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人気順 5 users 50 users 100 users 500 users 1000 users福島県で起きた原子力発電所事故の責任を問うことと、現地での放射線被ばくによる直接的な健康被害が軽微なものであると考えることは矛盾しない | 堀有伸
Previous Story Next Story ブログ ハフポストの言論空間を作るブロガーより、新しい視点とリアルタイムの分析をお届けします タイトルに書いた内容は私にとっては当たり前のことなのですが、そうではなくて両者が結びついている人がたくさんいるらしいので、物事を明確にするために、今年のうちに小文を一つまとめておきたいと考えました。 人が「知る」ということには、いくつか異なった水準があり... 続きを読む
反原発運動と反精神医学の記憶 | 堀有伸
精神医学は、その歴史のなかで反精神医学運動というものを経験しました(詳しくは、次を参照してください https://en.wikipedia.org/wiki/Anti-psychiatry)。これは思想的にも、社会における実践においても、相当の深さと広がりを持った運動で、日本の精神医療にも大きな影響を与えました。しかしながら、この運動自体にも問題がありましたし、現在の精神医療の主流がこの流れと対... 続きを読む
コロナイゼーションの進展としての東京電力福島第一原子力発電所事故対応 | 堀有伸
現代の日本社会で一番深刻化している病理は、プライドとつまみ食いです。プライドも、オモテに出ている実績や何らかの能力や所有物についてのプライドであれば、そこには見るべきものがあります。しかし実際にはプライドが高いのに、オモテではまるで謙虚であるかのようにほとんど自虐的に振る舞い、ウラで自分がつまみ食いできるパイの確保と拡大に徹底的にこだわるようなプライドの高さが、次第に高じてしまっています。オモテで... 続きを読む
原子力発電所事故と怒り | 堀有伸
被災地のメンタルヘルスの悪化が話題となることがある。 私は先日、漫画『美味しんぼ』の鼻血騒動に思わず乗ってしまったが、議論の推移を見守っていて、とても不思議に思ったことがあった。「なぜ、放射線による直接的な健康被害の有無にこだわるのだろうか?」という疑問である。放射線の直接的な影響についての評価には不明な点が残るが、精神的な影響を介した広範な健康への被害については、明らかに存在していると考えられる... 続きを読む
現代日本における意識の分裂について(1) 現代うつを巡る考察から | 堀有伸
「日本」について考えるのが難しいのは、日本が「西洋近代」という参照枠に対してねじれた関係にあるからである。西洋近代の精神性は、現在のあらゆる信頼のおける学問の基盤になっている。その一方で、明治以来の日本と西洋近代の精神性との関わりは、「和魂洋才」の言葉に表されるように、全体としての受けいれは拒否しつつ部分的には強く同一化を目指すという歪んだあり方が中心であった。このことの影響を明らかにすることで、... 続きを読む
「こころの病」についての文化の成熟を | 堀有伸
筆者の仕事は精神科医である。「うつ病」が増加したと言われるが、本当の重症の「うつ病」の姿を知っている人の数は、多くはないかもしれない。病気のために全く思考や行動が妨げられていて、食事のような基本的な生活の動作も自力では不可能になってしまう。あるいは切羽詰った堂々巡りの思考にとらわれてしまい、常に自殺のことを考えている、そういう状態に陥ることがある。「うつ病など怠けで病気ではない」という大胆な主張を... 続きを読む