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初心者対象の坐禅指導をしたときの小話です。 「坐禅をしたいという方がよくおっしゃることが二つあります。一つは、『いろいろ考えて疲れちゃったから、頭を真っ白にしたい』、もう一つは『何事にも動じることのない強い心を作りたい』ということです。 最初の方は、言わばテクニカルな問題なので、『真っ白』をどういう状態と考えるかは人それぞれとして、『万事を休息』的状態に持ち込むのは、練習次第です。 ところが後者に... 続きを読む
恐山あれこれ日記: 独占インタビュー
独占インタビュー むつ市の中学1年生・女子4人組が、「調べ学習(彼女らがそう言ってました)」のために、恐山にやってきました。なんでも、「責任者のお坊さん」にインタビューして、レポートを作るのだそうです。 「どうぞよろしくお願いします」(4人同時にペコリ) 「はい、よろしく」(院代なんとなく緊張) 「じゃあ、私から、最初にい・・・、恐山はどうして霊場なんですか?」 (おおっ!いきなり根源的な問題) ... 続きを読む
恐山あれこれ日記: 女王の、「ありのまま」の、絶望的孤独
女王の、「ありのまま」の、絶望的孤独 何分にも流行に疎いので、「ありのままで~~」とか「アナ雪」とかいう声があちこちから頻繁に聞こえていた頃は雑音同然だったものが、記録的興行成績をあげ、今もそれを更新し続けているアニメーション映画の主題歌とタイトルであると、最近ようやく知りました。 さらについ先日、主題歌の全体を聞く機会があり、興味を持ってストーリーの粗筋を読んでみたら、これがまた、時々「自己啓発... 続きを読む
恐山あれこれ日記: 「物語」の欲望
「物語」の欲望 私がものを考えるとき、不可欠の前提としていることが三つあります。 一つは、意識と言語の起源については、原理的に知りえない、ということ。 第二に、死についてのすべての言説は、死とは関係ない、ということ。 第三に、にもかかわらず、起源と死を語る欲望を否定しないこと。 一について。 意識が意識の起源を意識し、言語が言語の起源を語ることは、原理的にできません。意識の起源を意識化でき、言語の... 続きを読む
恐山あれこれ日記: 方法主義「真理」論
方法主義「真理」論 「真理」そのもの、「事実」それ自体などというものは、存在しません。存在するのは、「真理だと思ったこと」「事実として認めたこと」です(何であれ人間の頭で理解できる言葉で表示するしかない以上、そうなるでしょう)。 ならば、「真理」や「事実」を語るということは、どうしてそう思ったのか、いかにしてそう認識したのかを語ることでなければなりません。すなわち、いかなる方法を使用して「真理」や... 続きを読む