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新着順 5 users 50 users 100 users 500 users 1000 users児玉真美『安楽死が合法の国で起こっていること』(ちくま新書) : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
12月21 児玉真美『安楽死が合法の国で起こっていること』(ちくま新書) カテゴリ:社会8点 相模原障害者施設殺傷事件、京都ALS嘱託殺人事件、そして映画『PLAN 75』など、日本でもたびたび安楽死が話題になることがあります。 安楽死については当然ながら賛成派と反対派がいますが、賛成派の1つの論拠としてあるのは「... 続きを読む
五十嵐彰、迫田さやか『不倫―実証分析が示す全貌』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
2月14 五十嵐彰、迫田さやか『不倫―実証分析が示す全貌』(中公新書) 8点 カテゴリ:社会8点 お堅いイメージの強い中公新書とは思えぬテーマですが、カバーの見返しにある次の内容紹介を見れば、本書がどんな本かよく分かると思います。 配偶者以外との性交渉を指す「不倫」。毎週のように有名人がスクープされる関心... 続きを読む
戸田山和久『哲学入門』(ちくま新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
3月27 戸田山和久『哲学入門』(ちくま新書) 9点 カテゴリ:思想・心理9点 「哲学入門」というと、ソクラテスやカントなどの大哲学者の思想を解説した本か、あるいは「私が死んだら世界は終わるのか?」、「なぜ人を殺してはいけないのか?」といった、多くの人が一度は感じたであろう疑問から、哲学的思考に誘う、といったスタイルが思い浮かびますが、この戸田山和久の「哲学入門」はそれらとはまったく違います。 ... 続きを読む
坂井豊貴『多数決を疑う』(岩波新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
5月11 坂井豊貴『多数決を疑う』(岩波新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 サブタイトルは「社会的選択理論とは何か」。単純な多数決の問題点を指摘し、その代替案、さらには多数決に依拠している現在の政治のこれからのあり方を問う非常に面白い本になっています。 個人的にこの本が素晴らしいと思った理由は2つあって、それは(1)社会的選択理論を初歩から丁寧かつ明晰に説明している点、(2)明晰であるがゆえ... 続きを読む
大竹文雄『競争社会の歩き方』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
9月 11 大竹文雄『競争社会の歩き方』(中公新書) 8点 カテゴリ: 政治・経済 8点 『経済学的思考のセンス』、 『競争と公平感』 (いずれも中公新書)などの著作でおなじみというよりも、最近はEテレの「オイコノミア」でおなじみといったほうがよい大竹文雄による経済学的な読み物。 先にあげた2冊と同じく社会問題などを経済学の切り口で分析しながら、最新の行動経済学の知見などを紹介しています。 「... 続きを読む
ブレイディみかこ『労働者階級の反乱』(光文社新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
11月 6 ブレイディみかこ『労働者階級の反乱』(光文社新書) 7点 カテゴリ: 社会 7点 副題は「地べたから見たイギリスEU離脱」。イギリス人と結婚し、イギリスのブライトンに住みながら、保育士兼ライターとして活躍する著者がイギリスのEU離脱とその背景をリポート、分析した本。 著者に関してはネットの記事などでご存じの方も多いでしょうが、この本でもイギリスの労働者階級の只中で暮らしながら、彼らが... 続きを読む
望月優大『ふたつの日本』(講談社現代新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
4月8 望月優大『ふたつの日本』(講談社現代新書) 8点 カテゴリ:社会8点 副題は「「移民国家」の建前と現実」。イギリスのBrexit、ドイツにおけるAfD(ドイツのための選択肢)の躍進、そして不法移民を排除する「壁」の建設を訴えたトランプ大統領の誕生と、世界では政治の争点として「移民」がクローズアップされて... 続きを読む
原田実『江戸しぐさの正体』(星海社新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
9月17 原田実『江戸しぐさの正体』(星海社新書) 7点 カテゴリ:社会7点 近年、急速に教育現場などに普及してきた「江戸しぐさ」を徹底的に批判した本。 「江戸しぐさ」自体は、かなり荒唐無稽なものを含んでいるので、それをここに批判しただけならば平板な本になってしまったでしょうが、この本ではそうした批判にとどまらず、「江戸しぐさ」の「創始者」ともいうべき芝三光(しばみつあきら)と、その普及に大きな... 続きを読む
