に立って客席を見渡すミア( エマ・ストーン )のモラル(ひいてはチャゼルの映画愛)を責めたてるのは簡単なわけだけども、それよりも映画の光を文字通り身体に浴びたミアが、上映が中断された『理由なき反抗』のシーンを引き継ぎ、 天文台 に登っていくという演出のひらめきを支持したい気持ちが強い。 ミュージカル映画 、も... 続きを読む
坂元裕二『カルテット』6話 - 青春ゾンビ
2017 - 02 - 23 坂元裕二『カルテット』6話 カルテットメンバーが一斉に介さない。ほとんどの尺を巻夫婦の回想に費やす異色の6話である。『MOTHER』8話における道木仁美( 尾野真千子 )の回想、『それでも生きてゆく』7話における三崎文哉( 風間俊介 )の回想など、この手法は 坂元裕二 作品においてたまに顔を出す大技である。物語の進行を停滞させてまで語らねばならない過去というのは確かに... 続きを読む
坂元裕二『カルテット』5話 - 青春ゾンビ
2017 - 02 - 16 坂元裕二『カルテット』5話 30分の放送を経て、やっとのことタイトルバックが現れる。その直前に披露されるのはカルテットによる実に幸福な路上演奏だ。1話のオープニングを思い出したい。路上でチェロを独奏する世吹すずめ( 満島ひかり )に足を止めるものはいなかった。誰からも耳を傾けられることのなかったその音色が、彼女の 運命共同体 であるカルテットとして奏でられると、かくも... 続きを読む