片岡剛士『アベノミクスのゆくえ』(光文社新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
4月25 片岡剛士『アベノミクスのゆくえ』(光文社新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 前作『円のゆくえを問いなおす』(ちくま新書)でも丁寧で鋭い分析を見せていた片岡剛士の新刊は新書における「アベノミクス分析・一番乗り」の本にして、 しばらくこれで十分だろうと思わせる本。前作は、安達誠司『円高の正体』(光文社新書)とやや内容がかぶっていて遅れを取った感じもなくはなかったのです が、今作は出版のタ... 続きを読む
2018年の新書 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
12月25 2018年の新書 カテゴリ:その他 去年、「2017年の新書」というエントリーを書いてから、51冊の新書の感想をあげました(実はもう1冊、二松啓紀『絵はがきの大日本帝国』(平凡社新書)を読んでいるのですが、いつものルーチンと違う形で読んだので感想が書けてない。でも、面白い本なので、できれば年末年始に紹介... 続きを読む
深井智朗『プロテスタンティズム』(中公新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
4月 24 深井智朗『プロテスタンティズム』(中公新書) 9点 カテゴリ: 歴史・宗教 9点 1517年、ルターがヴィッテンベルク城の教会に「九五か条の提題」を貼り出し、宗教改革がはじまったとされています。 そんな記念すべき出来事から500周年の年に、ルターから生まれた「プロテスタンティズム」について書かれたのがこの本です。 ただし、この本は必ずしも宗教改革だけに焦点を当てた本ではありません。... 続きを読む
梶谷懐『日本と中国経済』(ちくま新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
12月 26 梶谷懐『日本と中国経済』(ちくま新書) 8点 カテゴリ: 政治・経済 8点 副題は「相互交流と衝突の100年」。著者は、中国の財政・金融といったマクロ経済の専門家ながら、今までも 『「壁と卵」の現代中国論』 、 『日本と中国、「脱近代」の誘惑』 といった著作で(両方とも面白いです)、中国の思想や政治文化、さらの日本人の中国認識の問題などを論じてきた人物で、この本でもそうした知見が十分... 続きを読む
近藤康史『分解するイギリス』(ちくま新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
6月 24 近藤康史『分解するイギリス』(ちくま新書) 9点 カテゴリ: 政治・経済 9点 去年のBrexit(EUからの離脱の国民投票)によって一気に注目をあつめることになったイギリスの政治について、その制度と歴史、さらに現在の機能不全を分析した本。 長年、「ウェストミンスター・モデル」として日本の政治改革などのモデルとされてきたイギリスの政治ですが、近年ではBrexitに代表されるような問題... 続きを読む
國分功一郎『近代政治哲学』(ちくま新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
4月18 國分功一郎『近代政治哲学』(ちくま新書) 7点 カテゴリ:政治・経済7点 社会契約論を中心とした近代政治哲学を読み直し、そこに現在の民主主義の問題点の原点や突破口を探ろうという試み。 構成としてはボーダン、ホッブズ、スピノザ、ロック、ルソー、ヒューム、カントを順にとり上げていくスタイルなので教科書的に見えますが、小平の都道建設問題に積極的に関わった著者の問題意識が色濃く反映されています... 続きを読む
小島庸平『サラ金の歴史』(中公新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
4月14 小島庸平『サラ金の歴史』(中公新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 アコムのラララむじんくん、アイフルのチワワのくぅ~ちゃん、武富士ダンサーズ。一定以上の年齢の人であればテレビCMがサラ金(消費者金融)のCMによって埋め尽くされていた光景を覚えていることと思います。 しかし、このサラ金の隆盛は20... 続きを読む
山崎史郎『人口減少と社会保障』(中公新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
10月 17 山崎史郎『人口減少と社会保障』(中公新書) 8点 カテゴリ: 社会 8点 「今後、人口減少が予想される中で日本の社会保障制度はどうあるべきなのか?」という問題を、元厚生労働省の官僚であり、介護保険の創設に尽力し「ミスター介護保険」と呼ばれた人物が探った本。 web中公新書の 著者インタビューのページ で、著者は自らのキャリアを次のように語っています。 1978年に旧厚生省に入省し、... 続きを読む
野口旭『アベノミクスが変えた日本経済』(ちくま新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
4月 28 野口旭『アベノミクスが変えた日本経済』(ちくま新書) 7点 カテゴリ: 政治・経済 雇用の改善や株価の上昇をもたらしながら、物価目標が未達成となっているアベノミクス。安倍政権をめぐる党派的な対立が激しいこともあって、その評価は大きく割れているのが現状です。 著者はいわゆる「リフレ派」の一人とされる人物で、アベノミクスを評価する立場の人ですが、「日本経済が縮小均衡に陥った責任の大部分は... 続きを読む
中北浩爾『自公政権とは何か』(ちくま新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
6月5 中北浩爾『自公政権とは何か』(ちくま新書) 8点 カテゴリ:政治・経済8点 自民の「一強」状態が続いている昨今の政治ですが、選挙結果などを詳しくみると、公明党の協力があってこその自民「一強」であることも見えてきます。一方、民主党政権の民主党・社民党・国民新党の組み合わせはあっという間に崩壊し、... 続きを読む
池内恵『イスラーム国の衝撃』(文春新書) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
1月22 池内恵『イスラーム国の衝撃』(文春新書) 8点 カテゴリ:政治・経済8点 2014年6月に突如としてイラク第2の都市のモスルを制圧し、その存在を世界に知らしめたイスラーム国。その後も、異教徒に対する過酷な取り扱いや欧米人の人質の処刑、カリフ制の宣言などイスラーム国の行動はまさに「衝撃」を与えるものでした。 そのイスラーム国の来歴と台頭の要因を、近年の中東の政治情勢と政治思想の面から読み... 続きを読む
2019年の新書 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
12月25 2019年の新書 カテゴリ:その他 去年の「2018年の新書」のエントリーからここまで51冊の新書を読んだようです。 今年の前半は中公の歴史ものレベルが非常に高く、上半期は2017年に引き続いて「中公一強か?」と思いましたが、下半期は岩波が巻き返した印象です。特に岩波の9月のラインナップは見事でした。ちくま... 続きを読む
西山隆行『アメリカ政治講義』(ちくま新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
6月23 西山隆行『アメリカ政治講義』(ちくま新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 一昨年に出た『移民大国アメリカ』(ちくま新書)が非常に面白かった著者によるアメリカ政治全般の解説書。 このような概説書的な本はどうしても制度の説明+αとなりがちで、なかなか読んでいて面白いという形にはなりにくいのですが、... 続きを読む
武井彩佳『歴史修正主義』(中公新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
11月23 武井彩佳『歴史修正主義』(中公新書) 9点 カテゴリ:歴史・宗教9点 既存の歴史の書き換えを図る「歴史修正主義」(revisionism)、近年この言葉を聞く機会が増えましたし、それが良くないことであるとの認識も広がっています。 ただし、「何が歴史修正主義なのか?」という難しい問題でもあります。ここ最近... 続きを読む
濱口桂一郎『若者と労働』(中公新書ラクレ) 8点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
8月22 濱口桂一郎『若者と労働』(中公新書ラクレ) 8点 カテゴリ:社会8点 『新しい労働社会』(岩波新書)が非常によかった著者による「若者と労働」をめぐる問題点を分析した本。地に足の着いた議論を進めていながら、同時のかなり論争的な本でもあると思います。 目次は以下の通り。 序章 若者雇用問題がなかった日本 第1章 「就職」型社会と「入社」型社会 第2章 「社員」の仕組み 第3章 「入社」のた... 続きを読む
曽我謙悟『日本の地方政府』(中公新書) 9点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
5月14 曽我謙悟『日本の地方政府』(中公新書) 9点 カテゴリ:政治・経済9点 日本の地方政府(地方自治体)について、その制度と国や地域社会の関係などから明らかにしようとした本になります。 このような政治制度やその実態を明らかにしようとする本だと、事例(地方自治をめぐるさまざまなトピック)や歴史(地方... 続きを読む
2017年の新書 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期
12月 27 2017年の新書 カテゴリ: その他 去年の「 2016年の新書 」というエントリーを書いてからここまで、56冊の新書を読んだようです。 とりあえず1年の感想を言うならば去年に引き続き、今年も豊作だったと思います。特に今年の中公新書のラインナップは素晴らしく、他社のレーベルを引き離して「一強」状態だったのではないでしょうか。 一応、順位をつけて並べる形にはなりますが、上位5冊、さ... 続きを読む